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サム・ライミの映画「スペル」レビュー「お帰りサム!君を信じてた!」

「スパイダーマン」シリーズのサム・ライミ監督が仕掛ける映画史上最恐のショック・エンターテインメント」
…な~んて煽り文句に騙されて「スパイダーマン」のサム・ライミなら間違いあるまいと信じて観た人の魂を地獄に引き摺り込む大大大大大悪趣味映画。
そもそも!『「スパイダーマン」のサム・ライミ』って認識が根本から間違ってるのである。
僕等のサムは『「死霊のはらわた」のサム・ライミ』なんだッ!
お帰りサム!君を信じてた!

融資を渋った銀行員の娘がジプシーの老婆に逆恨みされ呪いをかけられる。3日3晩ありとあらゆる嫌がらせを受けた挙句4日目の朝に魂を地獄に引き摺り込まれるのを阻止すべく娘の闘いが始まる。

「呪い」は彼女の衣服のボタンにかけられていてボタンを渡す事によって「呪いの譲渡」が可能と言う設定。
ファミレスで自分の代わりに地獄に堕ちて貰う人間を値踏みする主人公ちゃん。
でもさ。この主人公ちゃん「根はいい人間」で,そうそう他人を地獄行きに出来ない。
例え職場の憎い憎い憎いライバルでもね。

相談相手の霊媒師に「死人」にも呪いの譲渡が可能と聴き,
主人公ちゃんは迷いなく呪いの譲渡相手を決める。
自分に呪いをかけてサッサと死んじまったジプシーのババアの墓を暴いて
ボタンをババアの口に突っ込んで未来永劫地獄の業火に焼かれて貰う!

主人公ちゃんの彼氏役が映画「ギャラクシークエスト」でスタートレック的なTV番組「ギャラクシークエスト」の重度のオタク役を演じたジャスティン・ロング。映画「ダイ・ハード4.0」のオタクハッカー役の方が有名かな。兎に角彼は「ギャラクシークエスト」でオタク役御用達俳優となったのですよ。本作においても希少コイン収集オタク役を好演してます。

彼氏の趣味を知った時点で思わず「アッ!」と叫んで「謎が全て解ける」急所はあるのですが清々しい気持ちで4日目の朝を迎えられる心の準備は万端okって次第。

主人公ちゃんには飼猫がいるのですが相談役の霊媒師が「呪いは身代わりを立てれば回避出来る」なんて言うもんだから愛猫家が卒倒する描写があってコレはディレクターズカット版のみの収録となってます。

サム・ライミに
「スパイダーマン」から入った人と
「死霊のはらわた」から入った人とでは
感想がハッキリ二分します。
前者は「悪趣味!」と絶叫してゲロ吐いて
後者は「悪趣味!」と絶叫して欣喜雀躍するって寸法ですね。


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