パルカル・ロジェ監督の映画「マーターズ」レビュー「「悟り」の大量生産!徹底的な合理的発想に震える。」
前半
幼少期虐待を受け逃亡,孤児院に保護されたリュシーは15年後,自分を虐待した男女を家族諸共皆殺しにするも満身創痍の異形に襲われる。その姿は15年前の逃亡の際,彼女が見捨てた少女に酷似している…。前半はリシューは抱える罪悪感の話なのだ。
後半
修行僧が長い難行苦行の末,到達出来るか出来ないかの「悟りの境地」を人為的に量産する為に各地から拉致監禁した人間にあらゆる責苦を加え強制的に「悟り」を啓かせマドモアゼルと名乗る金持ちのカルト集団の頭目が拷問で死にそうな被験者から「悟りの境地ってどんな?」って聴く話。修行の「過程」を飛ばして「結果」だけ求めるディアボロも驚きの発想。被験者のひとりが拷問の末,到達した「光」の正体は…?「悟り」の大量生産とか東洋人には絶対に出て来ない発想。徹底的な合理的発想?に震える。
つまり本作は「前半」と「後半」が全く別の話で完全に独立してるのだ。
1粒で2度美味しいアーモンドグリコの様なオムニバス作品と解釈するか,
ぜーんぜん辻褄の取れてない支離滅裂な作品と解釈するかは観た人に任せます。
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