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映画「武器人間」レビュー「「人でなしの軍隊」を創設する気違いは平野耕太先生の「ヘルシング」の少佐だけではなかった!」

1945年,第二次大戦末期の東部戦線でソ連の7人の偵察部隊がある密命を帯びてドイツの占領地域に足を踏み入れた。やがて古い教会を見つけた彼等は大虐殺のあった痕跡を見つけ,教会の地下に巨大な地下迷宮を発見する。地下迷宮の探索を開始した彼等は半ば機械化されたドイツ兵に襲われるのであった。犠牲を払いながら迷宮を抜けたソ連兵が見た物は死体(zombie)と機械(robot)を縫い合わせて改造人間(zombot) を製造するフランケンシュタイン博士の孫であるヴィクター・フランケンシュタイン博士の姿だった。博士の作った改造人間軍団こそが劣勢に立たされたドイツの秘密兵器だったのだ。ソ連兵と改造人間軍団との戦いが始まる!

ショッカー…と言うよりもデストロン的発想で改造人間を量産する気違い博士のキャラ造形が突出していて,博士の高邁な思想とは「ナチ(極右)の右脳と赤軍(極左)の左脳を連結して電撃を加え,右も左も無いコスモポリタン(世界主義者)を生み出し戦争を終結させようと言うのである。僕等は博士の御高説よりもコスモポリタンを作る過程を実地で拝見出来る機会に恵まれた大大大大大僥倖を喜ぶべきなのだ。もうね。エグ過ぎて最高なのである。

登場人物は人間のクズか気違いの二択で,死んでも少しも心が痛まない観る人に優しい設計。博士の気違いぶりと彼が生みだした改造人間の驚異のデザインに震える作風である。地下迷宮は暗く,改造人間はチラッとしか姿を現さないのでライダーファン・怪人ファンの諸兄には不満が残るだろう。

本作の最大の見所は吹替のキャスティングだろう。
気違い博士は肝付兼太(旧スネ夫),露助の面子は木村昴,たてかべ和也,松本保典,小原乃梨子,西村大佑,関智一,前田一世…予告編のナレーションが大山のぶ代と見事な迄の新旧ドラえもん声優固めなのだ。

このキャスティングを考えた人間が一番の気違いであると断言する。

大山のぶ代氏と言えば昔TVの料理番組で「ベーコン」と「マスタード」をふんだんに使用した料理を作り,その料理に「マスターベーコン(ドラ声で紹介したのは言うまでもない)」と命名した平然と危険球を投げる女なのだ。

映画の内容も吹替のキャスティングも狂ってて斯様な作品は二度と登場しないと断言する。

平野耕太の漫画「ヘルシング」を読んで「人でなしの軍隊」を創設する気違いは少佐だけかと思ってたが,なんの世間は広い。
「フランケンシュタインの軍隊(原題)」を作る気違いが他にもいたのである。

ブルーレイが出てから10年。
居なくなってしまわれた声優さんの事を思うとしみじみします。
こんな酷い酷い酷い映画なのにね。

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