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"グレープフルーツ" 1/2

 僕たちは一つの部屋に押し込められていて、近くにいる仲間同士で話をしていた。そこにいたのは小学校の同級生であったり、中学のときの友人であったりする。なぜか女の子の姿は見えず、男の子たちだけがその部屋に集められていた。

 どういった理由だったかは説明があったにもかかわらず覚えていないけれど、その集団の中にいた一人の少年が死んだ。

 それから、彼はグレープフルーツになった。大きな、豚一匹ぶんくらいのサイズをしたピンクの果実になったのだ。

 それを僕たちは食べ始める。彼を悼むように、口に運ぶことが弔いの儀式の一部であるかのように、黙々と。

 「種が多くて食べづらいよ」と僕が言ったら、まわりにいた何人かの少年がこちらに顔を向けた。不適切な発言であったことを恥じながらも、僕は手のひらの上にどんどん溜まっていく種をどうすればいいのか分からずに困惑した。

 みんなはどうしているのか知りたかったけれど、それについて尋ねるのも良くないことであるような気がした。

・ ・ ・ ・ ・

 この種たちは、彼の骨に相当する部分だったのだろうか?

 僕は彼と特別親しかったわけではない。小学生の頃に少し遊んだ記憶はあるけれど、学校で二人きりになって話すとかそれほどの関係性ではなかった。

 それでも一度だけ、彼の家へ遊びに行ったことがある。子ども同士で約束したのではなくて、親の都合か何かで彼の家に招かれたのだ。今思い返すと、あれはちょっとしたパーティーみたいなものだったのかもしれない。


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