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ブスに彼氏が居ちゃダメですかepisode7

私が彼女で居る意味

毎日、毎日。
聞こえてくる声や、向けられる視線に怯えていた。
友だちとトイレに行こうと廊下を歩いている時、すれ違う女子から
「ムカつく、死ね。」
と言われることもあった。
ほかのクラスの横を通れば、開いている廊下の窓の中から指をさされ、それと同時に痛いほどの視線が突き刺さってくる。たった数秒、横切るだけの時間でも誰かが見つけて徹底的に攻撃してくる。

私が思い描いていた高校生活とは180度違う世界だった。学校で話したことはない。二人で並んで歩くこともない。中庭でお昼?絶対だれかに殺される。
小さくなって、下を向いて、なるだけ見つからないように、そうやって過ごした。

私たちが恋人らしくできるのは、家に帰ってから電話する時間だけだった。
彼氏は私のことを好きではいてくれていたみたいだけど、話す内容にほかの女子が度々出てくることがあった。
「2組の○○さんって、めっちゃ可愛いんだよ。」
「○○さんってお前と同じクラスだよな、どんな感じ?」
その頃には、お互いの家に遊びに行くことも無くなっていた。


そんなある日。
一緒にいるグループの友だちから衝撃的なことを言われた。
「Aちゃん(私)、Bくん(彼氏)と付き合ってるよね?別れてないよね?」
私は別れたつもりはなかったので、そのはずと答えた。
友だちは、なんと彼氏から告白されたと言うのだ。
そうなってくると、私が勝手に付き合ってると思ってるだけのヤバい奴みたいになる。
怒りに震えながら、机の中でメールを打った。
『○○ちゃんに告った?何考えてんの?もう別れたいんだけど!』
彼氏は謝ってきたけど、あまり深く考えていないらしく
『じゃぁ、別れたってことにして皆にはそう言おう。でも、黙ったまま付き合ってよう?俺、別れたくないから。』
そんなの突っぱねて、そんな提案納得しなきゃよかった。
だけど出来なかった。どんなにバカにされても、蔑まれても好きだったから。
別れたってことにすれば、女子からの攻撃も無くなるかもしれないと期待もあったから。

私は受け入れてしまった。


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