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サークル・シーズーなでなで(tanさん)の「響け!ユーフォニアム」中川夏紀ファンブック「めんどうなのもいい」レビュー「中川夏紀…思索の結果…『侘び寂び』の極致に到達する…」
「人間」って…
「他者との関係性」抜きで描写可能なんだろうか…
本書の主人公・中川夏紀に関して言えば…
吉川優子のケンカ友達
吉川優子の補佐
鎧塚みぞれの友達
傘木希美の友達
黄前久美子の先輩
久石奏の先輩
これらの「属性」は全て「他者との関係」であり…
「他者との関係」が無ければ…
「中川夏紀」とは即ち「虚無」なのだろうか…
中川の…他者との繋がりを「めんどくさ」と思う性分を頼りに…
本書では「他者との関係」を断った彼女とは…
一体「何」なのかを追究して行く…
哲学的思考が堪能出来るのだ…。
高校生の頃は…特に吹奏楽部という…
大人数の部活動を行っていると…
「人付き合い」
が向こうからやって来て「めんどくさい」…
特にバレンタイン/ホワイトデーともなれば…
チョコやクッキーをやったの貰ったのと…
「好意」の遣り取りが殊更に「めんどくさい」のだ…。
だが…高校を卒業すると…途端に人間関係が…
「静かになる」…
思索をするのに最も必要なのは「静寂」であり…
中川は…独り思索に耽る…
卒業して一年も経つと言うのに…
突然降って湧いた寂しさを埋める様に…
時間差で柄にもないコトをしてしまうのが…
なんともワタシらしいと思う…
中川はいま…「侘び寂び」の極致を堪能し…
彼女なりの…「和歌」を詠んで…
「自我=ワタシらしさ」の本質に到達する…
中川は吉川にチョコを渡し…
「めんどくさいのも悪くない」
との…思索の結論に至って話は閉じる…。
本当にしみじみと趣深い一遍…。