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島本和彦先生の「燃えよペン」レビュー「竹書房版「燃えよペン」が決して手放せないふたつの理由」。

島本和彦先生の「燃えよペン」は元々は竹書房から上梓されていて
後に小学館から「吠えろペン」,「アオイホノオ」を生む原動力となっていて
「燃えよペン」自身も小学館から上梓されている。

つまり「燃えよペン」は竹書房版と小学館版が出ている訳なのだが,
両者には2つ大きな違いがある。

1.小学館版には竹書房版にはない句読点が打たれている。
小学館だから小学生の国語教育に配慮してるのか知らんが1991年に竹書房版が世に出て評価されているのに2002年になってから句読点を付与するのもおかしな話で

竹書房版「うかつ賢二には」「負けられん!!」
小学館版「うかつ賢二には、」「負けられん!!」
竹書房版「みなさんこんにちわ」
小学館版「みなさんこんにちわ。」

これさあ…句読点付与する意味あんの?
実は句読点には「こう打たねばならない」という国文法は存在しない。
僕は高校受験の際,国語教師から
「文章を音読してみて,息継ぎする箇所で読点を打て」
と指導されたが,それは試験でいい点を取る為の
「ローカルルール」であって「文法として」習った事は一度もない。

小学館版の「修正」は小学館編集が給料貰う為に
「何が何でも句読点を付与してる」
のである。
小学生がこうした大人から学ぶ事は
「へえ…大人って仕事してるフリしてれば給料貰えるんだ」
「大人の世界ってチョロい」
って実感だけだろう。

2.竹書房版の特別編「実在人物躍動編」が小学館版では欠番になっている。

特別編「実在人物躍動編」は島本和彦先生が脚本を書かれ,
ディレクターも務められたカラー写真コミックで
炎尾燃先生を島本和彦先生御本人が演じられ,
梅書房の川中島編集役を竹書房の川嶋晃編集御本人が演じられ,
炎尾のライバル漫画家・うかつ賢二を
漫画家の中津賢也先生御本人が演じられ,
アシスタント役の多くが
島本先生の実際のアシスタントの方々が演じられている前代未聞の内容で
漫画を読むとコマ割り・ネームまでキチッと切られていると分かる。

これはなあ。実在の人物の多くが本人役で登場していて
今は堅気の方もおられるので
肖像権がうるさい昨今小学館は責められんが「欠番回」があると
どうしても小学館版を採点する際の点が辛くなるのである。

「句読点の事」も勿論だが
こういう遊び心に溢れた特別編は収録されているから
竹書房「燃えよペン」は決して手放すことは出来んのである。


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