服部昇大先生の「邦キチ!映子さん Season10」レビュー「なんで「邦キチグランプリ」ベスト9の発表漫画が単行本未収録なんですか?服部先生!」

前巻で邦キチは部長の実家に押しかけ部長の父親に挨拶して,
そのままお泊りしたのですが,本巻では
部長が本を読んでると
「私(わたくし)にも読ませて下さい」と一緒に読もうとするわ,
部長が3連休に下宿で「ゼルダ」の新作遊んで
邦キチからのLINEに返信しないと心配して押し掛けて来て
「部長臭いまする」といって風呂に入る事を促し
風呂上がりの部長の髪をドライヤーでセットしながら
「やっぱり部長は私(わたくし)がいないとダメでございまする」
と嬉しそうに言うわ,
部長が下宿でカップ焼きそばを食べてるとナチュラルに
「私(わたくし)の分は?」と尋ね,1個しかないカップ焼きそばを
箸を共有してふたりで分け合って食べるわ…等々の
所業をかましておきながら
話の流れで部長が
「いやあ流石に現実的じゃないだろ,高校生の同棲なんて…」
といけしゃあしゃあと言うもんだから
付き合って4ヶ月半にもなるのに
何もして来ない江波教諭(40歳)に不満を持っていた中峠先輩がキレて
「ほぼ半同棲ムーブをかましてる奴が言うセリフか!」
と八つ当たりされる有様。
もうね。
いちいち「映画のプレゼン」を噛ませなくとも話が成立してるのですよ。

本作ではひところ話題となった
「映画を早送りで観る人たち」が俎上に上げられてます。
例えば「七人の侍」の尺は約3時間半!
1日は24時間しかないのに3時間半も取らせるのは娯楽として全く優しくない!
アルティミシアの如く時間圧縮して映画を観るのが最適解!
って主張に邦キチ達がどう対抗するかが見所ですね。

また中峠先輩が邦キチや駒木ちゃんを連れずに映画を観に来た
部長と御影にキレて
「女をドキドキさせるのは男の義務!」
と主張して「元祖壁ドン映画」…「L♥DK」のプレゼンをしてます。
原作が少女漫画なので少女漫画の魅力の講義ともなってます。

巻末書き下ろしは名探偵コナンの劇場版のプレゼン。
実はSNSで「皆さんの押し映画のプレゼンを聞かせて下さい」って
企画に300件以上応募があって栄えあるグランプリに輝いたのが
コナン映画の「紺青の拳(こんじょうのフィスト)」って訳。
実を言えば「邦キチグランプリ」ベスト10の第10位から第2位までの
発表漫画がSNSで公開されたのですが残念ながら本巻には未収録なのです。
聞いた事も無い様なヘンテコな映画揃いで面白かったのに
何で収録しないのか不思議でなりません。