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頭わるわる制御論後編(頭わるわる安定性編)

 みなさん、ごきげんヨークシャーテリア。迫真東大生です。頭わるわる制御論の続編を書きたい、書きたい、カキフライと想い続けるも、ギリギリで試験勉強を仕上げ、ギリギリでレポートを仕上げる生活を続けていった結果、とうとう私も夏休みを迎えてしまった。これはギリギリの日々からの脱却を意味すると同時に、自堕落な生活への入門を意味しかね無い。もとより私は怠惰な人間ゆえ、無目的の状態で夏休みという途方もない自由時間を与えられてしまうと、結局何もなし得ずにAセメスターに突入するということが目に見えている。そこで私は夏休み中の目標を立てることにした。

頭わるわる制御論だけは、必ず夏休み中に完成させる!!!!

 それが怠惰な私が私自身に課す夏休みの宿題であり、怪文書書きとしてのけじめでもある。システム制御2の期末レポートまでに間に合わなかったことは心残りではあるが、それでもこの文章を書き続けることは無意味なことではない。いずれ私の可愛い、可愛い、目に入れてもギリ痛くない可愛い後輩たちがこの文章を読み、制御論や頭わるわる学についての知識を深め、単位取得などに役立ててくれるかもしれない。そのような考えが追い風となってそっと私の背中を押した。追い風で執筆の素早さは2倍となったが、元のS種族値がナットレイ以下なのでそこはあしからず。

アホか君は

目次
1.頭わるわる学の基礎
2.頭わるわる状態方程式
3.頭わるわるの可制御性
4.頭わるわるの可観測性(前編はここまで)
5.頭わるわるの安定性(今回はこ↑こ↓)
6.頭わるわる最適制御
7.頭わるわる制御論の展望


5.頭わるわる安定性

 制御論におけるシステムの安定性は、例えば以下のように定義される(以下の資料参照)。

安定性定義:
「平衡(保ちたい)状態にあるシステムに瞬時的な外乱を与えたとき、時間がたつと系が再び平衡状態に戻るならば安定であるといい、系が平衡点からますます離れていく場合不安定であるという。」

システムの安定性http://www2.kaiyodai.ac.jp/~zhang/Lesson/Seigyo1/seigyo_Eng_6_2008.pdf

これを頭わるわる学的に表現するならば、以下のようになる。

「頭の悪い状態にある人間に瞬時的な外乱(頭のいい先生による頭のいい授業、頭のいい友人との頭のいい話など)を加えた時、時間が経つにつれて再び頭が悪くなっていくならば『安定な頭わるわる』であるといい、逆に頭が良くなっていくならば『不安定な頭わるわる』であるという。」

 私は奇怪系の奇怪だが頭のいい教授の、奇怪だが頭のいい授業を何度も受けてきたが、その度に一瞬だけ少し頭が良くなったのち驚くべき速さで元の頭の悪さに収束していった。一方、奇怪性に関していえば、奇怪な授業を受ける度に私の奇怪性はますます高まり、高まり、果てには奇怪上方高岳科へと進学していたほどだ。
 この時、私は頭わるわるに関しては安定だが、奇怪性に関しては不安定であると言える。頭わるわると奇怪性は別の概念なのか?そもそも奇怪性とは何なのか?という疑問はもっともだが、この問いに答えようとすると話があさってを通り越してささっての方向に(出身がバレる)飛んでしまうので、いつか執筆するかもしれない「奇怪工学総合演習」の方に説明を譲りたい(書くとは言ってない)。
 ともかく私は安定な頭わるわるということになった。これは「私が」「安定している」ということを意味しない。むしろ私は、すでに情緒不安定の日本代表として2024パリ五輪に向けて調整を始めている程の「痴のプロフェッショナル」である。あくまで、頭わるわるの度合いが安定して同じ値に落ち着くという意味である。「安定して頭が悪い」と言ってもよい。

 頭わるわる安定性を判別するための手法として次に述べる「リア狂の方法」が知られている。リア狂(1857〜1918、読み方:リアプノフ)はキチ学系での頭わるわる安定性理論を生み出した頭わるわる界の大スターであり、同時代・同国の大数学者、アタマ・ワルコフ(1856〜1922)をして「1919年に一人の大天災」、「才能のマリーアントワネット」、「暇を持て余した神々の糞遊び」とまで言わしめた男である。

 リア狂の方法を以下に示す。

 非線形自律システムx^{dot}=f(x)・・・①について、原点を含むある領域Ωで正定痴なスカラー関数V(x)を考える。Vの時間微分V^{dot}(x)が半負定痴となる場合、V(x)をリア狂関数という。
 システム①の原点が頭わるわる安定であるための十分条件の一つは
  (1)リア狂関数V(x)が存在する。
 を満たすことである。またシステム①の原点が漸近安定であることの十分条件の一つは、(1)に加えて
  (2)領域ΩでV^{dot}(x)が負定痴関数である。
を満たすことである。










こんな説明でよろしいでしょうか?








いい訳ないだろカスが大社。








お前は何を言っているんだ

と思った方も多いと思うので、以下では厳密な説明ではないものの、超超超わかりやすい図を用いた直感的な説明を試みている。

 その前に、頭わるわる安定性を曖昧にしか定義していなかったことに加え、頭わるわる漸近安定という初出の概念を説明なしに登場させてしまっていたことに気づいたため、ここで頭わるわる安定性、頭わるわる漸近安定性の定義を定式化した形で書いておく。

頭わるわる安定性の定義
「任意に与えられたε>0に対し、ある適当なδ(ε)>0が存在し、時刻0に||x(0)||<δを満たす任意の初期点x(0)から出発したx^{dot}=f(x)・・・①の解x(t)が、それ以後全ての時刻t>=0において||x(t)||<εを満たすならば、原点0は安定である。」
頭わるわる漸近安定性の定義
「原点が安定であり、かつ適当なδ'が存在して ||x(0)||<δ'を満たす任意のx(0)から出発したx^{dot}=f(x)・・・①の解のノルム||x(t)||が時間t→∞で0に収束するならば、原点0は漸近安定であるという」

 一見すると両者の違いはわかりづらいかもしれないが、グラフをイメージすれば比較的容易に理解できるだろう。吉川・井村両先生共著の「現代制御論」95ページに掲載されていた以下の図が非常にわかりやすいため、そのまま使用させていただいた(自分で図を作成しない研究者の屑)。

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 左図の安定の場合では、頭の状態の初期値の絶対値(ノルム)をδ(ε)以内に設定することで||x(t)||と頭の平衡点0との誤差は必ず任意のt>=0で目標誤差ε以内に収まっている。そうなるようにεに応じた値δ(ε)を定めることができるということが頭わるわる安定性の意味である。逆に初期値の絶対値(ノルム)の限界δ(ε)>0をどれだけ小さくしても||x(t)||が目標誤差εの幅からはみ出てしまうような解がある場合、不安定となる。
 また、右図では目標誤差εを特に与えなくとも、頭の状態の初期値の絶対値(ノルム)をあるδ'以内に設定することで、tを大きくしていった時の頭の状態||x(t)||が頭の平衡点0に収束している。そうなるようにδ'を定めることができるということが頭わるわる漸近安定性の意味である。
 頭わるわる漸近安定性は単なる頭わるわる安定性よりも「強い」安定性を示す概念であることがわかる。

 さて頭わるわる安定性、頭わるわる漸近安定性の意味を解説したところでようやくその判別方法の一つ、リア狂の方法について説明することができる。

 まず、リア狂の方法ではリア狂関数を見つけることが重要となるが、リア狂関数とは何を表しているのか。答えは非常にシンプルである。リア狂関数とは、この世界のカタチ、すなわち環境に恵まれていようが人並みはずれた努力をしようが決して抜け出すことのできない「壁」を意味している。それはおおよそ下図のようなカタチをしていると言われる。原点0を底としたおわん型と言うことができるが、要するにウォールマ●アとかロ●ゼとかシ●ナみたいなものをイメージしてもらえれば良い。頭わるわる安定とは、図のようにある頭の初期状態から出発し、頭の悪い現状から脱却しようとした新進気鋭の若者たちは必ず夢破れて落ちてゆく、あるいは現在地に留まり続けて何者にもなれず死んでゆくという社会構造を表している。

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 また、頭わるわる漸近安定の場合は、おわんの軌道上で有限時間の間その場の高さに留まり続けることがあっても、その後必ず原点に向かって落ちてゆくという、さらに厳しい社会構造を示すリア狂関数となる。

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 このようにリア狂関数を見つけることで頭わるわる安定性を示し、さらにそのカタチを調べることで頭わるわる漸近安定性を示す方法がリア狂の方法である。

 ここで誤解してはならないことは、リア狂関数が見つからないからといって頭わるわる不安定とは限らないということである。また、頭わるわる安定の場合は対応するリア狂関数は一つとは限らず、一般に多数存在することにも注意されたい。
 ちなみに言うと、この世界全体を支配するリア狂関数は実は今のところ見つかっていない。ゆえにこの世界が頭わるわる安定か、はたまた不安定化は未だ不明である。しかし、現在の世界情勢を個別具体的に見たときに、局所的にリア狂関数が存在している地点があることは明白である。教育を受けたくても受けることができない発展途上国の子供たち、数千年もの人類史から何一つ学ぶことなく争いを繰り返す権力者たち、「どうせ受かるわけがない・・・」と自分の限界を勝手に作り志望校を落とす受験生、未だにこんな文章を書き続けている私。世界全体のリア狂関数は見つかっていない一方で、世界中にリア狂関数が溢れている。
 そこで、皆さんには是非見つけてほしいのである。私は滅多に課題とか宿題を出さない主義なのだが、この文章を読んでくれた以上、いつまでかかってもいいのでこれだけはやっておいていただきたいと思うのである。これをやってみないとこの文章を真に読んだことにならないので、皆さんにただ時間を取らせてしまっただけになってむしろ申し訳ないとさえ思うからである。以下に演習問題として掲載したので、是非取り組んでみてほしい。

演習問題5-1
(1)あなたの身の回りに、あるいはあなた自身の中に頭わるわる安定と思われる頭脳または知的システムの例を1つ挙げ、リア狂関数を見つけることでその頭わるわる安定性を示せ。なお、リア狂関数は必ず見つかるとは限らないため、どうしても見つからなければあなたの身の回りのリア狂を1人挙げ、その人物がリア狂であることを示せ。
(2)(1)で挙げた頭脳または知的システムの例について頭わるわる漸近安定性を調べよ。難しければ、あなたがZENKIN TVのYoutubeチャンネルを開設した場合のチャンネル登録者数が漸近安定であることを示せ。
(3)あなたが(1)で発見したリア狂関数またはリア狂を打ち破り、あなたやあなたの身の回りの人物などがあらゆる制約から逃れ頭の良さを獲得してゆくためにあなたができることを挙げよ。ないと思うならば自分の無力さを悔い、大声で泣いてみよ。スッキリしたら、せっかくの夏休みなのだから川遊びに行くとか、森に虫を取りに行くとか、アイスを食べるなどしてみるとよい。気が向いたら、またこの問いに立ち返ってみよ。

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 今回は1章分だけになってしまったが、執筆のモチベ維持の観点では小出しにした方が良いと気づいたので一旦ここまでとする。次回は頭わるわる最適制御について解説する予定である。それではまたお会いしましょう。お疲れサマーナイトフィーバー。

今なんて言った

参考文献
『現代制御論』吉川恒夫・井村順一共著
『頭わるわる安定性理論〜リア狂が描いた世界〜』オツム・ワルバチョフ著


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