ピエクレックスの記者会見に潜入!ムラタ×帝人フロンティアのテクノロジーと、サステナブルファッション社会の実現に向けた取組みをご紹介🎶
こんにちは!村田製作所の広報担当です。
今回は、ムラタの関係会社 「株式会社ピエクレックス」 のテクノロジーをご紹介!
また、ピエクレックス社が2023年10月におこなった記者会見にも潜入してきたので、その様子をあわせてお届けします🎶
ピエクレックスって何の会社?
ピエクレックス社は、「“でんき(電気)のせんい(繊維)” で世界を変える」をビジョンに掲げ、村田製作所と帝人フロンティアの共同出資により2020年に設立した会社です。
ムラタはこれまで、セラミックスのもつ「圧電性」を活かして、表面波フィルタ・アクチュエータ・圧電サウンダ/ブザー・マイクロブロア・圧電フィルムセンサ(Picoleaf™)などのさまざまな電子部品を開発・製造してきました。
圧電性とは、力を加えることで電気が生じたり、電気を流すことで力(振動)が生じたりする特性のことです。
ピエクレックスの原料である「ポリ乳酸」もこの圧電性を持っており、ムラタが培ってきた圧電技術と、帝人フロンティアが有する原料から製品に至るまでの繊維技術を組み合わせることで、電気の繊維「ピエクレックス」が誕生しました。
ピエクレックスの繊維は、人の動きなどによって生じる繊維の伸び縮みにより、微弱な電気を発生(※1)させて抗菌・防臭(※2)機能を発揮します。
※1:ここで生じる電気は、静電気の300分の1程度の電圧で、人体が感知することはないのでご安心ください😊
※2防臭:ここでは抗菌機能により、細菌が汗や皮脂を分解して発する臭いを防ぐことを言います。
このように繊維自体が抗菌・防臭機能を発揮することから、洗濯やクリーニングに薬剤・有機溶剤を使用する必要がありません。
また、原料であるポリ乳酸はトウモロコシやサトウキビなど植物由来のものを使用しており、石油由来のプラスチックにはない生分解性(生物の作用により分解できる性質)を持っています。
この繊維を使って洋服をつくることで、石油由来のポリエステル素材(PET繊維)を使う場合に比べてCO₂(二酸化炭素)の排出量を約20%も削減できることが分かっており(※3)、ピエクレックスは環境に配慮した素材と言えます。
※3:第三者機関、株式会社ウェイストボックスによって確認
そんな繊維を使って、ピエクレックス社はこれまでにマスクやTシャツ、タオルや靴下などを販売してきました!
私たちもこれらの製品を愛用していますが、例えばタオルは、日本のタオル名産地である大阪・泉州のタオルメーカー様とのコラボレーションでつくられたもので、肌触りもよく、素材へのこだわりを感じます。
また、Tシャツも軽い着心地で、洗濯しても形が変わりづらく、繰返し長い期間着用することができています。(個人の感想です!)
実証開始!誰でもSDGsに取り組める、循環インフラ「P-FACTS」とは?
そんなピエクレックス社が、2023年10月より「サステナブルファッション社会の実現」に向けてあらたなプロジェクトを発足しました。
それが、今回潜入した記者会見でお披露目された、循環インフラ「P-FACTS」(ピーファクツ)です✨
まずはP-FACTSについて分かりやすくまとめられた、こちらの動画をご覧いただきたいです!🎥
動画にもあるとおり P-FACTSとは、
「PIECLEX FAbrics Composting Technology Solution」の略で、衣服などの繊維製品を資源として回収し、分解して、堆肥(たいひ)化※し、農業や林業に利活用して植物に戻す循環インフラのことです。
※堆肥化:微生物のチカラで、有機物を分解し、植物が育ちやすい環境にするための肥料をつくること
衣服の製造プロセスで排出されるCO₂量は1着あたり約25.5kgあることや、日本国内だけでも年間50万トン以上の衣服が焼却・埋め立てされていることなどから、ファッション業界が環境へ与える影響は大きいと言われています。
そんなファッション業界の社会課題に対して、環境に配慮した繊維を提供するピエクレックス社だからこそできる環境への貢献や、サステナブルファッション社会の実現に向けた取組みの提案が「P-FACTS」です!
微生物によって分解される生分解性を持ち、生産時のCO₂総排出量の少ないピエクレックスに、コットン/レーヨン/ウールなどの堆肥化可能な素材を組み合わせた衣類をアパレルメーカー様と協業で開発することで、生産~廃棄にいたるまで環境に配慮したアパレル製品を展開していきます。
また、産学官連携により全国各地にP-FACTS関連製品の回収場所を設けることで、消費者の方々が気軽に環境貢献に取り組めるようにしたり、そこでつくられた堆肥を地域の農業・林業に活用したりできます!✨
こうして、ファッションの「地着・地消・地循」の実現を目指しています。
【記者会見に潜入①】
産学官のパートナーとの共創で目指す、真のサステナブルファッション社会
ここからは、P-FACTSがお披露目された記者会見の様子をお届けします!
まずは会場に着くと、入口には、なにやらたくさんの展示物が👀
当プロジェクトにご協力いただく企業様のサステナブルな取組みが紹介されていました!
ピエクレックス社の展示コーナーも発見!
長袖TシャツやタックパンツなどP-FACTSのタグが付いた新製品がありました!
そうこうしているうちに、いよいよ記者会見がはじまりました!
今回の記者会見は2部に分かれており、第1部は真面目に、第2部は楽しく、P-FACTSを知っていただく場となりました😊
まずは第1部の様子からレポート🎤
はじめはピエクレックス社 社長の玉倉さんよりP-FACTSの説明がありました。
将来的には、日本の代表すべきサステナブルファッションの取組みとして、
世界に向けてP-FACTSを発信するという目標を掲げられていて、今後の発展が楽しみになりました!
続いて、今回のプロジェクトにご協力いただく方々より、ピエクレックスとの出会いや、P-FACTSへの参加にかける想いなどをそれぞれがプレゼン🎤
この取組みに寄せられる期待や、心強いたくさんのパートナーがいらっしゃることを実感しました🥺
1部の最後は、トークセッション
「テーマ:真のサステナブルファッション社会の実現」
などのお話がありました✨
パートナーのみなさまからの、真のサステナブルファッション社会の実現に向けた熱くて力強い言葉を聞き、私たちも環境貢献への意識がさらに高まりました!🥺
【記者会見に潜入②】
モデル/アイデザイナーNANAMIさんが、公式アンバサダー武井壮さんをピエクレックス製品でコーディネート
続いて第2部は、モデル/アイデザイナーのNANAMIさんと、ピエクレックス社 公式アンバサダーの武井壮さんによるトークセッション🎤
まずは、これまで2年間公式アンバサダーを務めておられる武井さんが、NANAMIさんにピエクレックスの魅力を紹介!
NANAMIさんはウェブサイトを見て、素材に関するテクノロジーを知ってくださっていたようですが、P-FACTSの取組みにより100%堆肥となって土に還ることを知って、驚き👀
また武井さんは、ピエクレックスの分解によりできた堆肥で育ったトマト🍅を使ってパスタをつくられたそうです🍝
(こちらの動画もぜひご覧ください👇)
果てしない可能性を持っているピエクレックスにワクワク!
私たちもいつか、P-FACTSの循環でできた野菜を食べてみたいです🍅
ピエクレックスについて いろいろとお話しをされたあとは、ピエクレックス製品を使ってNANAMIさんが武井さんのファッションをコーディネート!
既存のピエクレックス製品は、スポーティーなデザインや生地が多く、また武井さんも普段からスポーティーな服装を着られているイメージなので、今回はあえて印象が変わるコーディネートを意識されたとのこと💡
楽しみに待っていると、お着替えされた武井さんが登場…✨
「デニムonデニムですが、インナーがピエクレックスなので軽やかに着こなせる!雑誌にも出られるかも…✨」と、武井さんもお気に入りのご様子でした😊
また、その後のトークセッションでは、身のまわりのサステナブルな取組みをテーマにお話しされました!
武井さん:最近のサステナブルファッションにはおしゃれなものが増えてきており、普及しつつある。これが一時の流行にならずに、ワールドスタンダードになっていってほしい!
NANAMIさん:普段から古着を購入したり、企業による服の回収リサイクルに参加している。このイベントをきっかけにピエクレックスやP-FACTSについて知ることができてよかった!良い製品だと分かったので、周りにも広めていきたい!
と語られていました😊
ピエクレックス担当者に聞く!今後の展望は?
最後に、ピエクレックスの担当者にインタビューさせていただきました!🎤
今回の記者会見に潜入し、P-FACTSは、たくさんの協力者の方が携わる大きなプロジェクトであることを実感しました。
これから、この取組みに共感してくださる行政・学校・企業などがさらに増えて活動の輪が広がっていき、P-FACTSのタグが付いた製品を選択してくださる方が増えていくことで、良い循環が生まれそうです🌎
私たちも消費者の1人として環境問題を自分ごととして捉えて、社会課題の解決に貢献できるよう、日々の暮らしの中でできる行動を起こしていきたいと思います💪
次回のムラタのnoteも楽しみにしていてください!😊