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アーセナルの今夏移籍市場の裏話
先日、デッドラインデイでラヒーム・スターリングがチェルシーからアーセナルへ電撃移籍しました。
今回は、今夏のアーセナルの移籍市場での裏話をThe AtheleticとTelegraphから引用したものを投稿致します。
引用元:
https://www.nytimes.com/athletic/5734053/2024/08/31/arsenal-transfer-window-latest-news-inside/
https://www.telegraph.co.uk/football/2024/08/31/how-arsenal-pulled-off-shock-raheem-steling-transfer/
https://www.nytimes.com/athletic/5746657/2024/09/06/arsenal-fan-survey-results/
https://www.nytimes.com/athletic/5735144/2024/08/30/raheem-sterling-mikel-arteta-tactics/
https://www.telegraph.co.uk/football/2024/08/30/transfer-deadline-day-live-man-u-arsenal-liverpool-chelsea/#1725054921709
今夏の移籍の結果
今夏獲得した選手リスト
ラヤ(←ブレントフォード)※昨シーズンはレンタル
ネト(←ボーンマス)※レンタル
カラフィオーリ(←ボローニャ)
メリーノ(←ソシエダ)
スターリング(←チェルシー)※レンタル
今夏放出した主な選手
スミス・ロウ→フラム
エンケティア→クリスタル・パレス
ラムズデール→サウサンプトン etc
今夏の移籍戦略
スカッドの底上げ
昨年シーズンは主に起用された選手は14名であり、複数のコンペティションで戦いトロフィーを獲得するためにスタメンと控え選手の差がないように選手層を厚くする必要があり、アルテタはスカッドサイズが大きくなることより、コンパクトでよいチームを求めていた。
補強ポジション
アンカー
左サイドバック
フォワード
第二GK
アーセナルはアンカーを探しており、昨年記録的な移籍金で加入してきたデクラン・ライスは当初はアンカー起用だったが、シーズン後半はインサイドハーフとしての起用が多くなった。
第二GKに関しては、後述のラムズデールが放出候補だったためである。
選手売却
アルテタは前述の通り、コンパクトなスカッドを求めるため、余剰戦力の放出を求めた。
余剰戦力を売却することで、近年の移籍市場での多額の赤字続きの補填の狙いがあった。これまでの移籍市場での多額の投資は、継続的にチャンピオンズリーグへ出場するための特効薬と位置づけられていた。
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アーセナルはPSRにも留意しながら補強を進めており、腕利きの弁護士と会計士のチームがアーセナルにはあり、PSRの順守だけでなく、将来の移籍市場に向けた対応をしている。
アーセナルは今夏選手売却を進める方針なのは周知で、不要と判断された選手のエージェントたちが買い手を探していたほどであった。
また、スポーツディレクターのエドゥとアシスタントスポーツディレクターのジェイソン·アイトは4月にサウジアラビアとの関係を築くためにサウジアラビアを訪問している。
ただし、その時にエドゥは、インフラと設備の不十分さに移籍したいという選手がいるのかと疑問になるほどの衝撃をうけた。
売却候補
ネルソン
スミス・ロウ
ラムズデール
エンケティア
ティアニー
ティアニーはユーロ2024でハムストリングを怪我したため、放出は見送られた。
移籍市場の前半にネルソン、スミス·ロウ、ラムズデール、エンケティアはロンドンのホテルに呼びされ、ローン移籍では完全移籍での放出を通達された。
移籍市場での動き(ほぼ時系列)
セシュコの移籍に向けて
21歳のスロベニア人ストライカーのセシュコは、ライプツィヒとの契約に6500万ユーロの契約解除条項があり、セシュコ自身アーセナルへの移籍に興味を持っていた。チェルシーも大きな関心を示していたが、もしドイツを離れるならエミレーツ·スタジアムが彼の希望場所だった。
但し、タイミングが悪く、6月14日のユーロ開幕までに自分の将来を決めたいと考えていたが、アーセナルは大規模な支出は6月30日の期末以降の2024-25年度会計期間で収めたかった。
また、セシュコを獲得するなら、ストライカーの放出はマストであり、移籍市場が開いた当初は、エンケティアも確定でなく、ジェズスもサウジアラビアから興味といった程度でセシュコは残留することとなり、来夏彼が魅力的なターゲットとなる。
ただ、アーセナルに焦りはなく、カイハヴァーツが好調を維持し、ジェズス、エンケティア、トロサールのセンター起用などの選択肢があるためである。
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ラヤの完全移籍
今夏初めてのビッグディールはラヤであり、昨シーズンから加入していたが、レンタルで今夏に完全移籍となった。
また、7/1に2700万ポンドの移籍金をブレントフォードへ支払ったが、会計の期間を前年度でなく今年度にすることは両チーム間で双方合意の元だった。
左サイドバックの補強
アーセナルは1月時点でカラフィオーリの代理人と接触しており、5月には話が進んでいた。
カラフィオーリには懸念点があり、①膝に問題を抱えており、プレミアの強度に耐えうるか②ボローニャにはバーゼルからカラフィオーリを獲得した際に売却時に移籍金の40パーセントを支払う義務での移籍金の高騰
ただ、アルテタは問題なしと判断したため、交渉が始まった。
交渉が進むと、チェルシーもオファーを出したが、代理人はアーセナルを尊重した。
アーセナルからは、大きな売却が確実(スミス・ロウ)となったら、契約をすすめるとしていたが、カラフィオーリのユーロでの活躍でレアルマドリーも加わりそうになり、アーセナルも態度を変えた。
レアルマドリーのラブコールにノーを言う人間はいない。オークションの値段が上がることを恐れ、契約を進めた。
幸運な事に、スミス・ロウの売却は遅れておらず、彼の代理人のジョーダン・ワイズとエドゥの関係は良好で、現在のトップチームで十分にプレーできていない現状から、他チームから適切なオファーがあれば答えるつもりであった。
スミス・ロウのフラム移籍
前述の通り、アーセナルでは出場機会が限られており、オファー次第で移籍の意向はあった中でフラム移籍が決まった。
フラムはアーセナルと同じロンドンに本拠地をおき、生活の拠点を変える必要がなく、またクラブ記録の移籍金での契約という事で、十分な出場機会が提供されると理解していた。
フラムでの活躍を足掛かりにビッグクラブへの移籍の可能性も秘めている。
スミス・ロウには退団の特別プレゼンテーションが検討されたが、アメリカでのキャンプ中で、ヨーロッパへの渡航手配の困難さで実現できなかった。
今回の移籍金は3,400万ポンドで、この売却額は今後のアーセナルの一つの指標となり、これまでの選手売却が下手なアーセナルのイメージを払拭できると考えている。
また、ミカ·ビエレスやブルック·ノートン=カフィーといったアカデミー選手の売却にも満足している。ただし、すべてにおいて、売却条項を込みで契約した。
メリーノの加入
前述したライスの起用方次第だが、フレキシブルな選手起用をしたいというアルテタの意向もあり、明確な方針はなかった。ズビメンディやジョアン・ネベスなどの獲得を検討したものの、昨年アンカーに1億ポンド継ぎ込んだこともあり、アンカータイプの獲得を見送り、左インサイドハーフでかつアンカーで起用可能なメリーノを選択し、また契約期間があと12ヶ月ということもあり、3,200万ユーロで獲得した。
デッドラインデーでの動き
ラムズデールの放出と代わりの第二GK確保に向けての課題
アーセナル内部では新たな第二GK確保のために移籍最終週に貴重な時間とリソースを使ってしまったことへの不満がかなりあった。
ラムズデール放出はかなり現実的になっており、第二GKの確保は必要かつ、ホームグロウンの若手第3GKも求めていた。22歳のカール·ハインと契約延長したものの、条件は出場機会を求めてのレンタルだった。
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アルテタとGK
アルテタ就任後、4年半で5人のGKと契約し、3人の第一GKが3人いた。
アレックス·ルナルソンとターナーは就任後一年以内に放出され、レノとエミリアーノ・マルティネスは移籍先でも成功を収めた。
このようにアルテタにはキーパーに対してかなりのこだわりがあると思われる。
第二GK確保の難航の原因
ゴールキーパーコーチイナキ·カナがゴールキーパー獲得に深くかかわっており、ラヤは以前ブレントフォードで指導経験があった。
アルテタとカナはゴールキーパーに求めるものを共有しているが、クラブとしては、カナの狭い選択肢に憤りを感じていた。
カナは第二GK候補として、エスパニョールの同胞のスペイン人のガルシア、第3GKはブレントフォードで指導したことがあるダン·ベントリーだった。
ガルシアとの交渉
ガルシアにはラムズデールの売却交渉が進んでいる話をしたものの、2500万ユーロの契約解除条項があったが、8月には3000万ユーロに増額されたが、アーセナルはもっと安く交渉できると考えていたが、エスパニョールからは、解除金の半額以下では交渉しないという話で、選手も3月にトップチームへ昇格したばかりであり、アーセナル移籍はリスクのあるものであり、破談となった。
また、数か月にわたって首脳陣からキーパーの他の候補を上げられていたが、カナから拒否されていた。
ネトとの交渉
ガルシアとの交渉が破談になったことを受けて、ラムズデールのサウスサンプトン移籍を破談にさせることも検討されており、実際、アーセナルは必要な書類手続きを保留していた。
この状況を打破したのは、スポーツディレクターのエドゥであり、ネトがまだバルサにいたころに契約を検討していた過去があり、そのネトのレンタル移籍を提案し、成立させた。
少ない費用で獲得できたが、彼は既にカラバオカップに出場しており、アーセナルでの出場はできない。
他キーパーとの交渉と第3GK
ウルブスのベントリーとも調査を行ったが、ウルブス側が代役を確保する時間がなく、決裂となった。
3rdは18歳のトミー·セットフォードとなる。一部の人間はアカデミーに残した方が選手のためという意見もある。
ネトの獲得で一旦の収束は見えたものの、レンタルであり、来夏以降に再び市場に参入するものと考えられる。
スターリングのレンタル移籍
攻撃陣の売却情報
エンケティアはフォレストと決まりかけていたが、選手が拒否し、クリスタル・パレスへの移籍が決まった。
ネルソンはフラムへの移籍が決まった。
最終局面での補強候補
セシュコ、ニコ・ウィリアムズ、コマン、スターリングとなっていた。
アーセナルのスターリングの評価
確かにターゲットではあったが、昨シーズン91ゴールを決めた攻撃陣なので、補強に緊急性は感じていなかった。
アルテタも「ラヒームと過ごした時間は格別だった」と興味を隠さなかったにも関わらず、ギリギリまで現実的な話にならなかった。
ガブリエウ·ジェズスとミケル·メリーノの怪我がスターリングとの交渉のきっかけとなった。
メリーノの怪我が6週間程度のものであれば、ハヴァーツの中盤起用を選択する必要があり、そのため、フォワードが必要となった。
アルテタとスターリング
シティ時代にアシスタントコーチだったアルテタとも良好な関係を築いており、当時も監督であるペップ·グァルディオラによると、スターリングの得点力向上はアルテタのおかげとのこと。
スターリングのアーセナル移籍の思惑
チェルシーの開幕戦のシティ戦でのメンバーから外されて以来、チームから離されてトレーニングを続けてきた29歳にとっては理想的な移籍であった。関係が良好なアルテタ、同じロンドンで引っ越しを伴わないため、家族の負担も掛けない。そして、元チームメイトのジェズスやジンチェンコ、ジョルジーニョやハヴァーツもいる。
スターリングはこの移籍によって再びイングランド代表に返り咲くための基盤を提供してくれると考えている。
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アーセナルとチェルシーの交渉
アーセナルはチェルシー及びスターリング本人が移籍を熱望していることから強気の交渉ができた。
今後の選手のモチベーションを考慮し、リスクの低いレンタル移籍という判断となり、今回のレンタル条件は、アーセナルに非常に有利であり、アーセナルの給与の負担額は元々の。50%未満の金額での締結となっている。
また、移籍確定には時間がかかり、ディールシートをプレミアリーグへ提出したことにより、期限の11時から2時間の延長が認められ、1時ごろスターリングのアーセナル移籍が決まった。
この移籍は買取オプション等は付随しない。
サポーターによる今夏の移籍市場評価
The Athleticではサポーター向けに今夏の移籍市場の評価アンケートをしている、
そのアンケートで、今夏の移籍の満足度調査では、75.1%が満足、非常に満足であった。
ただし、攻撃陣はまだ補強が足りないという認識で、まだ補強が必要なセクションという問いで79.9%が攻撃陣という回答をしている。
プレミアで優勝できるか?
82.7%が十分なスカッドだと判断している。
最後に
昨シーズン、十分に強かったですが、それ以上にシティが強く優勝をかっさわれた印象です。正直、あとは不運や怪我に見舞われなければ、と思うばかりです。
次は一方その頃のチェルシーを計画していますが、資料が多いので、少々時間がかかると思います。
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また、改善点等あれば、そちらもご指摘のほどよろしくお願いします。
今回もお読み頂き誠にありがとうございました。