はじめてのエッセイのお題は「私」でした。
「私」というタイトルはあまりに多岐に渡るので、ここでは何故文章を書きたくなったのかという事に絞ってみたいと思う。
幼少の頃にさかのぼるが、小学校の低学年時代、雨の絵を書くとき殆どの子供達は点々
で雨を表現していたが、私は線で表現していた。理由は至ってシンプルで線にしか見えなかったからだ。また、遠足で上野動物園に行ったときの作文でライオンについて書いたのだが、皆は百獣の王だから強そうだったとか
、怖かったとかそういう内容だったのだが、
昼寝をしているライオンを見て「鬣が揺れていました。」と何気なく書いた。その後の先生方や周りの大人たちの反応や評価については、ここでは伏せることにする。
所謂もの書きと言われる人達と一般人の違いは紙一重だと思う。感性は誰にでもあり、心に感じた微妙な世界を言葉として、地上に降ろせるか否かが、違いだと感じる。自分自身、幼少時代の頃の方が、人が見逃してしまう様な事を見ることが出来たような気がするのである。会社の同僚が「文章にはその人の人柄が表れる」と言った事がある。そういうものかなぁと思ったが、文章を書くようになって、口下手な私でも文章なら自分を表現できる、と確信のようなものが私の中に生まれてきた。さし当たってはあまり気負わず、楽しむ気分で書き始めようと思う。