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桜花賞とオークスの研究 100万馬券ゲットへの道
クラシックの足音が聞こえ始める季節になってきた。
今年の1月、私は種牡馬を研究しようと思い、AEI(獲得賞金の多さを表す、平均値を1.00とする数値)と勝ち上がり率を調べ、このような記事 ↓ を書いた。
そこで違和感を覚えたことがある。
それは、地味だと思っていた種牡馬の中に、AEIが1.00を上回り、勝ち上がり率が20%を超える、イメージに反して活躍している種牡馬がいたことだ。
突然だが、ここで2問ほどクイズを出したい。
次のAとBのうち、AEI が高い種牡馬はどちらだろうか?
1問目
A:オルフェーヴル B:ゴールドシップ
2問目
A:リアルスティール B:ミッキーアイル
現役競走馬だった時のイメージや、種牡馬としての代表的な産駒の活躍を思い返してほしい。
オルフェーヴルはクラシック三冠に加え、有馬記念も2勝、宝塚記念も勝つなどG1を6勝し、ジャパンカップや凱旋門賞でも2着に健闘するなど、華々しい活躍をしている。
種牡馬となってからは、大阪杯やエリザベス女王杯などを勝ったラッキーライラック、ドバイワールドカップを勝ったウシュバテソーロなど、大物を輩出している。
対して、ゴールドシップも実はG1を6勝しているが、現役時のズブい印象が強い。
種牡馬としても、G1を勝つような大物産駒は、オークスを勝ったユーバーレーベンくらいだ。
リアルスティールは、ドバイターフを勝っており、皐月賞、菊花賞、天皇賞秋で2着など、国内G1でも好走が多い。
産駒は、芝でもダートでも活躍しており、G2を複数勝っているレーベンスティール、東京大賞典や海外重賞も複数勝っているフォーエバーヤングなどがいる。
対して、ミッキーアイルは、NHKマイル1着、マイルCS1着の他に、高松宮記念2着、スプリンターズS2着などがある。
産駒は、短距離重賞を複数勝っている、メイケイエール、ナムラクレアなどが代表的だ。
これらのイメージから、先ほどのクイズは、おそらく1問目も2問目も、Aが正解だと思う人が多いのではないだろうか。
ところが、実は、正解はどちらもBである。
具体的な AEI の数値は、リンクを貼った先ほどの記事に載せているが、種牡馬として優秀なのは、
オルフェーヴル < ゴールドシップ
リアルスティール < ミッキーアイル
なのだ。
(この記事を書いた直後にフォーエバーヤングがサウジCを勝った。よって、リアルスティール産駒のAEIが上がってミッキーアイルを逆転するかもしれない。)
これは、いったいなぜなのか?
疑問に思い、少し考察してみた。
結論から言えば、牝馬の活躍。
とりわけ若駒の成績の差ではないかと、私は考えた。
どういうことか?
馬券を購入する皆さんは、桜花賞、あるいはそのトライアルであるフィリーズレビュー、チューリップ賞などを予想する時に、出馬表を見て「ミッキーアイル産駒が多いな」と感じたことはないだろうか?
同様に、オークス、あるいはそのトライアルであるフローラSなどを予想する時に、出馬表を見て「ゴールドシップ産駒が多いな」と感じたことはないだろうか?
私は、そう感じる年が何回かあったが、なぜなのかはあまり深く考えたことがなかった。
しかし、その馬券予想で感じていた違和感と、今回種牡馬研究をして感じた違和感が、つながった。
まず、桜花賞。
過去10年ほどの3着以内馬を見てみると、後に古馬G1で牡馬相手でも活躍する馬と、古馬混合G1には及ばず牝馬限定戦を主戦場にしていく馬がハッキリする。
前者は、スターズオンアース、リバティアイランドなどが代表的で、特に1着馬に多い。
後に名馬と呼ばれるような馬たちだ。
後者は、人気薄の伏兵だと、ファインルージュ(8番人気)、ナムラクレア(6番人気)、ライトバック(7番人気)などが代表的で、2着馬や3着馬に多い。
血統を見てみると、これらは、キズナ産駒やミッキーアイル産駒だ。
どちらもストームキャットやデインヒルを持つ、スピードに富む血統である。
キズナ産駒は大物も多数出しており、イメージ通り優秀な種牡馬だ。
しかし、ミッキーアイルは少々地味な種牡馬である。
ここに万馬券のヒントがあるように思う。
桜花賞までのマイル以下レースは、とにかく仕上がりの早さや瞬発力に秀でていることが優位になる。
ミッキーアイル産駒はその求められる適性に合致し、桜花賞までの短距離レースを主戦場にしてコツコツ稼いでいるということだ。
ミッキーアイル産駒の桜花賞での好走例は、ナムラクレアしかないが、だからこそ、ノーマークの馬が激走し、大波乱馬券を演出する可能性があると期待している。
よって、桜花賞はミッキーアイル産駒、あるいはストームキャットやデインヒルを持つ、伏兵馬たちに注目していきたい。
次に、オークス。
桜花賞が1600mでスピードを求められるところから一転、2400mのスタミナレースとなる。
3歳春の時点で、牝馬が2400mを走るというのは、かなりタフなことである。
人間で例えれば、400m走を練習していた小学生の女子を、突然3000m走に出場させるようなものだ。
スーパーキッズなら400m走も3000m走もこなしてしまうかもしれないが、普通の小学生女子なら400m走ですらゼェゼェなるところ、3000m走になるともはや脚力よりも根性の勝負だ。
その根性勝負で秀でるのが、ゴールドシップ産駒なのだろう。
ゴールドシップ産駒は高速馬場には向かない重そうなイメージがあるが、実は東京2400mが得意だというデータがある。
上がり33秒台の脚を使うようなゴールドシップ産駒も実際にはいる。
しかし、そのデータの真相は、スタミナと根性が追い付いていない牝馬の中で、ゴールドシップが優位に立つからなのではないかと考えた。
ユーバーレーベン(2021年3番人気1着)や、ウインマイティー(2020年13番人気3着)が、その典型的な例である。
フローラSでもゴールデンハインド(2023年7番人気1着)が波乱を起こしている。
ここ数年は、オークスでのゴールドシップ産駒の激走は影を潜めているが、忘れた頃にまたやってくれそうな気がしている。
大波乱万馬券の使者として、期待したい。
以上、ミッキーアイル産駒とゴールドシップ産駒は過小評価されやすいが、それぞれの商圏エリアで地道に稼いでいるという話であった。
桜花賞、オークスも楽しみだが、そのトライアルから注目して見ていき、G1レース大波乱の前兆を感じ取りたい。
目指すはいつも100万馬券だ。