フェデリコ・キエーザのリバプール移籍の理由
先日、イタリア代表FWのフェデリコ・キエーザがユベントスからリバプールへ電撃移籍しました。
その移籍に関する記事がThe Athletic及び、Telegraphでありましたので、まとめたものを今回投稿させて頂きたいと思います。
引用元
https://www.nytimes.com/athletic/5726506/2024/08/27/liverpool-federico-chiesa-transfer-tactics/https://www.nytimes.com/athletic/5731004/2024/08/31/liverpool-transfer-window-federico-chiesa/
https://www.nytimes.com/athletic/5739180/2024/09/02/mohamed-salah-assist-breakdown-premier-league/https://www.nytimes.com/athletic/5324339/2024/03/08/liverpool-richard-hughes-sporting-director-profile/
https://www.nytimes.com/athletic/5727124/2024/08/28/federico-chiesa-liverpool-transfer/https://www.telegraph.co.uk/football/2024/08/28/federico-chiesa-liverpool-transfer-mohamed-salah-future/
https://www.nytimes.com/athletic/5727124/2024/08/28/federico-chiesa-liverpool-transfer/
https://www.nytimes.com/athletic/5704778/2024/08/17/martin-zubimendi-liverpool-real-sociedad/
フェデリコ・キエーザとは
生年月日:1997年10月25日 国籍:イタリア
クラブキャリア:2016-2020 フィオレンティーナ
2020-2024 ユベントス(最初2年はローン)
クラブ通算:285試合66ゴール
代表通算:51試合7ゴール
主なタイトル:ユーロ2020優勝
父親はパルマやフィオレンティーナで活躍した元イタリア代表エンリコ・キエーザで、エンリコもユーロ96で得点を記録しているため、ユーロ史上初の親子2代での得点を記録したことになる。
ちなみにジャンルイジ・ブッフォンは親子2代での同僚である。
キエーザの境遇
2020年にローン費用込みの5,000万ユーロの移籍金でフィオレンティーナからユベントスへ移籍した以降、順調なキャリアを邁進していたが、2022年に左膝前十字靭帯損傷という全治10ヶ月の大怪我を負い、復帰してからも怪我前のフォームを取り戻しきれず、2024年に就任したチアゴ・モッタ新監督から構想外の扱いを受けた。
リバプールの状況
今期は変化の年で、これまで指揮を執っていたクロップが退任し、フェイエノールトを指揮していたアルネ・スロットが後任監督となった。
また、過去SDとしてサラーやファン・ダイクの獲得を行ってきたマイケル・エドワーズがフットボール部門のCEOとして復帰し、過去、エドワーズがポーツマスでアナリストをしていた頃に選手としてプレーしていた現ボーンマスのTDのリチャード・ヒューズをSDに任命した。
リバプールの今季の補強戦略
守備的ミッドフィルダー
6人目のアタッカー
守備的MFの獲得
メインターゲットはレアルソシエダのズビメンディで、彼の代理人であるイニャキ・イバニェスとリチャード・ヒューズは旧知の仲で、過去、イバニェスの顧客であるイラオラをヒューズがボーンマスの監督として招聘した際に交渉したことがあった。また、ヒューズがリバプールの新SDとしての最初の仕事は、クロップの後任の選定であった。
その際に候補にシャビ・アロンソがリストアップされたが、そのアロンソもイバニェスの顧客であり、彼が今期ドイツ王者から離れないことを確信していた。
ヒューズは実現の可能性が低い交渉をしないタイプであり、アロンソから手を引き、スロットを後任にした。
当初リバプールは契約解除金の60m€さえ支払えば、移籍は実現すると考えていたが、ズビメンディ自身が地元クラブへの忠誠心と家族を優先させたため、交渉は決裂した。
しかし、プランBを検討することはなかった。
スロットは「潰し屋」には興味がなく、テクニカルにパスをさばけるタイプを好んでいた。
また、今季は現時点では、中盤の底でフラーフェンベルフが十分に期待に応えているため、見送られることになった。
6人目のアタッカー獲得
リバプールのアタッカー陣は
モハメド・サラー
ディオゴ・ジョタ
ルイス・ディアス
コディ・ガクポ
ダルウィン・ヌ二ェス
の5人がおり、スロットの方針では
ジョタとヌ二ェスがセンター、ガクポとディアスを左で使う方針で、サラーの控えが心許なかった。
サラーの控えと後継者問題
サラーは現在32歳で体力的に心配される年齢となりバックアッパーが必要となってきた。
実際に昨シーズン、サラーはAFCONに出場し、大会終了後にリバプールへ復帰し、ゴールを生み出していたが、勤続疲労によりパフォーマンスを落としていた。
AFCON前ではゴール+アシストが79分に1本だったのが、AFCON出場後は、91分となってしまった。
シュート成功率は21.7→11.5%と約半分に低減した。
また、昨シーズン、サラーはリバプールに加入後最も出場時間が短かった。
サラーを含め主力のパフォーマンスが低下したため、昨シーズン、ラストスパートをかけられず、シティとアーセナルの後塵を拝したと認識している。
また、今シーズンがサラーの契約最終年でもある。
新ウィンガー獲得に向けて
PSRの財務規則に抵触の恐れがあったニューカッスルのアンソニー・ゴードンをターゲットとしていた。
しかし、ジョー・ゴメスとのトレードも進んでいたが、ニューカッスルがエリオット・アンダーソンとヤンクバ・ミンテを売却したため破綻となった。
また、ゴードンの主戦場は左サイドであり、獲得していれば、ディアスのバルサ移籍が進んでいたかもしれない危険性は孕んでいた。
二の矢
キエーザは今シーズンから就任したチアゴ・モッタ新監督から構想外の扱いを受けているキエーザが候補に上がった。
そのキエーザは主戦場が右サイドであり、また3トップのどこでもこなせる魅力もあった。
リバプールはキエーザがフィオレンティーナいた時に調査を進めていた過去も持っている。
また、今シーズンがキエーザとユベントスとの契約最終年であり、フリー移籍をさけたいユベントスとの思惑が一致し、1,000万ポンド、ボーナス条項を満たせば、最大1,250万ポンドの移籍金で交渉が成立した。
リバプール行きに際して、フェデリコは父エンリコと相談した。
エンリコからはキャリアにとって最良の決断となると言い、背中を押した。
8月28日プライベートジェットで妻と二人でジョン・レノン空港に降り立った。着陸前には"You'll Never Walk Alone."を掛けながら。
無事メディカルチェックを終え、翌日8月29日に週給12万ポンドの4年契約を結んだ。
ギャンブルかバーゲン品か?
リバプール首脳陣は一時期市場価格が1億ユーロ近くまで上昇した彼を約1/10の価格で購入できたことは後者だと思っている。
キエーザは先のユーロ2024でトップフォームの片鱗を見せつけていた。
また、移籍の際にヒューズと電話で会話がされており、英語も習得していることも魅力だ。
そして、そもそもサラーからポジションを奪うことは現実的ではない。
ただ、その扱いをキエーザが耐えられるか。
また、スター選手というものは常に出たいもの(らしい)で、ターンオーバーを起用されることでサラーのヘソを曲げる可能性もある。
すべては、一年後答えが出ているのでしょう。
最後に
優秀な人材がまたイタリアから国外へ流出してしまった悲しみはありますが、キエーザが元に戻ってくれたらそれでいいかなとも思える期待と関しみが入り混じった絶妙な移籍だったと思います。
しかし、ブッフォン現役生活長すぎ。
次回は、The Athleticで掲載されていたインタビューの翻訳記事を投稿したいと思います。
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また、改善点等あれば、そちらもご指摘のほどよろしくお願いします。
今回もお読み頂き誠にありがとうございました。
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