チェーザレ的君主論【新・群れラジオ#22】
久しぶりに君主論の続きを見ていきます。今回は第7章、マキャヴェリさん的にも力の入っている、サビとなる章です。
チェーザレさんは、父親の権力のおかげでイタリアの君主になりましたが、それでも運の良さでのぼりつめただけで実力がなく、まだまだ安泰とはいえない状態でした。
そこでチェーザレさんがとった行動というと、力のあるものは皆殺しです。でも、それを民衆には悟られないように、こっそりと暗躍するのが上手だったようです。
君主論では、基本的には「冷酷であれ」「情をかけるな」と、民衆に対して厳しく接していきますが、「決して恨まれるな」という二律背反することを求めてきます。
逆にいうと、世の中の多くの人は、冷酷であったり情をかけないことで恨まれてしまうので失敗するんですね。だから、恨まれないように他人に優しくしたりするのが王道ですが、マキャヴェリさんは、恨まれないように冷酷に、バレないようにいい感じに立ち回ることを推奨しています。
個人的には、そういう立ち回りっていつかボロが出るから、全然サステナブルじゃないと思うんですけどね。チェーザレさんも、途中まではいい感じに立ち回っていましたが、やっぱり見てる人は見てるので、最終的には殺されてしまいます。
まぁ、聖人君主であっても殺されるような中世でしたから、安全平和な現代よりも、「正しくある」ことのメリットが少なかったのかもしれません。
まあ、現代でもポリティカルコレクトネスにすりつぶされて生きにくい世の中になってしまったことを思うと、正しくなれない方が幸せなのかもしれない、と思ったりもします。つまり、マキャヴェリさんの言う通り、恨まれない程度にいい感じに悪くあるくらいで、ちょうどいいのかもしれません。
今回は短いですがこれくらいで!