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きっと(kit)さんによる超特殊映画レビュー&イラストファンブック「ALTERNATIVE POSTERS」vol.1レビュー「我々の平穏な日常をブチ壊し…園児送迎バスをジャックする令和のハサミジャガー爆誕ッ!」

きっと(kit)さんというアーティストの存在を認識したのは…
VIDEO VIOLENCE REALEASINGという…
インディーズ系ウルトラゴアホラー映画のBD-Rばかりを
好き者にリリースする世界一小規模で世界一尖った
ヒロシニコフ代表が主宰されるレーベルからリリースされた…
映画「ノクタ」の
佐々木勝巳監督によるアニメオタクっぽいジャケットデザインと
きっと(kit)さんによる非常に独特な「新装版」のジャケットデザインを
比較させていただいた折が最初で…
当時僕はふたつのジャケットデザインを前に…
次の様な驚きのレビューを書かせていただいている…

(引用開始)
VIDEO VIOLENCE RELEASING(VVR)というヒロシニコフさん個人が主催する
海外のウルトラゴアホラー映画をリリースするレーベルで
僕が最初に購入した円盤が映画「ノクタ」であり
ジャケットデザインを映画監督の佐々木勝巳さんが手掛けられている。

アニメオタクっぽいジャケットに「ノクタ」はアニメなのかと思ったが
「中身」は実写で,しかしながらノクタに「萌えた」事は確かで
佐々木監督は本作の「萌え」を忠実にジャケット化したのだと分かる。

その「ノクタ」がVVRさんから「新装版」として出ると言う。
「新装版」と言うのは書籍で言えばカバーを描き直して出版する事。

「中身」は変わったり変わらなかったり…。
だが「そんなこと」はどうでもいいのだ。

重要なのは!
装丁が変わったらソレは別物であり,
別途購入する絶対の必要がオタクにはあるという事実である。

「ノクタ」新装版のジャケットデザインを担当されたのは
イラストレーターのきっと<kit>さん。
それにしても…。

バン!

「作風」がぜんっぜん違うのである。
両者共に「ノクタ」を描いているのに
アニメの「ダーティペア」と
原作小説の安彦良和さんによる挿絵くらい違う。
一体…アーティストの目には「世界」はどう映っているのか…。

因みに「旧装版(佐々木勝巳デザイン)」と「新装版(きっと<kit>デザイン)」の両円盤の「中身」は同じである。

しかしながらジャケットが変わると
新鮮な気持ちで「ノクタ」を見詰め直したくなるから不思議だ。
(引用終了)

僕は…重度のアニメオタクでもあるので…
きっと(kit)さんの非オタク的なジャケットデザインに驚きを感じ…
しかしながらそのイラストに惹かれるものがあり…
密かに注目させていただいていたのだが…
この度きっと(kit)さんによる映画レビュー&イラストファンブックが
出ると知り…こうして購入させていただいた次第だ…。

その…前書からして…氏の強烈な思想が炸裂されている…。

(引用開始)
ウソに塗れたファンキーなアートワークは観客を幻惑し…
スクリーンへと誘う…

広告と実物の落差に…
ある観客は意気消沈し…またある観客は激昂しながらも…
ヒトはダメ広告に誘われて…ダメ映画に金を落として来た…。

本書は…そうしたグラインドハウスに敬意を表した(ダメ)映画紹介本であり…
令和のグラインドハウス絵師の誕生を…
声高に表明するマニュフェストでもある…。

オレにオルタナティブポスターを描かせろォォォッ!

26の(ロクでもない)映画と…ソレに呼応したイラストと紹介文…
グラインドハウス特有のハッタリ精神で描かれた本書が…
正しく映画を評価しているか否か…
本書に対する…皆様の信を問う次第である…
(引用終了)

「オルタナティブ」とは
「型にハマらない」「既存の概念を打ち壊す」という意味である。

こうして…前書で散々煽っておいて…
きっと(kit)さんが紹介される最初のロクデナシ映画…
「オルタナティブポスターズ」第1号…

即ち我々の平穏な日常をブチ壊し…
阿鼻叫喚の渦に巻き込まんとする尖兵…
「デビルマン」で言ったらアモン…
「仮面ライダーV3」で言ったらハサミジャガーが…

ルチオ・フルチの「怒霊界エニグマ」なのだ…。

ドッ…怒霊界エニグマァァァァァ?
映画は…数多の星々の煌めきの如く…
無数に存在すると言うのに…
何故エニグマなんだッ!
ドクトルG(ゲー)ッ!

この…無限に広がる大宇宙で…
「エニグマ」のレビューを書く物好きは…
この僕くらいだろうと高を括り…大いに自惚れてもいたのだが…

なんの世間は広い…

昨日(2024年9月28日)映画秘宝誌より上梓された
「ルチオ・フルチとイタリア血みどろ映画地獄の門」に於いて
本邦最初のルチオ・フルチ評論本に於いてッ!
川松尚良さんによる「エニグマ」のレビューに
驚いていたばかりだと言うのに…

その驚きも冷めやらぬ本日!
きっと(kit)さんによる「エニグマ」のレビューとイラストを…
拝読&拝見する羽目になろうとは…。

今や僕の家は…えん魔くんもビックリの…
ロクデナシ映画評論本の吹き溜まりと化したッ!

ホントにね…この世には「因果」ってモンがあって…
僕は…ロクデナシ映画に注目した心算でいたが…
実は…ロクデナシ映画に魅入られていたと言う次第である…。

本書には…「エニグマ」「ヒルズ・ラン・レッド」「ウィッチスターズ」「キルマゲドン」「シニストリ」「フラワーズ」「エクストロ」
「サンフランシスコ連続殺人鬼」…と…
「きっと(kit)さん…アナタは僕か?」
と絶叫したくなる様な
垂涎の映画のレビューが門前市を成し…
如何わしいイラストが花を添えているのである…。

特に「ウィッチスターズ」のフェデリコ・スファシア監督に対する
Googleフォームを介したQ&Aは圧巻であり…
大変な力作となっているのである…。

「vol2」での更なる地獄の顕現を期待し…拙レビューを閉じたいと思う…。

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