コラム「『映画上映中はエンドロールが終わるまで席を立ってはならない』の呪縛」
2024年11月1日に日テレで「マイナスゴジラ(カラー版)」が
本編ノーカットで放映され…
翌11月2日にBS日テレで「マイナスゴジラ(モノクロ版)」が
完全ノーカットで放映され…
両者共にCMをカットし…円盤(BD-R)にダビングしたのですが…
尺の長さが約6分違う…
日テレの「本編ノーカット」と言うのは…
オープニング/エンディングをカットすると言うカラクリがあり…
本論考では日テレの詭弁を暴くとかには関心がなく…
マイナスゴジラのエンドロールが6分あるコトを俎上に上げ…
「最近の映画ってエンドロールが長過ぎねえ?」
と言いたいのだ。
「マイナスゴジラ」は約6分,「RRR」は約5分…
マーベル映画は10分以上エンドロールが流れると言う…。
映画館で映画を観ていると…
「『映画の終わり』とは何時なのか?」
という問題に直面します…。
何故「問題」かと言うと…
「映画が終わるまで席を立ってはならない」
という「謎マナー」が映画館にはあるからで…
この「謎マナー」は…
「本当の映画ファン」が専ら提唱し…
提唱するだけならいいものを…
他人にもその「謎マナー」を押し付けようとするきらいがあり…
曰く…
・映画上映中にスマホを見るな。
・映画上映中に走り回るな。
・映画上映中は私語を慎め。
・映画上映中は静かに飲食しろ。
…と誠にウルセエ存在で…
「映画をどう観ようと勝手だろ」
と僕は思うのですが…
この「本当の映画ファン」が…
「『映画の終わり』とは…」
「エンドロールが終わって場内が明るくなったときであり…」
「それまで席を立つこと罷りならん」
と謎マナーを提唱し得意顔となっているのですが…
そうした「謎マナー」に…映画製作者側が付けこみ…
長い長い長いエンドロールを制作し…
「本当の映画ファン」は自分達が課した
「謎マナー」の呪縛で席を立てず…
「普通の観客」も「謎マナー」に引き摺られて…
死んだ魚の目になって
「映画が本当に終わる」
のを延々待たされる有様。
アンタたち…「ナメられてる」って自覚ある…?
本・当・の・映・画・フ・ァ・ン・の・皆・さ・ん・っ・!!
一体…エンドロールを見逃すと…
それ程人生の…取り返しのつかない損失なのでしょうか?
「僕と同じコト」を考えたのが
「RRR」のラージャマウリ監督で…
彼が考案したのが…
「エンドロールは画面端を小っちゃく流して…」
「画面の大部分は主演俳優の歌と踊りを流す」
というやり方です。
「RRR」のエンディングも5分もありますが…
カーテンコール的ミュージカルを観劇していれば
「5分」なんて一瞬です。
しかも
「インド映画はミュージカルパートが無意味に長い」
って批判への監督からの
「コレでも無意味に『長い』と思う…?」
「『無意味』なんかじゃないだろう…?」
って回答にもなっているという離れ技。
「映画上映中はエンドロールが終わるまで席を立ってはならない」
という「謎マナー」は守りつつ…
最後の最後まで楽しんで帰って貰おうという…
「ラージャマウリ監督のやり方」
に感心するコトしきりなのです。
拙論考で僕の…
「本当の映画ファン」
に対する言い様のない悪感情が伝われば幸いです。