ラグビー#13|変化?進化!?2021年のイングランドラグビー!
ついに今年も始まった、欧州王者を決めるシックスネイションズ。
第2節まで終わり、イングランドは1勝1敗で現在3位。
1位のフランスとウェールズを追いかける状況です。
第2節のイタリア戦でのイングランドラグビーを見て、昨年までのキック主体の戦い方から、アタックの時間を増やすラグビーに変わってきているのではないかと感じました。
イタリア戦の映像と数字を照らし合わせてみても、アタックのマインドセットが非常に表れていました。
(初戦でスコットランドに破れ、勝ち点5を取りにいく為だったのかもしれませんが・・)
今日は、そんな今年のイタリア戦と昨年のイングランドラグビーを少し振り返りながら書いていきたいと思います!
最初からアタックのマインドセットだったイタリア戦
2021年シックスネイションズ第2節、イングランドvsイタリアのハイライトはこちらです。
ジョニー・メイが飛んだシーン。サムネイルで使われてますね。
『Jonny May Airlines』なんて書かれていましたが(笑)、このTRY時の跳躍力はすごかったです。
結果は、41-18でイングランドが勝利を収めました。
この試合のイングランドは、序盤からアタックのマインドセットが非常に強かった試合だったと思います。
例えばこんな内容です。
・キックオフアタックからイトジェを使ったコンテストキック(前半)
・ペナルティからクイックタップで攻める
(普段はPGを狙いそうな位置からも)
・自陣からボールを回してアタックする
今までのイングランドではなかなか見られなかったことを、次々に仕掛けていました。
反則やハンドリングエラーなどは多かったですが、結果としてポゼッションを支配し(58%)、6TRYを取ってイタリアに勝利しました。
昨年と数字が逆転!ゲインメーターとキックメーター!
2020年のシックスネイションズでは、優勝したイングランドのゲインメーターは最下位、キックメーターは1位という記事を、過去に書きました。
『キックを有効に使って戦っている』というお話です。
2020年の数字と今回のイタリア戦を比較してみましょう。
まずはゲインメーターから。
下のグラフの黄色枠は、昨年のイングランドの1試合平均ゲインメーターです。
1試合平均は505.2m。
ちなみに昨年のイタリア戦のゲインメーターは553m。
平均より少し多い感じでした。
今年はどうだったかというと・・
2021シックスネイションズ vs イタリア
ゲインメーター→882m
という結果でした。
昨年よりも300m以上多い・・。
この882mという数字は、試合に出場した23人の合計ゲインメーターなのですが、アウトサイドバックス(11/13/14/15)と呼ばれる選手のデータを見てみると、
11.ジョニー・メイ - 98m(12)
13.ヘンリー・スレイド - 95m(13)
14.アンソニー・ワトソン - 160m(7)
15.エリオット・デイリー - 94m(11)
※( )はボールキャリー数
4人で合わせて447m。全体の約半分は彼らがゲインメーターを稼いでいました。
キャリー数などを見てみても、エッジと呼ばれる外側へボールを運んでアタックしていることが見えてくる数字となっていました。
それでは次に、キックメーターを見てみましょう。
下のグラフは、青色の折れ線グラフが昨年のイングランドの1試合平均キックメーター。
(グレイの棒グラフは1試合平均キック回数)
1試合平均キックメーターは1099.2m。
1試合平均キック数は35.8回。
これも去年のイタリア戦のデータを出してみると・・
キックメーター→1287m
キック回数→44回
キック主体の戦い方をしていますね。
今年のイタリア戦のキックメーターとキック回数は
キックメーター→697m
キック回数→21回
約半分ぐらいでしょうか。
昨年よりもキックメーター、回数ともに減っています。
戦い方に変化が見える、非常に興味深い結果となっていました。
ボールを動かすラグビーも得意なイングランド!
キックを上手く使ったラグビーをするイメージが強いイングランドですが、ボールを動かすラグビーも実はとても上手いんです。
それを証明したのが、2019年ワールドカップ準決勝のニュージーランド戦。
ハカの時にVラインを作ってファズが笑っていたあの有名な試合ですね。
試合開始40秒から、奇襲とも言える超モメンタムアタックでTRYを奪いました。
キャリー、パス、ブレイクダウン、シェイプアタック。
全てのスキルが高いことで生まれたTRYだと思います。
2021年シックスネイションズのイングランドは残り3試合。
ウェールズ、フランス、アイルランドと強い相手との試合が続きますが、イングランドは進化したアタッキングラグビーを見せてくれるのか。
それともキック主体のラグビーを引き続き行っていくのか。
これからの試合に目が離せませんね!
今日は、イタリア戦から見えたイングランドラグビーの変化についての話でした!
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
※データ引用元 6Nations HP