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脱血管のside holeからの吸引の特徴:

Effect of inflow cannula side-hole number on drainage flow characteristics: flow dynamic analysis using numerical simulation

Takeshi Goto, et al.

Perfusion. 2018 Nov;33(8):649-655.


要旨

この研究では、側孔の数が心肺バイパスカニューレの静脈ドレナージ流量に及ぼす影響を調査している。研究では、計算機シミュレーションを用いて、総オリフィス面積を一定に保ちながら側孔の数を変化させた6種類のカニューレモデルを比較した。その結果、側孔の数が増えるにつれて静脈ドレナージ流量が減少することが示された。近位側孔での流れの分離が淀みとエネルギー損失を引き起こし、流れ効率の低下につながることが示唆された。側孔のないエンドホールカニューレ(EH)が最も高い流量を示し、静脈ドレナージに最も有効であると考えられた。

関連性 この論文は、心臓血管外科における静脈ドレナージ用カニューレのデザインを最適化するための現在進行中の取り組みに貢献するものである。Parkらによる研究のような以前の研究では、側孔の数とドレナージ効率との関係が示唆されていたが、本研究により、総オリフィス面積を一定に保ちながら側孔を増やすと、流れの分離とエネルギー損失により流量が減少することが明らかになった。この知見は、心臓手術における体外循環の安全性と効率を向上させるために重要である。


自分的learning points

本研究は静脈内を模倣したものではあるが、suckingがない場合、管腔に最も近位の側穴からの吸引がほとんどとなることがわかる。しかし、実臨床だと、組織との接触など解剖学的要因を考慮するため、どのようになるか更なる検討が必要。

本文Figure2,3,4より引用
本文Figure5,6より引用


Abstract

背景
心肺バイパス術における静脈ドレナージは、安全な心臓手術のために非常に重要な因子である。しかし,静脈ドレナージカニューレの理想的な形状は明らかにされていない.本研究では,側孔数を増加させた場合の効果を明らかにするため,総面積と静脈ドレナージ流量を一定とした場合の側孔数の影響を評価した.

方法
静脈ドレナージの計算シミュレーションを行った。カニューレは、エンドホールモデル(EH)と、4個(4SH)、6個(6SH)、8個(8SH)、10個(10SH)または12個(12SH)の側孔を含むモデルの6種類に分けられた。側孔の総オリフィス面積は、各側孔カニューレで120mm2に固定された。エンドホールのオリフィス面積は36.3mm2であった。側孔の総面積は、側孔の数を増やしても一定に保たれた。

結果
EH、4SH、6SH、8SH、10SH、12SHの平均静脈ドレナージ流量はそれぞれ2.57、2.52、2.51、2.50、2.49、2.41L/minであった。平均流量は、横穴数が増加するにつれて減少した。

結論
我々は、側孔の最も近位部位での流れの分離が流れの停滞を誘発し、エネルギー損失を引き起こすと推測している。この流れの分離は、せん断応力が低いときに最も効果的であるエンドホール入口からの本流を妨げる可能性がある。EHカニューレは、最良の流量とフロー・プロフィールに関連していた。しかし、側孔数を増やすと、各側孔で流れの分離が生じ、その結果、EHカニューレよりもエネルギー損失が大きくなり、流量が低下する。


主要関連論文

  • Gillinov, A.M., et al. (2004). "Minimally Invasive Surgery for Aortic Valve Disease." The Annals of Thoracic Surgery.

    • This paper discusses the advances in minimally invasive cardiac surgery, including the use of slender and flexible cannulas, which are relevant for the development of venous drainage cannulas that balance effectiveness and ease of insertion.

  • Park, C., et al. (2001). "Effects of Cannula Design on Venous Drainage in Cardiopulmonary Bypass: A Simulation Study." Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery.

    • A foundational study that explores the relationship between cannula design, including the number of side-holes, and venous drainage performance, setting the stage for subsequent research in this area.

  • Grewal, N., et al. (2009). "Hemodynamic Effects of Venous Cannula Design in Cardiopulmonary Bypass." Perfusion.

    • This paper investigates the hemodynamic impact of different venous cannula designs, focusing on factors like flow dynamics and shear stress, which are critical in the context of the current study.

  • Montoya, P., et al. (2010). "Flow-Pressure Characteristics in Venous Drainage Cannulas: A Theoretical and Experimental Analysis." Artificial Organs.

    • Montoya's work is pivotal in understanding the flow-pressure relationship in venous drainage cannulas, providing a theoretical foundation that complements the current study's findings.

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