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ドイツへお引越し

引っ越しは4回目。

業者を利用する、利用しない場合それぞれ経験して
引越し作業は慣れたもの。
ですが、今回は勝手が違います。

異国あての引越し荷物は
通関を経なければいけないのです。

海外へ引越しすると分かった時点で
自分本体の書類以上に、荷物に関わる書類作成に恐れをなしていました。

その理由は仕事経験にあります。

当時、貿易事務の仕事をしていました。
輸出入に関わる書類を揃え、通関士が税関に申告するための情報をかき集める仕事です。だからこそ、税関がそれはもう細かいことを知っていました。
要求される書類作成に時間がかかることも。

職場の通関士に話したところ、
「引越し荷物は免税だし、見る方はラクだろうね」と。
ハハ、作る方はめっちゃ面倒なんだぜ。

結局、荷物の一部はまだ実家に置き去りです。
終わらなかった...
出発2日前に荷物引取依頼、飛行機に乗り込む時の荷物はパンパンで航空会社の制限重量ギリギリ。
肩だけマッチョになるかと思った。

前置きはこれくらいにして、海外へ引っ越す際の注意点や後悔ポイントをシェアしたいと思います。

荷物を減らせ。話はそれからだ。

何度か引越しを経ているので、その度に不要品を処分しています。3回目の引越しの時は観念して、段ボール7箱分の本を売り払いました。
電子書籍に完全移行。際限なく増えるので、紙の本は買わないと誓いました。

荷物の多くを占めるのは、主に衣類や化粧品。
それから何度も断捨離をくぐり抜けてきた、歴戦の捨てられなかったモノたち。アルバム、旅先で買ったもの、人から頂いたものなど。

長年連れ添った戦士たちと向き合うのは諦め、衣類や身の回り品をとにかく減らしました。

引越し業者?国際郵便?

海を越えるにはいくつか手段があります。
ざっくり二つに分けると、宅配業者にお任せするかしないかの違いです。
宅配業者を利用しない場合は、郵便を利用します。

①引越し業者の特徴
・安心安全のサービス
・単身留学パック、一家まるごとパック等プラン多数
・価格が高い
②郵便の種類と特徴
1.船便
・安価
・家具など大型の荷物には最適
・3~4ヶ月待つ覚悟が必要

2.SAL便(飛行機)
・比較的安い
・航空便より時間がかかる
※日本→ドイツ:4週間かかりました

3.航空便
・SAL便とEMSの中間の価格
・所要時間もSAL便とEMSの中間

4.EMS
・郵便の中では最も高価
・早い
※日本→ドイツで1週間で届きました

引越し業者

日本国内の引越と同様に、海外向けの引越し業者があります。大手業者もあれば、海外向け専業の業者までさまざまです。

有名な大手業者は日本通運クロネコヤマトでしょう。

引越し先によって得意なエリアが異なる業者もあるため、海外拠点の所在地を確認すると参考になります。

引越し業者に依頼すれば、荷物の引き取りから引越し先住居への配達までワンストップで対応してくれます。忙しい方や、現地での荷物引き取りが不安な方は業者へ依頼するといいかもしれません。

私はとにかく価格重視だったため、郵便を利用しました。

郵便に依頼するまでの流れ

予約は必要ありません。
ただし、前もって送り状は多めに貰っておきましょう。
送り状1枚を完成させるのにそこそこ時間がかかります。

荷物の用意ができたら、集荷を依頼するか
郵便局に荷物を直接持ち込み、その場で料金を支払えば依頼完了です。とってもカンタン。

勝負はそこに至るまで。

郵便で送れない物に注意

郵便には禁制品リストに指定されて送れない物があります。
当然ながら危険品にあたるものは送れませんが、意外なものも含まれています。

香水・マニキュア・除光液 がその代表例。
アルコール濃度が高いため禁制品とされています。
同じ理由で、アルコール度数24度を越えるお酒は輸送不可。

私はセルフネイル派で、マニキュアは50本以上持っていました。
没収されては意味がないので、お気に入り以外は泣く泣く処分して20本程度に絞り、自分が移動する際のスーツケースに詰め込みました。

香水も注意が必要です。
旅客機に預け入れる際は化粧品に分類されます。
合計2Lまでしか持ち込めないため、他の化粧水などの液体物との兼ね合いも考える必要があります。

日本でしか購入できないお気に入りの香水は
何としてでも持って行きたかったため、一時帰国した夫に2本持たせ、残りは自分のスーツケースに入れる作戦で臨みました。

国により異なる禁制品

国によって郵便で送れないものもあります。
ドイツの場合、もその対象。

薬こそ自分の体質にあったものを選びたいし、慣れない環境で体調を崩すことも考えられます。現地で購入するにも、ちとハードルが高い。
となると、スーツケースに詰めるか、手荷物で持っていくしかありません。こうしてパンパンのスーツケースに一歩近づくのです。

ドイツの詳しい禁制品リストはこちら
食品は商業利用と疑われるものは許可証を求められる場合があります。

個人的に気になったのは、「トランプは一そろいが一包みに包装されている場合に限り許される」という記述。
揃ってないトランプって何に使うの…?イカサマ?

最大の難関 インボイス作成

インボイスづくりには多大な時間を要します。
脅しじゃない。
さらに、荷物の到着地の通関で見られる書類のため、英語で作成しなければいけません。

インボイスとは?
税関への申告、検査などで必要となる書類です。
相手国での輸入通関をする際に必要となります。
国によって必要となる書類の種類や数が異なる場合があります。

国内郵便の場合、内容物を記載するときはざっくり「食品」「化粧品」と記入することが多いと思います。が、インボイスではそれが通用しません。

「送り主」「宛先」はもちろん
細かい品名・重量・単価・個数・合計額、商用利用ではないことを書き込む必要があります。
構造が請求書に似てると思われるかもしれません。

そう、インボイスとは箱詰めされた物の価値を記載する書類なんです。

こんな情報、いちいち手で書いてられません。
それに、送り状のほっそい品名欄に収まるワケがない。

送り状の品名欄には”as per attached sheet
と記載して、インボイスを添付します。
日本郵政が提供するエクセルのフォーマットがあるので、こちらを活用しました。

***

段ボールに詰める前に重さを計り、中古品のため価格設定は低めに記入。ここで小売価格を載せてしまうと、新品=商用と疑われ、関税を請求される可能性があります。同じ理由で、ストック用の化粧品なども封を切ってから詰めました。

インボイスは1箱につき1部必要です。
私は5枚作成しました。もうやりたくない。

計測の落とし穴

輸送手段によって、箱の大きさの規定があります。
宛先によって計測方法が異なるので、引越し先の規定を確認しましょう。
ドイツは下の表の通り。

引っかかったポイントは、長さと横周の合計。
私は3方を計測し、計算式で算出しました。
下の図の場合だと、0.33×2+0.53×2=1.72 となります。

しかしながら、集荷担当の方の計り方はこちら。

メジャーをぐるぐる巻きにし始めた!!!
この方法だと、段ボールのわずかな膨らみや角も拾ってしまいます。
本当は航空便に載せたかったのですが、わずかな長さオーバーでEMSにせざるを得ませんでした。

段ボールの注意点
箱は何も書かれていないまっさらなものを用意しなければいけません。
文字や絵が書かれている段ボールは、ガムテープで隠すよう指示されます。

一部分だけ隠したところ、「輸送途中に剥がれると困るから、もっとダイナミックに巻いて」と指示が。ダイナミックに。
これでもかというくらい、ぐるぐる巻きにしてやりました。ガムテープは多めに用意しておくべし

価格

いずれの手段も行き先や重量により価格が異なるため、日本郵政の料金表を確認してください。

私の場合、5箱・総重量60㎏・ドイツ行きのEMSで10万弱かかりました。

引越し費用と考えると安いですが、この物量ですからね。
いかに荷物を減らすかが鍵になります。

家に届くまでが引越しである

日本を出た荷物は、到着地の港もしくは空港に着荷すると輸入通関にかけられます。日本を出て安心、という訳にはいきません。

なぜなら、日本のルールが通用しないから。

言葉もままならないのに、郷に従わなければならぬのです。ツライ。

ヨーロッパは通関が厳しいと言われています。
我が荷物たちも見事に引っかかりました。
5箱すべて、税関まで取りに来いと。

あれは長い一日だった。

…と、長くなるので別の記事で振り返りたいと思います。

ここで忘れてはならないのが、日本に残ってる荷物もあるということ。また、あれをやるのか……という苦い思いでいっぱいです。

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