マシュマロ実験の追試に学ぶ、論文だからといって盲信しない思考法
ムロヤメルマガ2020年4月26日第2号より抜粋。
マシュマロ実験って聞いたことはありますか?
以下、Wikiより。
「マシュマロ実験(マシュマロじっけん)、またはマシュマロ・テストとは、子ども時代の自制心と、将来の社会的成果の関連性を調査した著名な実験。スタンフォード大学の心理学者・ウォルター・ミシェル(英語版)が1960年代後半から1970年代前半にかけて実施した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%9E%E3%83%AD%E5%AE%9F%E9%A8%93
実験の様子のイメージはこちら(動画)。
https://vimeo.com/5239013
面白いですよね。自制心がある子供は、なんか誘惑に負けずに勉強出来そうですよね。
こんな記事もあります。
マシュマロ実験で判明!子供の学力向上に重要なのはIQより自制心?
https://allabout.co.jp/gm/gc/455379/?FM=rssaa_latest-chkids
…しかし、2018年5月25日に発表された研究によると、マシュマロ実験の結果を「限定的だ」とする内容となっており、再現しなかったそうです。
子どもの自制心が将来を左右するという「マシュマロ実験」が再現に失敗、自制心よりも大きな影響を与えるのは「経済的・社会的環境」
https://gigazine.net/news/20180605-marshmallow-test-rich-kids/
記事中に紹介されている論文。Google翻訳でどうぞ↓
Revisiting the Marshmallow Test: A Conceptual Replication Investigating Links Between Early Delay of Gratification and Later Outcomes
https://journals.sagepub.com/doi/abs/10.1177/0956797618761661
ということで、先ほどの記事であったようなAll Aboutの専門家といえど、スタンフォード大の実験といえど、論文といえど、疑いの目を持って見ていくのが大切ですね。世にはテキトーなエビデンスを自分の主張に都合よく補強しているケースがあります。
論文のデータはあくまで、その掲載時点でのデータにすぎません。
その後に、定説を覆すような実験結果が示されることは珍しくありません。
バイアスだったり、誤ったデータに振り回されないことが大切ですので、その象徴例としてこの論文を紹介させていただきました。
原点にあたる、一次情報にあたるって言われてみれば至極当然なんですが、
人は怠ける動物なので、ついついサボっちゃうんですよね。
<教訓>
・論文だからといって盲信しない
・世の中のノウハウ本の根拠にこのような誤ったデータが参照されていることもあるので、原典や一次情報を当たって吟味する
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