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(ネタバレ)劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト初見+αの感想

たいして興味無かったはずの劇スを観て、おかしくなっている人の記録。
スタァライト関連のネタバレ全開です。


1.劇場版の初見に至るまで

 2023年9月まで関連コンテンツは完全なる未履修。公式様がTVシリーズ動画を期間限定無料公開なさっていたので、アニメオタクとして特に理由も無く、だらだらと12話まで拝見。正直よくわかんない。けどまあ、いいんじゃないの。あっ劇場版2作品あるのね、配信もしてるじゃん、でもどっちが先だこれ(タイトルで検索)なるほど、題名に『ロンド』とか書いてある方が先、てかネットにあがっている感想文の熱量がおかしくありません? まあ熱狂的な信者さんっているよねー。とりま有識者の助言には従うのが吉でしょ(ロロロ配信視聴)。
 んーーーーー、そう来ましたか、これはもうひとつの『劇場版』も観ないとですわ、しかしネット上の先駆者達が3件に2件のペースで『映画館で観ろ』botなのは何なん。さすがに上映しているとこなんてもうあるんかーーーい! なんで21年公開の映画を現在進行形で上映しとるのか。なんなのWSBライティング上映って? マサラis何? 怖い。怖いものみたさはあるけども上映地点が生息地から遠すぎる。自分は貧相な森のドワーフとして生活しているので、自宅で、安心のネット配信で観させてください。劇場版をサラッと観て私のスタァライトを完結させとこう(劇場版配信視聴)。

2.初見感想

あが………う……えあ…………

<語彙力の消失を確認>

なんだこれは。
身体は無事なのに、精神がおかしなことになっている。
せめて涙の一粒でも出てくれれば「感動した!」とか言えるのに。

白い舞台照明が心臓を突き抜けて未来方向に向かって照らしていく。
何を観たのだ?
今観ていたのは何だったのか?
否、私は観ることができていたのか?
全身から冷たい汗がにじみはじめる。まずい。

映画館で観れば良かったという気持ちは出てこなかった。
むしろ観ていたら『戻ってこれなくなる』という確信を感じて恐怖した。
そんな事をしていたら館内で肉の形を保てなくなっていただろう。
配信で観たことに安堵すると同時に、急加速する思考と感情。

目を閉じるだけで「ガコン」と照明を落とす心地良い音が聞こえてしまう。
そして始まるフラッシュバックに意識を持っていかれそうになる瞬間、
『うろたえるな!』と幻聴が聞こえ、自我を現世に繋ぎ止めてくれた。

3.再演の始まり

 初見後、狂ったように劇場版の配信を繰り返し視聴しました。「あの時の衝撃をもう一度」的な感覚というよりはむしろ、「あの時のバナナをまるごと強い酒で流し込まれながらデコトラで右頬を殴られつつ東京タワーに脳天をつらぬかれた衝撃で身体と精神が完全に分離した結果、日常生活に支障をきたしておりますので、何度か反対側から殴り直して元の位置に近づけたく存じますハイ」という瀕死のお気持ちによる再演開始でした。衝撃を繰り返すことで初見のヤバさをどうにか薄めようとしたのです。結論から申し上げますと「狂人の真似事をすると実際狂人」のコトワザ通りでございました。そりゃ悪手だろアリンコ。元々劇場版の題材は「卒業」であり、永遠の再演に幕をおろす物語でもあるはず。なのに、「停滞からの脱却を賛歌するストーリー」に心動かされているがために「同じ映像を自ら何度も繰り返す」というまぎれもない矛盾。矛盾のスパイラルで精神がうるおいながら干上がっていく。TVシリーズで「ちょいと貴女、その再演続けるのはあかんやつ、やべー奴ですよ」と5億%他人事で観ていた『やべー行動』と、自分自身が全く同じムーブをしているんだ、と気が付いた時はもう手遅れでした。私は「沼に落ちないようにするため」と言い聞かせながら、全身全霊ダッシュで沼に向かってダイブしていたのです。
 時間が経った今だから少し理解しはじめたのですが、もともと自分の胸には「ポジションゼロ」の形をした空洞が空いており、劇場版があまりにもピッタリとそこに嚙み合ってしまったので不可分の存在になってしまったのですか?(疑問形) とにかくスタァライトされた人が、スタァライトされる以前に戻ることはできないのでした。

4.起こった変化

 視聴後1週間くらいは客観的に見て「こいつ、あかんわ」状態だったと思います。うつろな目でふらつきながら、口を開けば「わい(る)ど・すくりーーーん・ばろっく開幕……」「せくしい本Do……」などと初級スタァライト語を口走りながら時折涙目になっていました(劇場版では舞台名称が画面に表示されない中、唯一ハッキリでてくる名称が「セクシー本堂」なの逆にすごくない? しかし奈落口上の時に突然「鳥バード2021」とか表示されても感情が追い付かない)。どういうわけなのか、劇場版2回目の視聴からは普通に泣けたんですよね。同時に『この劇場版、やっぱり映画館で観てみたいな』という気持ちも少しずつですが生まれ始めたのです。しかし怖くもある。まだ映画館で観るのは早い気がする。今観ても耐えられる気がしない。でも………今は、よ! ビョロロロ~ビョロ~ロ~♪【大場映画株式会社】
 
周回視聴することで、細やかな計算のもと丁寧に作られたアレやらコレやらに気付けるし、自分の中で「これはこういう事を表現しているように見えるなあ」という自分なりの理解、解釈も増えてくる。どこからどこまでが想定内なのかは分かりませんが、点と点が結びついていくと自分なりの「劇場版」が出来ていくのは抽象的な映像作品ならではの醍醐味ですね。私は劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライトとは、『劇場版少女☆歌劇レヴュースタァライト』で過不足なく劇中でタイトル回収してるから、サブタイトルが必要無いんだなと勝手に納得しています。
 そうやって再演を続ける中で、当然の帰着ともいうべき思考が芽生え、脳内を満たしていきます。「列車は必ず次の駅へ……では、私は?」

5.noteをはじめる

 少し自我を取り戻して振り返ってみると、私がこの素晴らしい作品と出会うことができたのは、偉大なる制作スタッフ様に加えて、熱心に作品を追いかけるファン(舞台創造科って呼称?)の皆様が今日まで界隈を盛り上げてくれていたからなんだなと思ったのです。感謝感謝、感謝ですよー。繰り返して劇場版を見続けた結果、「その次」として、そういうファンの方々に、なにか返礼みたいなのをしたい、とも思いました。名も知らぬファンの人達の言動をネットで見る限り、『初見感想』というものに強い関心を示しているように見えたので、なけなしの理性を呼び戻し、noteのアカウントを作って、思い出せる限りの初見感想を書いてこちらに公開することにしました。恥ずかしながら、言語化できる感想はほとんど無かったわけですけども。

6.あとがき

 とりあえずイクニ成分はほとんど無いと思う派です。あえて異質を混入させる表現と、心象を拡大した結果が異質に見えるという表現は、形式としては似ているとこもあるけど本質的にまったくの別物に感じます。
 それから劇場版のコンセプトビジュアル(東京タワーが逆さになってるやつ)と予告編の映像がめっちゃ好き。予告編は予告編として満点の映像では? おかげさまで予告編見ただけで泣きはじめる変な人間になりました。
 あと当初の予定で書こうとしていた本編のお話は全然できませんでした。いつか続きを書けたらいいな。

全額を劇場版スタァライト鑑賞代に