見出し画像

結物語で阿良々木暦に会いに来たツバサ・ハネカワ(羽川翼)はもっと単純な存在かもしれない話【考察記事】

そもそも我々は、羽川翼という存在を大きく見すぎていないだろうか。

たしかに作中において、臥煙伊豆子や臥煙遠江といった明らかな強キャラに類する存在であり、世界を平定するという突飛なことをやってのけるキャラではあるのだが、だからといって、やれ世界征服だの、やれ阿良々木暦のために新たなる世界秩序を作っているだの、その突飛なことに引っ張られ過ぎた考察をしすぎている気がするし、私自身そういった話が好物であることは過去記事で分かって戴けるだろう。

だが、ここは一度もっと目の前のことを見て、直感的な考察をするのも悪くないのではないのだろうか。

申し遅れました、村神都並です。

今回はフォロワーさんのツイートから着想を得て私が記した考察ツイートを引き伸ばしてペラペラにしたものをnoteに書いていこうと思います。

発端

まずはフォロワーさんのツイートで作中の
「世界中、もう全部の国を見たけれど、阿良々木くんみたいな人はいなかったから─」
という台詞の話からスタート。

これを見て私は直感的に、みとめウルフの話題の一つである「"ドッペルゲンガー"という風説の否定」だなぁと思った。

そこから考察をしていくと、案外ツバサ・ハネカワという存在は、そこまで強大な危機に瀕している訳でもなければ、阿良々木暦を本気でスカウトになんて来ている訳でもないのではないか、という仮説が浮かび上がった。

阿良々木暦に会いに来た奴って結局誰なの?

これは風説の否定という観点と、『抜け出すことはできても、戻ることは難しい』という本編の台詞から推察すると「ブラック羽川や苛虎に類ずる怪異」である、と考えられる。

まずは風説の否定から、ドッペルゲンガーは存在せず、羽川翼に似た人物は存在しないことになり、他人説は瓦解する。

ならば本人ではないのかという話になるが、これについては作中での阿良々木暦の見立以上に、先程の台詞が重要になってくる。

『抜け出すことはできても、戻ることは難しい』

私はこれが怪異の発生と断定出来る材料と考える。
何故ならば「ブラック羽川」も「苛虎」も、羽川翼本人のみの力で調伏出来ていないからだ。
"猫物語黒"及び"化物語"の「ブラック羽川」や"猫物語白"の「苛虎」の両怪異事件において、結果として解決に導いたのはあくまでも阿良々木暦であり、彼無しでの解決は見込めなかったのだ。
(そもそも化物語は阿良々木暦のせいでは?という話をすると日夜TLで行われる阿良々木暦disになってしまうので割愛する)

つまり、今回も何らかの要因により切り離された羽川翼の感情が怪異化したものが阿良々木家を訪れた、ということになる。

何故ツバサ・ハネカワは阿良々木家に来たのか

世界の平定に疲れ、阿良々木暦のような存在が居ないことを知り諦めた羽川翼が、普通の女の子に戻ろうとした際に、阿良々木暦を諦めるために切り離した"恋心"という説。

これは阿良々木暦の目の前に現れた羽川翼の幼さにも現れており、"阿良々木暦に恋していた頃の羽川翼"として切り離された存在故に、23歳という年齢から逸脱して幼い、という表現と考えることが出来る。

また作品性という面を度外視しても、明らかに過去に関する話が多く、過去にした告白のことすら無かったことにしようとしている所から、阿良々木暦を諦めて先に進みたいという心理があるのではないか、と受け取れる。
直江津での経歴削除も、この一環と考えて良いだろう。

戻るのは難しい、という台詞は仮に阿良々木暦が昔と変わらずに、羽川翼という偶像への崇拝をしていた場合、羽川翼は完全に諦めきれずに恋心が怪異として維持されてしまうからだ。
だから、阿良々木暦の心に残らないように、三つ編みや下着類を回収したと考える。
故にオチ前の阿良々木暦の告白について、羽川翼の反応も芳しくなく、阿良々木暦も後悔した、ということだ。

しかし、オチの最後の部分から察するに、パジャマパーティ中に阿良々木暦の本心を確認し、家を出て消滅したと考えられる。

"今の僕が今の羽川にとってどうでもいい男で、今の僕は最高に幸せだ。"
は、阿良々木暦の中の"羽川翼"は崇拝の対象で無くなり、羽川翼は本当の意味で阿良々木暦を卒業し、ここで歪な共依存は物語の結び、ということであると私は考えた。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

いかがだったでしょうか。

この説、阿良々木が糞って話になっちゃうんだよな~~~って思ってたら、崇拝の件りに関するツイートのRT先で言われてて笑ったよね。
まぁ阿良々木は糞だから良いのではないだろうか。

この一連の話のツイートのモーメントがあるのでそちらも見ていただけると幸いにございます。

https://twitter.com/i/events/1308242387026681856?s=09

本記事は他の考察を否定するものではなく、あくまで一つの仮説です。
過去に別の視点から書いた羽川翼に関する考察記事を3つほど書いているので、宜しければそちらもご覧戴けると嬉しいです。

誤字脱字の報告はTwitter(ムラト@snails892)までお願い致します。迅速に対応致します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?