マネーフォワードを使った個人の確定申告(最終的な申告書送信段階だけで必要な手順)

要約するとこんな大変なので下記の準備を予めしておこうね!という内容です。(法人ではなく、個人の方の確定申告のお話です)

確定申告が簡単にできちゃう時代になった

遂にアプリから確定申告ができる時代がやってきました。10年以上前にフリーランスをやっていた時はそもそも申告書を作るのが大変。有志で作られたフリーのエクセルをダウンロードして申告書を作っていました。

その後、ちょうどぼくがマネーフォワードに入社する直前の2013年の終わりにマネーフォワード for Business(現マネーフォワード クラウド会計。以下MF)がリリースされ、確定申告書もブラウザで便利に作れる時代に。そこから自身もMFを使って個人の確定申告を5回くらいやってます。細かい使い勝手には言いたいことがいろいろあるものの、便利に使っています。

そして今年2020年分(2021年に申告するやつ)の確定申告では、アプリから直接申告できるようになっていました。印刷もしなくていいし、税務署にも行かなくていい。これは便利だ!と。

どういうことが起きたかの詳細は一番最後に全部書いてますが、MF確定申告アプリ使って申請する場合の大まかな流れとしては
・国税庁のサイトで利用者識別番号を取得
・マイナンバーカードを取得
・利用者識別番号とマイナンバーカードを紐付け
・MFで確定申告書を作成
・アプリ内でマイナンバーカードを使って認証して申請
という感じ。

まぁそんなに難しくなさそう。

、と思う人も多いだろうけど、実はものすごく大変。必要なものを列挙するので最初にご用意を。

確定申告書の送信に必要なもの一覧

・国税庁への登録 - 利用者識別番号
 - 暗証番号
・マイナンバー
 - マイナンバーの署名用電子証明の暗証番号
 - 利用者証明用電子証明の暗証番号
 - マイナンバーカードの券面事項入力補助用のパスワード
・スマホ
 - ICカードを読み取り可能なスマホ
 - マイナポータルAP(アプリ)ダウンロード
・ICカード読み取りスマホがない場合はPC(今回はMacの場合)
 - ICカードリーダー(マイナンバーカードの読み取りに必要なため)
 - Safari
 - Safariへの拡張機能のダウンロード
 - 拡張機能用の証明書のインストール(Keychain Accessにインポート)

まず上記を準備すれば間違いはないだろう。

確定申告書をMFで作成後、あとは申告書を国税庁にアップロードするだけ。それだけなのだが起こった出来事を詳細に記述しました。

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アップロードの手順

まずMFアプリ使って電子申告しようとすると、マイナンバーで認証が必要。・マイナンバーの署名用電子証明の暗証番号を入力してください(6〜16桁。4回間違うとロックされます)・利用者証明用電子証明の暗証番号を入力してください(4桁。3回間違うとロックされます)・国税電子申告の利用者識別番号が必要です →利用者識別番号を登録した・利用者識別番号を認識できません →e-taxサイト内でマイナンバーと紐付けが必要・e-taxサイト「Chromeは動作対象外です」・e-taxサイト「Safariの拡張機能が入っていません。こちらからインストールをお願いします」 →キーチェーンを起動して証明書をインストールした・e-taxサイト「Safariの拡張機能が入っていません。」 →Safariの拡張機能を有効にしないといけない・e-taxサイトにログインできた「マイナンバーカードをお持ちの場合」 → Macなのでマイナンバーカードは読み取れない・マイナンバーカード認証画面「電子署名をご利用になる方はこちら」 →電子証明書ファイルを選択しください(何それ?)・スマホならマイナンバー読み取れるのでは?スマホでアクセス・マイナポータルアプリをインストールしてください →インストール・再度チャレンジ →利用者識別番号6〜16桁を入力して、暗証番号8〜50桁を入力してください・ログイン成功。マイナポータルで開きますか?・マイナンバーカードの券面事項入力補助用のパスワードを入力してください・カード読み取り開始 →Safariに戻ってください・戻る。画面が変わらない →「マイナンバー読み取り後も本画面が表示される場合は本画面を閉じてください」・閉じで別のタブへ。「氏名を入力してください」マイナンバーから情報を取得しますか? →「マイナポータルで開きますか?」(。。。。)・マイナポータルアプリ起動 →Safariへリダイレクト →「マイナポータルで開きますか?」・マイナンバーカードの券面事項入力補助用のパスワードを入力してください(2度目)・マイナンバー読み取り開始(2度目)・Safariに戻ってください(2度目)・「マイナンバー読み取り後も本画面が表示される場合は本画面を閉じてください」(2度目)・券面の情報の転記が完了しました・その他の情報を入力・「利用者情報を登録しました」

ここまできてやっとMFに戻り
・利用者識別番号(16桁)を入力
・署名用パスワードを入力
・利用者証明用パスワードを入力
・マイナンバーカード読み取り開始
・「申告書の送信が完了しました」

最後に

やってみて思ったけど、これなら印刷して持っていった方が早いかもしれないし、来年からは便利と思うかもしれないけど、これだけパスワードや暗証番号や利用者番号や手順や拡張機能のインストールとかしないといけないならもう覚えてられないから来年も同じくらい時間がかかるかもしれない。

自分自身、社会人になって最初に配属されたプロジェクトがまさにこの国税庁のe-tax電子申告プロジェクトだったので想いはあるし、MF使ってアプリから確定申告できる時代がきたのかーと感慨深くあるし、MF側の問題ではなく、国のシステム側の問題。国(というかこの仕組み考えたベンターは)こんなもの作っちゃダメだろ。というのが感想です。

便利になるはずが手順を増やしてしまって、こんな目にあって今日はかなり怒りが込み上げています。これ作った奴らはシステム作れるだけの素人じゃないだろうか。実際電子申告プロジェクトにいた先輩方もSEだけど業務のプロでもないし、ユーザーの使い勝手なんて考えたことないような人たちだったな。こういうところから日本のIT化がどんどん遅れていくんだろうなということを伝えたくて、改善したくてこのnoteを書きました。

マネーフォワードで確定申告書を作るところまでは便利に簡単になったので、一番最後のアップロード部分が全てをぶち壊しにしてしまったのがとても残念です。

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