カフェムリウイ無期限休業のお知らせ
ご挨拶
いつもお世話になっています。
カフェムリウイです。
9月に入ったというのに猛暑が続いています。
皆さんお元気でしょうか?
ムリウイでは初の試みとして2023年8月にビアガーデン営業を行いました。それがなんとか無事に終わって間もないタイミングでこれを書いています。
ご報告
まずは単刀直入にお伝えします。
近年のムリウイでは「昼のカフェ」と「夜のイベント」という言わば2本立てのような形で営業を行なってきましたが、この度「昼のカフェ」を無期限で休業することにしました。
21年間止まることなく続けてきた「カフェ」をここで一度眠らせようと思います。
そう自分で書いていてまだ信じられないような感覚です。
もう焙煎しないのか、もうコーヒーをいれないのか。
もうハンバーガーを焼かないのか。
もう「カフェ・ムリウイ」ではなくなってしまうのか。
ぼくの周りに起きた変化についてご説明します。
変化1
先に出てきましたビアガーデン営業の準備がすでに動き出してからのことです。ぼくの女房が単身赴任することが急遽決まりました。コロナ以降の数年は家族と共に家に居ることが多かった彼女ですが、彼女のキャリアにとって素晴らしいポストを得ることができたんです。それが東京でも神奈川でもなく京都だったということです。少なくとも3年近くはそちら在住になります。つまり何が起きるかと言うと、その間ぼくはこれまでに増して家で子どもの世話をする時間が多く必要になるということです。ぼくはそのことを喜ばしく思っています。
変化2
実は彼女の単身赴任は初めてではありません。下の子ども二人がまだ保育園に通っていた10年前にも単身赴任がありやはり京都に数年間滞在していました。その時はまだぼくの母(かつよ)が快活で、ぼくと母の二人で交互に家と店を切り盛りするようなスタイルでなんとか乗り切ったものです。しかし母も今では80を越え、まだまだ健康ではあるのですが、さすがに店やこちらの家事を一人でやってもらうというわけにもいかないお年頃になりました。これまでフル回転で働いてきてくれた母には感謝しかありません。ご勇退です。
結局のところ、基本的にはぼくが一人で家と店を運営していくといった形になります。
以上のような(個人的には決してわるくない)理由で、ぼくが店に出る時間のどこをどう減らすかという緊急の決断が必要となりました。実際のところ夜のイベントは9月10月とすでに多く決まっていましたので「夜のイベントを無くす」という発想にはなりませんでした。これは続けていきます。すでに11月12月も予定は入ってきています。やります。
一方、昼のカフェを休業するのが簡単かというと決してそうではありませんでした。毎日昼前に階段を登り切った時に広がる空。外から静かに聞こえてくる商店街の音。一杯一杯丁寧にいれるコーヒー豆の香り。小さい子どもがバナナジュースを最後の一滴までストローで飲み干す時の音。それぞれのお客さんが自分の好きな時間の過ごし方をする古いテーブル。久しぶりに、または初めて、ぼく達を訪ねてきてくれる人が開く木の扉。そういうもの全てが大好きだったからです。でもきちんと決めてみなさんに報告しないといけない。そう思ってこれを書いています。カフェを無期限で休業します。
今後のこと
今後のことは全く未定です。
無期限休業としか書けないのはどうするか分かっていないという意味です。
良いアイデアがあるわけでも悪いイメージがあるわけでもない。単に空白の道がぼくの目の前に続いているような感覚です。可能性と言ってもいいかもしれない。
仮に再開することがあったとしても、今までと全く同じカフェに戻ることはありません。
もしかしたら誰か他の人の力を借りて昼のカフェを復活させるかもしれない。すぐまた別の形で昼の空いた時間帯を利用してもらえるようにするかもしれない。もしくはどなたかいいアイデアはありますか?
いま急に考えてもわからないことを無理に考えないでもいいように、自然に湧いてくるかもしれない次の風景を迎え入れられるように。少しの間、ただ待ってみようと思います。
最後に
昼のカフェムリウイを好んでご利用くださっていたお客さん本当にありがとうございました。そして突然このようなお知らせをすることになったことをお詫びします。ごめんなさい。ああ、最後にもう一度ムリウイのチーズバーガー食べたかった!という声が聞こえてくるようです。カフェに来てのんびり過ごしてくれるお客さんに、この店はいつも支えられてきました。いつになるかは分かりませんが必ずまた昼の屋上でお会いしましょう。
2023年9月5日
ムリウイ、たけし