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「感じられる人」だけが、自分でいられる時代ーインサイド・ヘッドは”Inside Out”ー

「感情」って、おもしろいですよね。

何のために存在しているのか、どう感じてあげたらいいのか、そもそも感情って何なのか…。
心理学等を学びつつ、小説を書く仕事の中でも向き合ってきた、感情というテーマ。

今の時代、「感じること」はとにかく後回しにされているような気がします。
「やること」、「考えること」が多すぎて、自分の気持ちに意識を向ける余裕がなかったり。
「感じること」をじっくり待ってもらえることって、少ないですよね。

でも、僕は思うんです。
感じることでしか得られない、深い気づきがあると。
感じきることで繋がれる、「本当の声」があるはずだと。

この記事では、僕が個人的に実践してきた、
「感情と仲良くなる」コツをシェアしていきます:)

0. はじめに

映画「インサイド・ヘッド2」が話題になってますね。
僕はまだ観てないのですが(観ろよ)、前作は飛行機で英語で見ました。
こっそり泣きました。
あの時CAさんがくれたハンカチを、今でも大切に持っています(嘘)。

インサイド・ヘッドの原題は、
「Inside Out」。
基本的には「中にあるものが外に出る」という意味なのですが、わかりにくいからアウト→ヘッドに変更したのかな。

映画自体は「感情」というテーマを豊かに表現した最高の作品だと思うのですが、「ヘッド」は微妙だなぁと。

確かに司令部("head"quarter)があるのはヘッドだけれど、タイトルが「頭の中」は納得いきません。
なぜなら、頭の中の「思考」と「感情」は別物だから。
あまり混ぜないほうがいいと思うのです。

もっと言えば、「感情たち」の司令部が脳内じゃなく、心臓にあったらいいのになぁ。
だって、感情は脳内で味わうのではなく、全身で味わうものだから。

思考を「聞く」ことはできるけど、思考を「感じる」ことはできないから。

……なんだか哲学的になってきました。
僕の口ぐせは、「まず〇〇の定義から話さないと」、です。ウザいですね。

そんなわけで、個人的な定義ではありますが、感情って何やねんというお話から始めさせていただきます。

1. そもそも、感情とは?

いろんな定義があり、正解はないと思うけれど。
僕にとって「感情」は、純粋な身体の感覚です。
暑い、寒い、眠い、お腹すいた、みたいな「体の状態」の一つだと思っています。

たとえば、〜したい、〜したくないは思考であって、感情ではありません。

ただ、思考と感情は常にセットです。
「海に行きたいなぁ」は頭で考えている希望、アイデアですよね。
そうやって思考でイメージを描いているとき、胸の辺りに湧いてくる感覚が感情です。

ワクワクして目が輝いてくるとか、ドキドキして鼓動が早くなるとか。
頭ではなく体の動きが感情だと、僕は捉えています。

「今日、仕事したくないなぁ」は思考で。
体が重く感じたり、胸にどんより雲のかかった感覚etc.が感情ではないかと。

セリフがつくか否かで、思考と感情を区別することもできます。
例えば、「なんでそんなこと言うんだろう」と脳内でセリフが聞こえたら、それは思考です。

その瞬間、眉間に皺がよってイライラしたり、胸がぎゅっと締め付けられる悲しみがあったら、それらが感情です。

どうして、この「区別」が大切なのか

感情を味わいきらない限り、同じような思考で迷い続けて、答えが出ないからです。

時間の経過で感情が落ち着いたとしても、感じきらないと消化(浄化)されないので、ことあるごとに同じ悩みやパターンを繰り返し体験します…!

逆に、感情を味わいきった先には「本心(ほんとうの心)」があるので、そこに繋がれたらモヤモヤは無くなります。

思考は「一意見」でしかなくて、その中から「本音」を見極めるためには、しばらく観察する必要があるんです。

ちょっと複雑になってきたので、ひとまず僕の体験談を引用させていただきます。

2.感情は、自分が大切にしたいものを教えてくれるメッセージ

僕は20歳の時、大学を中退しました。

入学して2週間でワクワクしなくなり(早いな)、休学を続けながら好きな活動や仕事を楽しんでました。
気づいたら3年生になってて(単位は1年生のまま)、「そろそろ進路決めるか〜」という時期に。

海外で生まれ育っていたり、インターみたいな中高に通っていたので、元から社会不適合なところはあって。
就活中の学生を見ても、焦りや不安はなかったんです。

ただ、モヤモヤはしてました。
「どんな人生を生きたいのか、選んでほしい」というメッセージだったんだと思います。

当時は思考と感情の区別がわからなかったので、ずっとグルグル考えてました。
「大企業で働きたいわけじゃないし、学歴なんていらないか〜」と思う日もあれば。
「まぁでも、あるか無いかだったらあったほうがいいかな?」と思ったり。

「単位取り戻しながら、好きなこと続けるのもありか〜」と考える日もあれば。
「別に面白くないし、授業もテストもめんどくさいなぁ」と考えたり。
※休学中は学費が発生しないとはいえ、贅沢なガキですね。

頭で考えても、辞めようと思ったり、残ろうと思ったり。
答えが出ないまま、日々だけが過ぎ去ってました。

そんな時、「アルケミストー夢を旅した少年ー」という本に出会って。
思考じゃなく、心と向き合わなきゃと思い、ユーラシア大陸を横断する旅に出ました。

バックパック中は、「どうすべきか」「どうしたらいいか」みたいに、頭で答えを出そうとせず。
景色を眺めながら、ずっと胸の感覚を味わってました。

モヤモヤした心の重み(感情にも質量があると僕は思います)を、ただただ感じてました。

それでも時おり、思考は浮かんできます。
日本で考えていたのと同じような疑問も湧いてきます。

僕は少し距離をとって、それを観察していました。
肯定も否定もせず、「へぇ」とか「ふーん」とか思いながら、また胸のあたりを感じる。

そんなふうに瞑想的な時間を過ごしてると、たくさんある思考の中で、勝手に「続き」を話し始めるやつが出てきます。

「いろいろ思うことはあるけど、実際に辞めたらどうなるのかな?」
「頑張って入ったのに、後悔しない?」
「お父さんとお母さんは悲しむかな?」

何か言い返すわけでもなく、「そうだね」って、友だちの話に寄り添うような感じで傾聴する。
感情が波のように変化するのを、ただただ感じる。

そうやって胸の奥底まで少しずつ降りていくと、思考(頭の声)も変わり始めるんです。
というより、心臓から声が聞こえ始めます。

「僕のこと、信じてほしい」
「ワクワクしないのに、無理して頑張らなくていいよ」
「いい子にならなくていいから、本音で生きてほしい」

その時はイランの荒れ果てた土地を、ボロボロのバスから眺めてました。
ちょうど夕日が沈むところで、「自分を生きろ」という声が聞こえて。

自分を信じる気持ち、自分で道を切り拓く自信や覚悟とつながるために、モヤモヤがあったんだなと気づきました。
その瞬間、頭も心も静かになって。涙が出ました。

自分のことを大事に思ってるから、心配だから、頭ではいろいろ言ってたけど。
どんな結果になっても、どんな未来になっても。
心の本音に従っていれば、幸せに生きていけると確信して。
帰国後、大学を辞めました。

それ以来、一度も後悔したことはないし。
むしろ何度も「辞めてよかった」と感じられるのは、自分にも親にも、誰にも嘘をつかなかったからだと思います。

3. ここからが、実践のお話

僕がお伝えしたいのは、つまるところ。
「どんな感情も、味わってみてください」
この一言に尽きます。

映画「インサイド・ヘッド」でも描かれているように。
ネガティブな感情ってめんどくさいし、いつもポジティブでいられたらって思うこと、ありますよね。

でも、怒りを感じられなかったら。
大事なものを、大切な人を傷つけられても、立ち向かえない。

もし、悲しみを感じられなかったら。
自分の痛みも、人の痛みもわからなくなって。
寄り添うことも、深くつながり合うこともできなくなってしまう。

恐れの奥には、守りたい何かや誰かがいて。
失ったり、傷つけたくなくて恐くなるのは、そこに愛があるから。

寂しさの奥には、一緒にいたい気持ちがあって。
それぐらい相手を想っていること、存在の尊さを教えてくれる。

どんな感情の奥にも、自分や誰かに対する愛があるんです。
そして、「ネガティブ」とラベルを貼られている感情たちは、そんな愛に気づかせてくれるリマインダーなんです。

「本当はこうであってほしかった」という、純粋な願いが叶わなかった時に浮かんできて。
自分の幸せから逸れている時、思い出してほしい大切なことを、「こっちだよ」って教えてくれる。

だからこそ、不快を感じるんです。
気持ちよかったら、向き合おうとしないから。

もちろん、ポジティブな感情たちもリマインドをしてくれます。

「今、満たしたいものが満たされてるよ!」
「この道で、その選択で合ってるよ!」

喜びも嬉しさもワクワクも、味わえば味わうほど、自分が何に幸せを感じるのか教えてくれる。

どんな感情にも、「メッセージ」として耳を傾けられたら。
自分を心から満たして生きるためのヒントが、必ず得られます。

4.具体的なインストラクション(①~⑤)

たとえば今日、ものすごくイライラすることを言われたとします。

①まず、どんな自分があってもいいと許す

「そんなふうに思っちゃいけない」、「こう考えるべき」みたいに否定した瞬間、ありのままの気持ちと繋がれなくなります…!

「はぁ?てめぇぶっ殺すぞ」とか笑、汚い声があってもいいんです。
相手が誰であろうと、些細なことであろうと、「大人気ない、器が小さい」みたいにジャッジせず、湧いてくる言葉を受け止めてあげてください。

ただ、それをそのまま出すと厄介なことになるので笑、まずは自分の中で感じてみてください。
信頼し合える関係だったり、そこまで激しい声じゃなければ、口に出すのもありです!

怒りは最もパワフルな感情なので、ひとまず内側で感じてから表現した方が、建設的なエネルギーになりやすいかも。

②とにかく発散する

頭の中でグチグチ罵りつつ、怒りを全身で表現してみてください。
拳を握り締めてもいいし、お風呂の中で叫んでもいいし、(怪我しない程度に)何かを破壊してもいい。

家で1人なら、「うるせぇんだよ!!」「死ね!!」とか笑、声に出してもいいです。

「悪い言葉」というブロックを外して、ただエネルギーとして放出できるようになると、それだけで楽になります。

③ひたすら感じる

ある程度発散したら、少しリラックスしましょう。
座って何か飲んでもいいし、寝転がってもいいし、散歩に出てもいい。

しかるべき時間が経つと、怒りが別の感情に変わっていきます。
悲しみ、寂しさ、不安、嫉妬、いじけたりスネたり。

頭に浮かんでくる言葉を傾聴しつつ、胸の感覚をじっくりと味わってあげてください。
僕は電気を消してお風呂に入ったり、真っ暗な部屋で膝を抱えたりします。笑

ここで大切なのが、頭の声に引っ張られ過ぎないこと。
思考で整理しようとすると、根っこにある感情と繋がれないので、対症療法になってしまいます。

不快な気持ちから逃れたくて、さっさと頭で解決したくなると思うんですけど。
どうか、感情が伝えようとしているメッセージを受け取ってあげてください。

無視された痛みは外へ出られないまま、内側に溜まって鬱屈してしまうから。

海の底まで降りていくイメージで、できるだけ心を感じてみてください。
胸に手を当て続けるのもおすすめです。

1人では難しいと感じたら、誰かに電話したり、会って話しましょう。
そのほうがずっと早い時も多々あります。

「アドバイスはいらないから、うんうんって聴いてほしい」とリクエストできたら素敵ですね。

現実的な解決策を求めている時は、意見やアイデアが必要になるけれど。
自分の感情につながりたい時は、「何も言わずに聴いてもらう」ほうがスムーズです。

④じっくり問いかける

感じ続けて、波が静かになってきたら。
「何を大事にしたかった?」「何を大切にしてほしかった?」と感情に聞いてみてください。

たとえば悲しみが、「もっとケアしてほしかった」と呟くかもしれません。

「私なりにベストを尽くしてる。できてることには何も言わないで、できてないことだけ指摘されて悲しかった」

自分の頑張りをフェアに、公平に認めてほしかったと嘆くかもしれません。

でも本当は、自己愛を大事にしたかったと気づくかもしれない。
「私は頑張ってるって、自分で認めてあげられてなかったなぁ」とか。

あるいは嫉妬が。
「私だって、嫌なことは嫌って言いたい」とぼやくかもしれません。

「そういうのやめて」とか、「そういうとこ好きじゃない」とか言われて、ムカついたけど。
本当はちょっと、羨ましかったのかもしれない。

「優しい人になろうとしすぎて、自分に誠実になれてなかったなぁ」とか。
怒りと妬みの正体は、「自分もそうなれるはず」という希望や可能性だったのだと、気づくかもしれません。

……えっと、全部たとえばの話で、「こんなふうに気づいてください」ではありません!

大切なのは、一つひとつの感情の奥にあるを聴くこと。
頭の中で、思考で「解決しよう」とすると、「本当に満たしたかった願い」まではなかなか辿りつけないんです。

だからこそ、「感情とは?」でお話ししたような「思考」と「感情」の区別が大事になってきます。

⑤変化を起こす

自分が大切にしたかった想いにつながると、心は穏やかになります。
波がおさまって、凪が訪れるというか。
僕はその瞬間を、「海の底」と呼んでいます。

これは本当に、体験しないと腑に落ちないので、言葉で説明するのが難しいんですけど…。
感情がフラットになると、「どうしたいか」も自然にわかるんです。

自分の願いを満たすために、どんな行動をとったらいいか。
どんな選択をしたらいいか、その答えが自ずと湧いてきます。

たとえば、④の例で言うと。
「最近がんばりすぎて、余裕がなかったな。仕事のスケジュール見直してみよう」
「もっと自分を労ってあげたい。お休みとって、旅行に行こう!」とか。

そのタイミングで、自分のためにしてあげたいことが見えたら、全力でやってあげてください。

そしてもう一つ、大切なこと。
自分の心につながれて初めて、人に優しくなれると思うんです。

海の底まで辿り着いて、自分が何を大事にしたかったか、わかった時。
「じゃあ、あの人は何を大切にしたかったんだろう?」って、自然に想像できる。

相手に寄り添う声が浮かんでこない時は、もう少し自分の感情を感じてあげてください。
無理に「理解しよう」「共感しよう」とする必要はありません。

感情の奥にある声とつながれたら、相手を自然に受け入れられるから。
「あの人にも、大切にしたいことがあったんだ」ってふと気づけるんです。

自分を理解してあげられた時、人のことも理解できる。
自分の感情とつながって初めて、人の気持ちにも深く寄り添える。

その過程で、相手に対して伝えたいこと、取りたい行動が出てきたら。
ありのままの自分で、繋がろうとしてみてください。

想いはきっと届くし、たとえどんな結果になったとしても。
「自分を表現してくれてありがとう」と、心が満たされるはずだから。

5.感情なめんなよって言いたい

ここまで読み進めた方がいたら、すごいなぁ。我ながらちょっと引きます(嘘です、ありがとうございます)。笑

感情との付き合い方について、お話ししてきたけれど。
そりゃ、めんどくさい時もありますよ。
毎回毎回味わいきるなんてできないし、クリアになるまで時間もかかるし。

ネガティブな感情も大事だってわかるけど、不快なもんは不快なんじゃ!!ってキレられても、「そうですよね」と笑うことしかできません。

でも、この記事のタイトルにしたように。
「感じられる」人だけが、自分でいられる時代がやってくると思うんです。

思考はどうしても、誰かの決めた常識や「べき」に囚われやすいから。
気づかないうちに、人や社会に合わせようとしてしまう。

忙しない日々の中で、次から次へと情報ばかりが入ってきて。
何が自分にとって正しいのか、見失うこともある。

でも、僕がひとつ、確信していることがあって。
人はどれだけ悩んでも、迷っても、本当は答えを知ってるんです。

そこに辿り着くまでの方法は、人それぞれ違うけれど。
僕は、「感じること」がキーになると思います。

感情であれ、反応であれ、声や直感であれ。
「感じること」で、人はベストな答えに辿り着ける。

だからこそ、自分の感覚を信じること。
そこに不快なものがあったとしても、正面から抱きしめて。
その奥にある、「本当はすべてを知ってる自分」に会いにいくこと。

それが、「インサイド・ヘッド」で表現されている世界のひとつなんじゃないかと思います。

そして、原題の「Inside Out」には、裏表という意味もあります。
感情や思考といった内側の世界と、外側の世界で起きることがいかに表裏一体であるか。

人は内側にある「フィルター」を通して、現実を捉えます。
そのフィルターに向き合わない限り、目の前のことをどれだけ解決しても、現実は変わりません。

というか、本当は変わっていたとしても気づけないんです。
思考や感情、思い込みといったレンズをクリアにしないと、エフェクトがかかったまま、いつまでも同じ世界を体験する。

自分が変われば、世界も変わる。
むしろ変わらない限り、現実は変化しない。

そして、「本当の願い」を満たさなければ、人は根本から変われない。
その声と繋がるために、感情がある。
だからみんなで、Inside Outを観よう!

そういうことなんじゃないかと思うんです(ほんとかよ)。

何かや誰かを変えようとする前に、まずは己の心を感じろと。
世界を変える前に、まずお前が変われと。

深いなぁ。
「露天風呂だ!」って入ったら立湯だった時くらい深い(浅いなぁ)。

……笑。

何はともあれ、感情の力ってすごいんです

人や社会を本質的に、大きく変え得るエネルギーだからこそ、扱いが難しい。
そのぶん、ちゃんと転換(変換)できた時、現実を永遠に塗り替えるほど深い変化を起こせます。

とはいえ、クリアになるまで待つのがしんどいとか、時間がかかって嫌とか、遅いとか笑、色々言われがち。

でも感情に関しては、結果というよりそれを味わうプロセスに、気づきが溢れているんです。

スッキリして、何かが決まることを感情の目的にしてしまったら。
それまでの過程は、「まだかよ」みたいに消極的で、無駄な時間に思えてしまう。

大切なのは、受け身で待つことと、能動的に待つことの違い。
「早く消えないかな」と思いながら見て見ぬふりをする=待つ、ではないんじゃないかと。

自ら感じにいって、波を体験する中で受けとれる、気づきやメッセージを抱きしめながら。
辿り着くべき場所、本音や本心といった答えまで流されるのを待つ、が本質だと思います。

そのプロセスを丁寧に味わえたら。
いろんな自分で、さまざまな観点から吟味して、最高の結論を導き出せます。

一つひとつの過程を大切にできたら必ず、ベストな結果や決断に自然と導かれます。
永遠に続く雨がないように、どれほど暗い感情でも、いつか絶対に晴れます。

波は変わると信じて、「今度はどんな自分に出会えるかな」と、希望を見出しながら。

むしろ感情のカオスを楽しめたら、
あなたの勝ちです。

6. おわりに

感情というテーマについて、たくさんシェアしてきたけれど。

自ら感じにいくことは大切なんですが、放っておいたほうがいい感情や、時の流れに委ねたほうがいい波もあります。

「感じなきゃ」と力まず、気が向いた時に感じてみる、くらいの緩さがおすすめです。

そして、どんな感情にもいつだって、気づきたいメッセージがあることは確かなんですけど。

その意味を頭で考えたり、「なぜこんな気持ちになったのか」分析しようとすると、苦しくなります。

原因を思考で探っても、答えは出ません。
それらは、感じた「後で」勝手にわかるものだから。

正直、理由なんてどうでもいいんです。
だって、もうその気持ちになっちゃってるんだもの。笑

あとは、「いつ感じるか」だけ。
感じたい時に、感じたいように感じれば。
その時々で必要な気づきが、ベストなタイミングで得られます。

あんまり難しく考えず、手放して、流れに身を任せられたら。
結局すべてがうまくいきます。ケセラセラ。

・ ・ ・ ・ ・

ここまで書いてきたことを僕自身、いつでも実践できているわけじゃありません。
「うわー、今このモヤモヤは勘弁してくれや」とか。
「さっさとクリアにならんかな」みたいな時もあります。

でも、そうやって焦るたびに。
「そもそも、早いこと=良いことなんだっけ?」と思うんです。
「早いほうがいいって、誰が決めたん?」と。

スピード感が大切な時も、もちろんあるけれど。
一人ひとりペースは違うし、何事にもベストなタイミングがある。

早いか遅いかの二元論で、ジャッジしがちだけれど。
「自分のペースで歩めてるか」を物差しにすることが、自分らしい幸せに繋がるんだと思います。

焦りの奥には、不安があって。不安の奥には、守りたいものがある。
恐れを駆り立てていた「何か」に気づけた時、人は自分のペースをきっと、取り戻せるはず。

ーとにもかくにも、最後にー

今回お話ししたのは、僕の個人的な体験でしかありません。
感情と仲良くなる方法は、人それぞれで。
「感じること」に、正解はないです。

でも、だからこそ面白い。
一人ひとり違うからこそ、シェアし合うことで、自分自身の感覚を探っていける。

そして、何より。
1人で感じたり、自分と向き合うのって、時に孤独だから。
立ち止まることって勇気がいるし、安心感が必要だから。

そのままの自分をさらけ出せる、あたたかい繋がりが大事で。
ありのままの感情を表現し合える、コミュニティが大切だと思うんです。

感情は結果というより、感じるプロセスが尊いとお伝えしました。
そのプロセスは気づきを得るためだけじゃなく、分かち合うためにもあるんです。

悩みや迷いを共有することで生まれる、優しい絆があって。
完璧じゃないから、愛おしい。
不安定だから、人間らしい。

もう、1人で抱え込まなくていいんです。
みんなで感じて、みんなで気づいて。
大切なことを、一緒に思い出せたら。
この世界は、心を取り戻していけると思うんです。

Human College.の、コミュニティマネージャーとして。
そんな想いで、もっともっと寄り添っていきたいなぁ。

最後まで読んでくださって、ありがとうございました。

・ ・ ・ ・ ・

p.s.
「感情」について、物語の力で表現した作品もあります↓
もし気になる方がいらっしゃれば、気軽にご連絡ください:)


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