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チュニジアに行った話し3

チュニジアに行った話し3 (全5話)

チュニジアは日本よりも季節が秋なのかそもそも湿気があまり無いのかはわからないが
窓を開けると本当にとても爽やかな風が入ってきて涼しくてとても気持ちが良い

朝からモーニングコーヒーでも飲みたくなるような気分だ
日本とは8時間の時差があるのでチュニジアが朝9時なら日本は17時って所だろう
(日本が先に時間が経っててチュニジアが後)

寝ている間にも海外に来てることを知らない人達からじゃんじゃん連絡が来ていた

むしろ知っている人からはただの冷やかしや心配の連絡などが沢山来ている

ありがてぇな‼️大好き

とくに印象的だったのは

「おつー、ようやく秘密のケンミンショー録画してるの見たよ〜、出てたじゃん」

と何も知らない友人からの今更過ぎる連絡があった


遅っ!今更かい!

という気持ちと、どこかとぼけている連絡に(俺今どこに居るんだっけ?)という気持ちにさせた

スマホの地図を見て改めて遠くまで来てるんだなーと思ったりする

11時集合の我々は朝ごはんをレストランでゆっくりと済ませて撮影本番に向けてテンションを整えていく

それにしても
どこの国で食ってもクロワッサンはうめぇな‼️


特にうまい気がするのは一昨日から酒を飲んでないからかもしれない

糖質の過剰摂取を気にして米もパンもあまり食わないようにしているサラダとスープ大好きの仁也さんと俺がこの日チョイスしたのは、嗅いだことのない良い香りを発する謎の白いスープ

昨日飲んだスープも実に美味かった
その同じ場所に置いてあったスープなのだから絶対うまいに決まってると息巻いて取ったは良いが・・・こちら、もの凄い甘いスープであった

うっ、、、これは飲めねえ‼️
甘すぎる‼️
甘すぎるぜーーー‼️
これを喜んで飲むのはカブトムシぐらいなものだろう

これを一杯飲み干したら猫でなくとも糖尿病まっしぐらである

俺が仁也さんにそれを伝えるとわざわざスプーンを頼んだにもかかわらず一口も口をつけなかった

徹底してる‼️

それでこそ仙台で10軒も居酒屋を経営する漢である
真っ直ぐさと漢気で生き抜いてきた感じがする仁也さんは年下だが尊敬している
英語も俺よりも圧倒的に出来るし
何よりポジティブで良い‼️好き‼️

さぁスープ以外はうまい朝飯を済ませて髪型を8割完成させてホテルのロビーに向かう

するとどうだろう
迎えに来るはずのノーメンが11時を過ぎても来ない

おいノーメン
お前今朝自分から11時で大丈夫ですか?って連絡してきたよな?
俺、お前のそうゆう所嫌いだわ〜

40分待たされてノーメン登場

一つも悪びれてない

なんやこいつ

これも海外で仕事をするという事の試練なのか?

これが通常ですよ?と言わんばかりだ

ノーメンの着ているTシャツがたまたま日本のアニメNARUTOのデザインで「ごめんなさい」と書かれている
バカにしてんのかw

日本好きなんですよとアピールなのか

今のこの謝りたい状況をTシャツのデザインで現してるのかと思うと普通にムカついたが
もうそんな事でツッコミを入れるのは辞めた

それはさておき
車で40分ほどかけて撮影現場まで向かう

ドライブ気分でNARUTOの主題歌のいきものがかりの曲など歌って日本好きをアピールしてくるノーメンはこの時何故か実年齢より幼く見えて可愛くすら感じた

俺こんなに日本語の曲知ってるんだぜ?とでも言いたそうだ

うむ、いいよ、いいよ
そうゆう所は好きだよ

ちょい悪風貌の運転手も藤井風のなんかの曲を知ってるとかで、かけてくれる

こんな10000キロ以上離れた土地で日本の曲が聴けるなんてなんだか嬉しいし勝手に誇らしくなったよ

よしノーメン、今日は良い仕事しようぜ‼️
てな気分になる

どんどん進んで行くと、舗装こそされているが途中からガラッと田舎っぽくなってくる

オリーブの木が所々生えてる畑以外は廃墟のような建物の数々、建物の残骸や瓦礫の山、ペットボトルのゴミだらけのぐちゃぐちゃの川など、この国の抱えるきっと様々な事情やその現実を眺めながら進む

空港から1時間半ぐらいの場所なのにもうこんなに何もなかったり廃墟でボロボロなんだな

動画には撮れなかったが
途中、瓦礫の向こうで半裸の子供達が洗濯物を干しているのが見えた

こうゆう所にも人は住んでるんだ・・・
もしかしたら俺たちが今朝残したあの甘いスープもこの人達は飲めないのかもしれない

南無三🙏

などとそう思わせる道筋だった

ほどなくして
【SVP studio】というチュニスではメジャーらしい撮影現場に到着する


俺が到着するとエキストラの皆さん、70名ほどがスタジオ前で自分達の出番を待っている

おーーー
ようやく撮影現場についたなと言う感じがしてくる

天井もかなり高いスタジオで歌の一つも歌いたくなった

ちょっと歌うと
一発で人気者になった

これで変な緊張感とチュニジアの撮影クルーとの心の壁は飛んだ気がする

詳しくはまだ言えない事が多いので
ネタバレになる写真と内容は割愛しなくてはいけないが

俺はよくある海外映画のインタビューも受けた

売れた気分を味わったよ


このスタジオのセットどうですか?
チュニジアという国はあなたから見てどうですか?

などだ

日本語でお願いしますとの指示もあったりした

もちろんノーメンが通訳で横にいるが

「わかりますか?」と「素晴らしいですか?」しか言わない

マジでGoogle翻訳アプリ使ってくれと100回は言った

仁也さんと一緒に頑張って英語で色々説明をしたがちゃんとしたインタビューになってるかは本当に謎だし、記者には申し訳なかった

俺達が英語でノーメンに伝えて
向こうの現地の言葉で伝えているみたいなシステムが出来かけてたが
現地の人も英語はできる人も多いのでノーメンが逆に邪魔くさい時があるぐらいだったな

頑張れやノーメン

さて「俳優は待つのも仕事やけんね」と江口カン監督から教わっている俺ですが

今回もやはり謎の待ち時間が多かった

インタビュー以外は何もしないまま遅めのお昼ご飯になってしまった

このお昼ご飯
地中海の魚が出てくるんだけど、地中海の魚はやはりうめえ‼️
そしてドライカレーみたいなのもめちゃうめえ‼️
これから取り組みのシーンがあるのにもりもり食ってしまう

ハエが多いことだけ嫌だが、飯はこの国合うわ

もうそれだけで嬉しい
好き‼️

さて国民的人気俳優のチェドリーとの相撲の取り組みだが、ここの部分はコメディー要素のかなり強い撮影となる

とのことが初めてわかった

なるほど〜

俺のような偽力士がやらせてもらうのもおこがましい【ひたち】と言われても仕方ない状況だったがこれは一安心だ

ひたちとは・・・調子乗ってる、かっこつけてる、見栄はってるなどの意味
「出た、ひたち!」とか「ひたち決めてる」と使う

一応土俵に塩なども用意されているのだが
彼等は
お葬式のように身体にふりかけている

土俵の白線も靴下だしw
笑ったっつーの

もちろんこれは違う、それは違うとか
これは絶対こうした方が良いとか
こうした方がリアルだとか色々提案はするが
途中から監督が思っている通りにするべきなんじゃないか?という気持ちに変わってくる

取り組みの撮影だけでも4時間ぐらい延々撮っていただろうか
基本2カメで撮ってるけど
小さなカメラ数個が近距離に近づいて来たりもする

絶対他のカメラに被っている
てゆうか、もう被ってる所の話しじゃない

カメラマンが映り込みまくっている
きっと助監督も映り込みまくっている

なんやこれ

照明とかも色々やってるっぽいんだけど
途中からほとんどいじらなくなってる

?????

おいおい

マジで大丈夫なのか?

とても不安になる

学生映画でももっとマシに撮るんじゃねえか?とか
一瞬よぎるが
そんな小さな事はこの国では関係ないんだ

きっと沢山のカメラで撮って誰かが被ってたらトリミング的な事をして使うに違いない

それかメインカメラで要所を抑えていて

他のカメラはメイキングだ‼️きっとそうだ‼️

などとマインドチェンジしていく

途中からだるくなって来てんのか
助監督だろうがカメラマンだろうが何人もタバコを吸いながら撮影している時もある
本番だぞ
本番中にタバコ
俺の常識ならありえない

ケータリングをむしゃむしゃ食いながら撮影してる時もある

タバコの煙や他のスタッフの身体が映り込もうが関係ない

そうゆうワイルドな国だし、そうゆう大きな映画なんだ

うんきっとそうだ‼️‼️‼️

もしゆってぃーがここにいたら

「小っちゃい事は気にするなワコチコ、ワカチコ」
と一緒にやっていただろう

なので俺は考えるのを辞めた

そしてワイルドと言えば、この作品の主人公

【NIDHAL SAADI】という俳優だが

このイケメンワイルド主人公
なにが凄いって
1260万のチュニジアの人口に対して

彼のインスタのフォロワーはなんと332万人‼️
ヤバすぎるやろ

チェドリーの比じゃないw

俺も土俵で一瞬目が合ったがウィンクされた

マジで惚れそうになる

これが世界のウィンクなのかと

これは真似してやろうと思った

そんな中、我らがノーメンだが

途中から周りに日本語が出来ないのがバレたんだろうな
俺がGoogle翻訳アプリ使え!とめちゃくちゃ怒ったせいもあるからかもしれないけど

俺が監督と直でやり取りするようになって仕事しなくなった
ノーメンそうゆう所だぞ

だって監督はちゃんと翻訳アプリ使ってくれるんだもん
そっちでやり取りするよ俺は
二度手間なんだもん

なんやかんやで10時間ぐらい撮影があり無事撮影、終了‼️‼️‼️

お疲れ様でした〜

チュニジア人、日本人、ロシア人、インドネシア人、韓国人、フランス人

把握してるだけでもこんなに沢山の国から役者が来て撮影してるんだって
めちゃくちゃ多国籍ですな

諸々の事務的な手続きをして帰路につく段取りをするの我々であった

いやー
疲れた、疲れた、足が痛えよ

帰りにビールでも飲みたいねとプロデューサーのMr.ネジと会話になる

いいね、いいね

ノーメンも行くか?

よっしゃ打ち上げや

じゃあ、あの先のホテルのバルでも行こう
あそこは酒が飲めるエリアだからね

よし先に行っててー

はーい

お疲れ様でしたーーー

と用意されていたワゴンに乗り込む

・・・この後あんなトラブルが起きるなんて思いもよらなかったんだ

この後が第一話で話したノーメン事件に発展していくことになる


第3部完

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