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【撫物語】Caramel ribbon cursetard 歌詞考察

戦物語ぶりです。村神都並です。

今回はアニメ「撫物語」のOP「Caramel ribbon cursetard」の歌詞考察です。

※なお、7/25段階では正規の歌詞は出ていないため一部歌詞が違う可能性がございます。
正式版、及びフル版が公開され次第修正、加筆に加え新しい記事を更新予定です。

※記事更新段階ではアニメ版なでこドローは完結していないため、実質的な原作ネタバレを含みます。ご注意ください。


歌詞

ああしたい
こうしたい
どうしたい
まるで死んでるみたい

石の上にも残念
でもそんなんじゃ縁合サーキュレーション

今日やっと始まるストーリー
生まれたての卵のようなインモーション
殻から飛び出していい気味だなんて
君はキメ顔で
(せーの)

永遠を願った夢に
終わりを告げる朝が来て
お砂糖で出来たその涙
煮つめ煮つめ見つけた心

甘くほろ苦いキャラメルのように
絡まるリボンは呪いの鎧だけど

この気持ちはそう
この気持ちにしか
きっとわかんないから

君と手と手繋いで
ひとつひとつ叶えていこう
僕らの物語は今日に続く約束

色とりどりの真っ黒な歴史
愛おしい私の歴史
誰も知らない
真っ白なページ
更新していく

考察

基本的には恋愛サーキュレーションをベースとして撫物語のストーリーが構築されており、Caramel ribbon cursetardの歌詞はその撫物語をベースにしたものと推察できる。
故に必然的に恋愛サーキュレーションを踏襲する形となっている。

アニメ作中でも、恋愛サーキュレーションやもうそう★えくすぷれすのインスト部分をサンプリングしているBGMが、積極的に採用されていることからも明らかである。

ここから歌詞の考察

ああしたい
こうしたい
どうしたい
まるで死んでるみたい

余接のパートであり死体人形を表す歌詞であり、“したい”と“みたい”で踏む辺りは恋愛サーキュレーションをラップとして認識しているからこそのものである。

また、「死んでるみたい」という表現は、“したい”だけで動かない人間に対する皮肉であると取れ、実際に動こうとしなかった千石撫子に向けてのものであると考えることが出来る。

石の上にも残念
でもそんなんじゃ縁合サーキュレーション

正直いくら聴いても「縁合」の部分がはっきりしない部分であり、当初私は素直に恋愛サーキュレーションと捉えていたのだが、X等で歌詞を書き出している人達を見るとどうも最初の発音は「え」のようなので「えんあい」で検索をかけたものの今一ぴったりハマるものが無かったため縁合を当てはめる形となった。

縁合
1 親類という関係。 血縁。 縁続き。
 2 結びつき。

goo辞書より

意味合いとしても間違ったものではなく、千石撫子もなんだかんだ他人との結びつきがあり、かつ4人の撫子との関係を表す言葉としては適切であると考える。
歌詞全体としては恋愛サーキュレーションのセルフオマージュ。
言葉の元となる石の上にも三年も、作中の一万時間の法則とかかった部分である。

個人的な視点として「恋愛サーキュレーション」にかかった言葉に対して「そんなんじゃ」とセルフオマージュをかけながら否定的な部分を見せたことにより、今撫子の有り方を強調する歌詞には非常に感銘を受け、megrock氏の撫子感には膝を打つ他ないレベルで好きな歌詞です。


今日やっと始まるストーリー
生まれたての卵のようなインモーション
殻から飛び出していい気味だなんて
君はキメ顔で
(せーの)

撫子の漫画家を目指すストーリーの一つ目であり、かつ千石撫子の怪異譚の一つ目である撫物語。
“やっと”も千石撫子が一人の人間として、齢15にしてようやく動きだしたことを意味している。
それを生まれたての卵として表現しているのだろう。
インモーションもサーキュレーションとの後韻踏みである。

良い気味と黄身をかけて、封印された余接のかつての口癖が出てきているのも、原作のVS神撫子戦での細かな一幕を引用しているものだろう。

永遠を願った夢に
終わりを告げる朝が来て
お砂糖で出来たその涙
煮つめ煮つめ見つけた心

永遠を願った夢は言わずもがな、阿良々木に恋い焦がれる日々であり、それの終わりは戦場ヶ原の出現により終わりを告げた。
しかしそれを悲劇のヒロイン面をすることにより回避した、自分に甘えた行いでしかなかった。
これに関する解体は後の歌詞にて、VSおと撫子戦の描写が深い歌詞があるためそちらで。

甘くほろ苦いキャラメルのように
絡まるリボンは呪いの鎧だけど

タイトルの回収歌詞といえる部分。
上記のような甘い思考により苛まれていた部分の話と取ることが出来る他、絡まるリボンや呪いの鎧など、蛇や死屍累生死郞から連想する北白蛇神社を想起させ、宵物語、まよいスネイクへの導線と勘ぐることも出来る。

この気持ちはそう
この気持ちにしか
きっとわかんないから

もうそう★えくすぷれすからのセルフオマージュ歌詞。
しかし、あの頃のようなネガティヴな意味合いではない。
昔の千石撫子のことは阿良々木月火にも、貝木泥舟にも分からない。
今の千石撫子にしかきっと分からないのだ。
そして次の歌詞である。

君と手と手繋いで
ひとつひとつ叶えていこう
僕らの物語は今日に続く約束


「努力に逃げずに、人から隠れずに、きっと、あなたがなりたい私になるから。がっかりされない私でいるから。だから、もう待つのはやめてーー行こう。未来へ」

今撫子がおと撫子と交わした約束。
Bメロから続く一連の歌詞は全て、撫物語の根幹である、VSおと撫子を表していたと言える。

色とりどりの真っ黒な歴史
愛おしい私の歴史
誰も知らない
真っ白なページ更新していく

全ての撫子を調伏し、未来へ向きながらも過去を内包し受け止める、千石撫子の強さが現れた歌詞と言えるだろう。

千石撫子という漫画は15巻以降も、耐えず更新されていく。

終わり

この後も撫子の名を冠した長編作品、「死物語下 なでこアラウンド」があるため、キャラソンが更に追加される可能性が存在する。
…作品上あるか怪しい部分だが。
今後も死物語を含め撫子の物語がアニメ化されることはほぼ確定と言える状況なので従来、新規の千石撫子ファンは期待して待とう。
では。

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