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馬名応募してみた! 早く出した方が採用されやすい!?

一口馬主の醍醐味として、馬名を考えるというのがある。

応募した馬名が採用されると、何やら記念の品が送られてくるらしい。

サンデーの場合は、出資確定後の9月から馬名募集が始まり、年明けすぐ1月上旬に締め切られ、3月上旬に発表される。

私もせっかく権利があるわけなので、ドナウブルー23の馬名を3つほど考えて応募してみた。

採用されるか分からない馬名候補を公表するのは少々恥ずかしいが、自分の記録として、由来や思いと共に書いてみたい。


まず1つ目。

ドナウ川はヨーロッパ中央部を西から東に向かって流れ、黒海に注ぐ国際河川だ。

クルーズで様々な国を巡る=様々な国で走って欲しいという願いを込めている。

しかし、名前はシンプルだが、込めた願いはちょっと分かりにくかったかもしれない。
そもそも海外遠征をする時の移動手段は、船ではなく飛行機だ。

しかも9番仔なので、この名前は今までも応募されている気がする。
これは採用確率0.2%くらいだろう。


次に2つ目。

ドナウ川の河口付近は三角州になっている。
実際、2番仔はドナウデルタと名付けられた。
今は繁殖牝馬として、産駒がサンデーの募集に毎年出ている。

その三角州、ドナウデルタの先には、黒海がある。
冬季間に周辺の海が氷に覆われてしまうロシアにとっては、海外へ進出する航路として、重要視している海だ。

そのような海上の要衝となるような地点のことを、地政学の用語でチョークポイントという。
この馬名には、競走馬として最終的に到達する境地は、皆に重要視される存在であってほしい、という願いを込めた。

しかしながら、これは地政学用語。
場合によっては戦争を連想させる、ちょっとネガティヴな面もある。
それを踏まえると、採用確率は0.5%くらいだろう。


最後に3つ目。

ドナウ川は国際河川である。
複数の国を流れる川のことをそのように呼ぶ。

トランスとは、超越する。
ボーダーとは、国境や限界という意味だ。

命名者として込めたのは、国境を越えて活躍してほしい、という期待。
そして、鍛錬を積んで、自身の競走馬としての限界を超えようとチャレンジしてほしい、という願い。

「日本は島国なのだから、国境は無いぞ」という指摘があっても、気にしないようにしたい。

響きは、時世的に最近よく聞く「トランスジェンダー」に似ている。
その響きにどのような印象を持つかは、受け手次第だが、上記の2つの馬名候補と比べると、個人的には1番気に入っている。

ただ、もっと親しみやすく、かっこいい馬名を応募している人がいると思うので、採用確率は2%くらいだと思う。


馬名を考えてみて感じたことがいくつかある。

1つは、牝馬らしさを出すのが難しかったということである。
例えば、姉にはドナウパールという馬がおり、これは牝馬だと分かりやすい。
ちなみにパールとは、真珠。
ドナウ川の中流に位置する、ハンガリーの首都ブタペストの別名が「ドナウの真珠」だ。
世界遺産の美しい街並みが、その由来である。
シンプルながら奥の深い命名で、考えた人が誰かは分からないが、尊敬してしまう。

もう1つは、母名にこだわった方がよいのかということである。
兄姉たちは、ドナウ○○もいるし、ドナウがつかない馬もいる。
個人的には、もうその縛りからは離れたいと思って、「チョークポイント」と「トランスボーダー」を絞り出した。
本当は母名と同じように、頭文字がDで始まるものを考案できれば良かったが、なかなか思い浮かばなかった。
ちなみに、8番仔で昨年のベゴニア賞を勝った兄は、ディアナザール。
由来は「美しき青きドナウ」が初めて演奏された、オーストリアの首都ウィーンにある音楽堂の名前である。
これは頭文字がD、よく考えられているなぁと感心してしまう。


そして、確信はないのだが、馬名は早めに応募した方が採用されやすいのではないかという気がした。

というのも、応募期間が残り1か月を切った12月ごろに、クラブからのお知らせで、馬名応募の少ない馬たちが挙げられ、応募を催促するようなメッセージが来ていた。
たしか10頭くらいだったと思う。

クラブは約90頭の馬名を、応募されたものの中から決めていくことになる。
これだけ大量の命名をするということは、なかなか骨の折れる作業だ。
親しみの持てない変な馬名になってしまっては、会員も残念な気持ちになる。
だから、ある程度早い段階から、良さそうな名前があればどんどん仮決定、あるいは候補を複数ホールドしているのではないだろうか。

催促のお知らせがあるということは、応募数が極端に少ないか、応募数がそこそこあってもイマイチな馬名しかないということだろうと推察できる。
少なくとも、締切後にようやく蓋を開けてヨーイドンではないはずだ。
締切後ヨーイドンで会員が納得できる案が見当たらなかったら、もう手遅れでどうしようもない。

催促のお知らせに挙がっていない馬は、もうすでに仮決定 or 候補案が複数ある可能性が高く、募集締切直前に大逆転するには、よほどセンスのある案が必要ということになる。

ただ、これは私の妄想なので、実態は全く違うかもしれない。

ちなみに私は上記3つの案を、早々9月下旬に応募した。
だから採用されるとは、もちろん思っていないが…。


命名ということで、歴代の活躍馬の中から、個人的によく考えられていると感じたのは、イクイノックスだ。
意味は、天文学用語で「春分点」。
生まれが3月23日。
およそ、春分であることから、昼と夜の長さが同じくらいになる時。
転じてレースの前半と後半を同じラップタイムで走り切ってしまうような強さ。
母シャトーブランシュの「白いお城」と、父キタサンブラックの「黒」から、昼を連想する白と、夜を連想する黒が半分ずつ。
深みがある馬名だ。

響きだけなら、ジャンタルマンタル、チャンネルトンネルなども好きである。
覚えやすいし、韻を踏んでいるのが面白く、何度でも声に出して呼びたくなる。


いずれにせよ、どんな名前になったとしても、同じ出資者の誰かが思いを込めた馬名だ。
大切にしていきたい。
3月の発表が、今から楽しみだ。



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