浪費も溜め過ぎもダメ。いい感じで使い続けるのが理想。
吉田(以下、よ) 今日は「快適な家」の話だよね。
村田(以下、む) 「家」の話の前に、まず「体」の話から。
よ) 快適さを「感じる側」の話ってことね。
む) 暑い寒いについていうと、人間自身が熱を持ってるから体温とか代謝が違うと暑さや寒さの感じ方も違うよね。
よ) ウチもおれが暑がりだから、よくエアコンの設定温度で揉めるよ。
む) 生きてる限り体内ではずっと熱を作り続けてて、その熱をいろいろな方法で出すことで、体内の温度を37℃くらいに保ってるんだよ。
よ) それと暑さ寒さの感じ方の関係は?
む) 37℃に保つためには、ちょうどいい感じで熱を発散させる必要があって、熱を出し過ぎると寒く感じて、反対に熱をうまく発散できないと暑く感じるんだ。
よ) 熱を出すって、汗とか?
む) 汗の他にも排泄でも熱を捨てるし、血液の循環でも放熱されるよ。寒い時に手足が冷えるのは心臓とか大切な臓器を守るために脳が命令して手足に送る血液の量を減らすからだよ。
よ) 末端を犠牲にして本体を守るなんて脳はなかなかシビアだな。じゃあ、放熱する面積が小さい方が寒さに強いってこと?
む) それは体積と表面積の比率の関係が大きく影響するんだよ。体積が大きくなるほど、表面積の比率が小さくなって習ったよね。
よ) 中学校くらいでやった記憶がうっすら。。
む) 象は体の大きさの割に表面積の比率が小さいから、大きな耳とか皴々の皮膚とかで表面積を稼いでる。一方、ネズミは体積に対する表面積の比率が大きくて熱の発散量が多いから、いつも何かを食べてエネルギーを作ってるんだよ。
よ) 熱の発散って生き物にとって死活問題なんだなぁ。
む) ちなみに犬は主な汗腺が足の裏側などにしかなくて汗で体温を下げれないから、舌の唾液を蒸発させて体温を下げるよね。
よ) なるほど。「冬は暖を採って、夏は涼を採る」ってイメージがあったから、どっちも「もらう量」で決まると思ってたけど、実際は「出す量」なのか。
む) この絵みたいに自分自身の体の中から出てくる熱をちょうどよく出せる環境をつくることがポイントだよ。
む) そういう環境にするために建物の性能とか、暖房や冷房が必要になるんだけどね。
よ) なるほど。あ、でもそれなら家じゃなくて服で対策すればいいことじゃない?
む) 確かにそれも大きい。じゃあ、今度はこの続きから。
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