擦り切れるほど聴いたレコードのような悲しみ。
ダイヤのように硬い悲しみ。
フッと湧き出た憎しみは 下品な音を立てるケチャ
悲しみは いつも自分の 傍にいて 双眸の前 手をかざす 二度寝のような 温もりだ
憎しみで壁に頭を打ち付けるような痛みが続く。
薄明かりの優しさ。
滑らかな悲しみ。
空気を入れたばかりのタイヤのような切なさ。
瓶底の 澱を仔細に 見つめてる 透明な液 潜んでる 僕と澱との 間には それに気づかず 口にせず
ひらひらり 覚えているか 白い蝶 かつて地を這い 蠢くを 憂いはしないか 身を焦がし
ふと心 半歩先 手綱食い込む 胸の奥 ふと心 半歩後 手綱緩める 背をさする それでも足跡 続いてる
散る桜 吹雪のように 煌めいて 過去の風景 掘り起こす 苛む心 緑の揺り籠 優しくゆすり なぐさめる
掃いてもまた落ちてる枯れ葉のようなざわめき。
湧き水のようにふわりと現れる希望。
しんしんと雪が降り積もるような虚無感。
限りなく薄いが、硬い不安。