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アルジェント研究会(矢澤利弘教授主宰)によるダリオ・アルジェント監督の「歓びの毒牙」ファンブック「ダリオ・アルジェント 歓びの毒牙 徹底解析」レビュー「『学ぶ機会』は積極的に活用しないと知識は身に付かないと愚考します…」

本書は…38頁の小冊子で…。
「本書は…一体『何』なのか」
という問いかけに対してつらつら考えるに…
最終的な頒布(配る)形態を鑑みるに…どうも…
広島大学の…本邦に於けるダリオ・アルジェント研究の第一人者…
矢澤利弘教授が執筆された「同人誌」と考えるのが相当と思われる。

と言いますのも…
本小冊子は2024年の夏のコミックマーケットに於ける販売が初出で…
「コミックマーケット」と言うのは「同人誌即売会」の一形態であって…
畳3畳ほどの空間(文字通り「スペース」と呼びます)を与えられた参加者は…
折り畳みテーブルを組み立て…新刊・既刊同人誌をテーブルの上に配置し…
同人誌と言いますのは「本を作った本人が売る」モノですので…

ココで皆さんの想像力を喚起したいのですが…
ワザワザ広島から同人誌を携えてやって来た矢澤教授が…
「『アルジェント研究会』!新刊ありま~す!」
と三畳の狭いスペースで売り子に徹して…
自分が作った同人誌を宣伝する姿を…。

こんな真似…
アルジェントのコトが
「スキ」でなければ到底出来ませんし…
矢澤教授のフットワークの軽さに…
ただひたすらにアタマが下がるのです…。

「同人誌を買う」方法は…
基本的に「即売会会場に行く」しかありません。
「即売会会場」が地の果てにあったら地の果てに…
月面にあったら月面に行くしかないんですよ…赤ちゃん…。

ですが極一部のサークルさんは「委託」という方法で
「コミックとらのあな」や「メロンブックス」等の店で
販売していただけるコトがあり…
「とら」や「メロン」は通信販売も行っておりますので…
昔よりずっと楽に同人誌を手に入れるコトが出来る様になりました…。

本同人誌もメロンブックス専売で一定数売られ…
僕も通販で手に入れた次第です…。

本同人誌は広島大学の碩学にして
アルジェント研究会を主宰される矢澤利弘教授が
同研究会の研究結果発表&講義の際に用いられた
参考資料にして学術論文にしてレジュメにして教科書にして
学習の手引きにして…
僕がボンクラ大学生で…進級までにあと単位が幾つ必要なのか…
ダブって(留年して)しまうかもしれない…ッ!
…と下宿の布団の中で恐怖に震えた過去のトラウマが甦りッ
教授の講演会で「人殺しの思念」を送り…ッ
教授を恐れ戦かせたい衝動に駆られる驚異の書で…
この度「同人誌」という形式で流通販路に乗せていただいた次第である。

教授はこれまでも「トラウマ」「ダークグラス」「オペラ座 血の喝采」
に関して研究結果を学術論文化されており…。
今回待ちに待っていた「歓びの毒牙」の講義とあって…
元ボンクラ大学生の端くれとして…
是非とも教授の講義を拝聴したいと願っていたのだ…。

「知識」を決して象牙の塔に留めおかず…
市井のアルジェントファンに分け与えんとする
教授の広大無辺な御心の広さにただただ恐縮し…また感激するのみである。

大学と言うのは「一般教養」と「専門課程」に大別され…
初年度の学生は「一般教養」と
専門課程の基礎となるべき知識を学んで行くコトとなるが…。

「一般教養」は「専門課程」より内容が平易で…
無論「向学心」は必須だが…専門学徒でなくとも「ついて行ける」のだ。

「ダリオ・アルジェント 歓びの毒牙 徹底解析」は…
若干程度の高い一般教養の範疇に入り…
向学心あるものの知的好奇心を十分に満たしてくれるだろう。

あのね。

夏目漱石は「こころ」の中で…
「向上心のないものはばかだ」
と言っており…やる気のない人間が
教養を身に付けようったってそりゃ無理ですよ。

勿論38頁ほどのレジュメは向学心のあるものにとって
「食い足りない」筈であって…
「もっと深く知りくなる」筈であって…
ダリオ・アルジェントの「自伝」を読み…
「歓びの毒牙」を観て…
アルジェント作品を順次履修して行くコトとなるだろう…

「歓びの毒牙」を観るには…
DVDが廃盤になって久しく…
BSの有料放送のアルジェント特集を待つのもひとつの手だが…

アルジェントの「歓びの毒牙」を含む…初期三部作の…
リバイバル上映が予定されており…
字幕翻訳を矢澤利弘教授が務められておられるのだ…
東京・大阪以外の劇場での上映も予定されており…
「学ぶ機会」と言うのはね…コオロギくん…
積極的に活用しないと…
未来永劫「知識」も「教養」も身に付かないんだよ…
いまこの機会を活用しない手はないよ…
コ・オ・ロ・ギ・く・ん…ッ!
僕はいま…キミに言ってるんだよ…ッ!

まあ…冷静に考えて…アルジェントの「歓びの毒牙」を観て…
心が奪われたから矢澤教授の講義を選択している筈で…
「大学」と言うのは…
「より高濃度の知識」を求める性分が無いと…
「能動的に学ぶ」性分がないと…
「寝て4年間過ごす」という事態が容易に起こり得るのだ…

矢澤教授「ククク…ワタシは…」
「『サスペリア』…『サスペリアPART2』…」
「未だ2回分の変身能力を温存している…」
「その意味が分かりますね…?」

僕は今…。
矢澤教授の脅威に震えて涙を流しながら…
命乞いしたい心境を味わってるよ…。

素晴らしい講義を受講させていただいたお礼に…
黒手袋はめてヘンテコなカラクリ人形を抱えて
教授のもとに行き…
「トシヒロ…」
と話しかけ…
是が非でもティーカップの内容物を
零させて差し上げなくては…!

ダリオ・アルジェントの自伝の拙レビューはコチラ

「歓びの毒牙」の拙レビューはコチラ


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