ie研究室(ieさん)のファンタジーRPG同人誌「勇者と姫とお母様!?」レビュー「姫ちゃんの…何かと言うと鳥の様な奇声を発する『細かい』性格が末永く続くコトを期待します…」
魔王を討伐した者には望むままの恩賞と王族への参入を許すとの
おふれに呼応して…勇者が魔王を撃ち滅ぼし…
王宮への報告の帰途に就いていた折…
魔族の残党に王妃と姫が襲われているのを救助し…
姫ちゃん的には「王族への参入」…つまり自分と結ばれるとのおふれに…
複雑な思いがあったのだけれども…勇者の強さを目の当たりにして…
このヒトなら…嫁いでもいいと思い始めていた…。
ところで姫ちゃんは箱入り過ぎて閨房術すら学んでいない有様で…
「何をどうしていいか分からない」マグロ状態…。
お后様…お母様は大いに反省し…勇者様と姫ちゃんの初夜に割って入り…
「実地」で姫ちゃんに閨房術のイロハを指導して行く…
姫ちゃん的にもひとりでは不安で…
お母様が側にいてくれると心強いし…
時には勇者様とお母様のを見て…
時には自分自身で体験しながら閨房術を学んで行くのだった…。
だがしかし…姫ちゃんの腑に落ちぬコトがある…
1.何でお母様の中に「お情け」を注ぐ必要があるのか…?
2.ワタシとのトキより…お母様とのトキの方が…
明らかに「長い」のではないか…?
3.ワタシとのトキより…お母様とのトキの方が…
明らかに「お情け」が「濃い」のではないか…?
4.ワタシが閨房術のイロハを学び終えたのに…
何故お母様は閨房に居続けるのか…?
勇者様もお母様も鷹揚な性格で…ワタシひとりが了見が狭いと言うのか…?
なれど…勇者様とお母様が愛し合ってるのを眺めていると…
心拍数が急上昇し…発汗量が増大し…今まで感じたコトのない…
ドス黒い感情が…姫ちゃんの心中でマグマの如く渦巻き…
「ウワァァァァァ!!!!!」と鳥の如く叫び…
「長くないですか?」「長くないですか?」
と勇者様の背中をペチペチ叩き…
「何時までお母様に引っ付いてんだ…このインコ野郎ッ!」
…と鳥人間は自分の癖に勇者様を鳥人間と罵り始めるのだった…。
あのう…この話には何も問題はなく…
勇者様と姫ちゃんの間に子供が出来…
王国は末永く安泰に続いたのですが…
新しい王妃様は…少しばかり「細かい」性格で…
後世の歴史書に1行記載が残るに至った経緯を…
本書では描いているワケで…
余程の歴史オタクでないと気にも留めない
ミニマムな出来事を描いているワケですね…。
姫ちゃんが奇声を発しながら周章狼狽する様が本作の見所で…
ですが…お母様の鷹揚ぶりを簡単に学ばれてしまっては
読者は面白くないので…
末永く「細かい」性格が続くコトを希うばかりです…。