福本伸行先生の漫画「二階堂地獄ゴルフ」第4巻レビュー「二階堂に…最大の試練が…運命の選択が訪れる…善良な負け犬となるか…勝ち組のゲス野郎となるか…」
福本伸行先生の「二階堂地獄ゴルフ」第3巻までレビューを
書かせていただいているのですが…
3巻のレビューで「『ビックリするコト』が起こった」と書き…
最早その「ビックリするコト」を回避してレビューは書けないので
「ソレ」を知りたくない方はこっから先を読まないで欲しいのです。
いいかい?
警告はしたよ?
3巻の最後に二階堂の前に現れ…第1巻の最初から二階堂だけに見えていた
黒い影の様なコビトが「ニカイドゥ―」と囁き続けるのは
二階堂の幻覚だとばかり思っていたのですが…
ソレは幻覚などではなく…コビトは二階堂に…
「二回どう?(にかいどう?)」
と尋ねていて…。
3巻の最後の話で二階堂がプロテストでパターパットを外した瞬間に
コビトがずっと
「二回どう?」
と尋ねていたコトに気付き…。
要するにこのコビトは…
「もう一度パターパットを打ち直してみたくない?」
と尋ねているコトに気付き…。
二階堂が…
「もう一度やり直したい」
と答えたところ…
コビトの姿が巨大な「漆黒の闇」と化して二階堂を包み…
その「漆黒の闇」を抜けると二階堂は…
数秒過去に…即ち「パターパットを打つ直前」に戻っていたのです…。
二階堂の…「パターパットを失敗した」記憶は残っており…
「どう打てば入るのか」を知った上で再度パターパットに挑戦し…
今度はカップインしてプレ予選を通過する…。
つまりコビトは二階堂のスタンド能力の発現の過程であり…
彼のスタンド能力「リプレイ」とは…
「致命的な誤りを数秒過去に戻って訂正出来る」
というものだったのです…。
しかもこの「リプレイ」…
回数に制限がない様で…
自分の気に入る結果となるまで
何度でも無限に「リプレイ」出来る…。
「ジョジョ」で言ったら
ラスボスが持っているスタンド能力を二階堂は得たのです…。
勿論この「リプレイ」は…
「チート」であり…
「ズル」であり…
「イカサマ」であり…
ゴルフでも何でもない。
こんな能力を使ってプロテストに合格して
プロゴルファーになったとしても
ソレは実力でも何でもない。
本巻の前半はこの…二階堂の葛藤が延々描かれるのです…。
「リプレイ」のスタンド能力を使ってプロゴルファーになるか…
「実力」で無限にプロテストを受け続けるか…。
もっと有体に言えば…
二階堂は
「このスタンド能力をゴルフに使っていい言い訳」
を必死に考え始めるのです。
ジョジョの歴代ボスは時に関するチート能力を
自分の為に使って破滅していったが…
二階堂はどうなるんだろうか…。
本巻の最後で二階堂は次の様に独白する…
オレは…
社会不適合者の…
負け組の…
この世の底辺をのたうつ地べたヤローの…
バカ
ノロマ
キモイ
トロイ
皆から軽んじられ…
この世の片隅で…
辛うじて息をしている…
オレは…そんな連中の灯になりたいっ
その為にオレは…オマエ(コビト)の力を借り…
「偽りの合格」
を勝ち取るっ
そうさ…
ソレで何の不都合がある…
不都合なんてあるもんかっ
あるもんかっ
二階堂の目が据わり…
「ゲス野郎」の目と化したところで…
「次巻に続く」。