2023年度心臓血管麻酔専門医認定試験体験記〜その3〜

前回は、試験の準備の話でした。
今回は、試験ガイドライン(https://www.jscva.org/files/exam_2023.pdf?1700208425)を参照しながらどのように勉強していったかを共有したいと思います。

自分は、荷物を持ち歩くのが嫌なので、基本的にはiPad AirとiPhoneのみを持ち物として勉強しています。なので、医書.comなどの教科書Appやネット上でダウンロード可能なガイドラインから情報を得つつ、GoodnotesのAppにノートを作成し、書き込んでいく形で勉強していますのでご了承ください。なお、iPad勉強法の詳細については、また別の記事で述べていく予定です。


主な勉強の流れ


1. 普段の症例に基づいて、一般的な内容を勉強。

各分野で最も参考にした教科書・記事は以下のとおりです。
小児に関しては自分の所属施設では小児一般も含めほぼ症例がありませんでした。なので、出向先の小児病院で一般を5ヶ月(ACHD含む)、小児心臓を1ヶ月学ばせていただきました。
体外循環に関しては、常日頃からCEたちとディスカッションしていくことが一番の教科書かなと思います。ただ、細かい機序については勉強する必要があるので、以下の教科書+2021年の横塚先生の専門医コースレクチャーがとても参考になりました。

・成人総論:
  ヘンスレー心臓手術の麻酔 第5版 2020年発行
    新見 能成, 加藤 剛 監訳
・小児総論:
  誰でもわかる先天性心疾患(https://www.inishi124.com/entry/2019/07/22/153438)
inishi 編集      
・解剖:
  テキスト臨床心臓構造学 2022年発行
    井川 修 著
・体外循環:
  麻酔科医のための体外循環の知識 2022年発行
    川人 信次 編集


2. 試験ガイドラインに沿ってまとめ作業を開始。

大体3ヶ月前までに大まかに試験ガイドラインをまとめていく作業をしました。具体的には、JSCVA推奨のガイドラインごとにそれぞれのトピックと表・図をGoodnotesというメモアプリにまとめていく作業になります。各ガイドラインごとにノートを作成し、そこに各トピックごとに図・表をスクリーンショット→コピー→貼り付け。この作業をひたすら繰り返していきます。

※ 正直なところ、推薦教科書については過去問で出てきてわからないところを辞書的に使うぐらいしかしていません。適当で申しわけないです…

3. 試験過去問を解く

自分は、過去に受験した人からデータをいただき、2018~2022年の問題のみ解説なしの過去問を入手することができました。各過去問をGoodnotesに読み込み、過去問の答え・解説を見つけながらガイドラインを読みつつ、まとめた各ノートに重要事項を書きこんでいく作業をひたすら続けていきます。

※過去問に解説を書き入れていく時にペンの色を変えて行うことで、iPadの機能と併用して赤シートで隠しているような状態に一瞬で変換できるようにすることができます。ただ、目がすごく疲れるのでブルーライトカットのメガネを使用することを推奨します。詳しくは、後日投稿するiPad勉強法についてをご覧ください。

4. JSCVA専門医試験直前講習を読み込む

JSCVAの総会でプラス料金で受講する講義を一つでもとっていると、テキスト集を配布されます。受講する講義の内容は問いませんが、受験には3回分の参加が必要となるので、その際に何か講習をとっていると、過去3年分のテキスト集をGETできることとなります。その中に、直前講習のスライドが含まれているのでそれを読み込みます。
受講する内容を問わずスライドは入手できますが、実際に直前講習を受講しないと書いてない、もしくは図のみでポイントがわからない部分が多々あるかと思いますので、専門医直前講習を3年分受講することをお勧めします。


5. それぞれまとめたものを繰り返す。

解説を書き入れた過去問を、重要事項をまとめた各ガイドラインノートと専門医直前講習を逐一確認しながら解いていきます。繰り返す際には、大事な問題ノートを別に作成し、マルチタスク機能で横に開いておきます。自分が引っかかった問題を都度スクリーンショットしてその大事な問題ノートに貼り付けていけば、次の回の見直しがスムーズになります。

※前記の赤シート機能はとても目が疲れるため、試験直前に行なっていただければ良いかと思います。


まとめ

今回は勉強方法の話でした。至って普通のことですが、過去問と試験ガイドラインはすごく重要です。実際の試験でも、専門医直前講習で出た内容をガイドラインで補足で調べたところを聞く問題が多々あったように思います。日々の臨床を行いながらの勉強は大変ですが、日々の症例をガイドラインと照らしあわせて勉強することが記憶への近道かと思いますので頑張りましょう。

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