「オトナプリキュア」最終話「キボウノチカラ」レビュー「ドリームが信じドリームを信じたベルが待望する「キボウノミライ」など夢(ドリーム)であって絶対に来ない事が示唆されて物語は閉じる。」
10人のプリキュアが大怪獣と化した「シャドウ」と健闘するものの
「シャドウ」は
「どうせ何やったって無駄」
「俺ひとり空き缶を路上に捨ててもどうって事ない」
「自分だけ今ハッピーに暮らせれば「後の事」なんてどうでもいい」
って人々の心根が力の根源となっている為,
幾ら攻撃しても途端に再生し,寧ろ力は増大するばかり。
満と薫は戦闘の模様を動画配信し,人々に応援を呼びかけ,躊躇い勝ちに
「がんばれえ…」「負けないで…」
とか細い声でプリキュアを応援する。
そこにブンビーが現れ
「プリキュアだけ「頑張って」どうするんです?」
「「頑張る」のは皆さんでしょう?」
と演説をぶつ。
「「頑張れ」って一体何をどう「頑張れ」ば…」
「どうせ私達に「出来る事」なんて多寡が知れている…」
増々「シャドウ」の力が増大して行く。
ここでドリームの一世一代の大演説が炸裂する!
「出来る!」
「未来は変えられる!」
「ひとりひとりの力は小さくとも!」
「皆の力を合わせれば!」
「小さな蝶の羽ばたきが風を起こし大きなうねりになって行く様に!」
プリキュア5は「蝶の力」で変身能力を獲得した「蝶の化身」なのだ。
ドリームの演説に心を動かされた人々の力が結集して
「途方もなくデカい蝶」
となってシャドウを浄化する。
人間に「未来」など無いと思っていたベルだが
「勘違いしないでよね。人間は信じないがオマエ達プリキュアのコトは
ホンの少しだけ信じてあげてもいいかなって思っただけなんだからね!」
とホンの少しだけデレて「黒い天使」が「天使」に戻り,
「ドリーム…オマエが「絶対にある」と主張する「人間の未来」を信じ」
「ワタシはオマエが来るのを「未来」で待つことにしよう」
「ワタシは…オマエが来るのを「未来」で待っている…」
「ずっとずっとオマエを待っている…」
と言い残して次元の狭間に消えて行くのだった。
なれどドリームの大演説に一時的に盛り上がった環境美化運動は
たちまち熱狂が醒め,人々は又詰まらなそうに生きる日常が戻って来る。
最後に酔っぱらった若者達が路上にビールの空き缶を捨てて
空き缶から「シャドウ」が出現し,
ドリームが信じ,「未来」を信じるドリームを信じた天使ベルの祈りも虚しく
「そんな「未来」など絶対に来ない」事が示唆されてこの物語は閉じる。