ラグビー#17|熱戦のシックスネーションズ!キックとラックの比率を調べてみよう!
毎試合、熱戦を繰り広げているシックスネーションズ
国同士のプライドをかけたバトル
非常に見応えがあります
見るだけでも楽しい、大好物なシックスネーションズ
しかし、毎度のごとく気になることもたくさん出てきます
今回、気になって出してみたデータの内容
それは・・
キック数とラック数の比率
"キックラック比" なんて呼ばれるもの
ラグビーで、ボールを前に運ぶためのアタック方法は・・
まずひとつ
ボールを持って走り、ラックを作り、フェーズを重ねて前進する
もうひとつ
キックを使って、前進する
※ゴールラインへ向かって押し込むモールもありますが、ここでは置いておきます
これらのプレーをうまく使いながら、得点を狙うラグビー
そんなアタックのバランスを見るために、キックラック比は使われたりします
キックが多いイメージのある、ヨーロッパラグビー
シックスネーションズ第2節までに行われた、6試合
キックとラックの比率は、どんな感じだろう??
早速ですが、見ていきましょう!
シックスネーションズのキックラック比
キックラック比、こんな感じになりました
今回は、『キック1本に対して、ラックが何回起きているか』
という形で表しています
シックスネーションズ第2節までの、全6試合
キックとラックの比率は
『キック1本に対して、ラックが3.4回起きている』
ラックが小数の3.4回という表現が、ちょっと中途半端ですが笑
大体、ラックが3回から4回と捉えてもらえればと思います
キックラック比 1 : 3.4
を言葉で表すと・・
みたいなイメージです
意外に、キックって使われているんですね〜
けど、ここでひとつ気づくことが。
『自陣ゴール前(ピンチ)では、そんなにラックを重ねないよね』
『敵陣ゴール前(チャンス)では、もっとラックを重ねてアタックするよね』
"キックラック比 1 : 3.4"
というのは、エリア関係なく全体で使われたキックとラックの比率で表したもの
ラグビーは、エリアによってキックの回数や使い方が変わります
ということで、エリア別に出してみましょう
アタックの方向は、左から右へ
エリアを4分割にして表しています
敵陣ゴールラインが近づくにつれ、キック1回に対してのラック数は多くなっています
これは、ラグビーのセオリー
数字に表しても、しっかり出ていますね
DEFENCE 22(自陣22m内)のキックラック比に関しては、1 : 0.9
キック数より、ラック数の方が少ないことになります
このエリアでは、ラックを作らずダイレクトにキックを使うことが多いからです
例えば
・セットピースから、1stフェーズでのキック
・キックを蹴られた際のキックリターン etc..
ピンチの状況から、早く抜け出したいですもんね
シックスネーションズの各6チーム
それぞれ同じように、2試合分を調べてみました
大きな形としては、ほぼ同じ
敵陣ゴールラインが近づくにつれて、ラックの割合は大きくなります
しかし各チームをそれぞれ見てみると、少し特徴も見えました
6チームを、3つのタイプに分けて紹介していきます
敵陣深く入ったら、ガンガン行こうぜ!
パワータイプ
そんなタイプだったのは、ウェールズとアイルランド
✳︎ウェールズのキックラック比(2試合分)
✳︎アイルランドのキックラック比(2試合分)
キックラック比は両チームとも約1 : 4と、シックスネーションズの平均よりもラック数が高めとなっています
自陣はしっかりキックを使い、敵陣深く攻め込んだらポゼッションラグビーへ
両チームとも、敵陣22mに入ったらキックを使わずボールを持ち続ける
ATTACK 22での割合を、比率で表してみると
ウェールズ → 1 : 56
アイルランド → 1 : 62
キックなんて使うもんか!継続するぜ!
パワーラグビーだ!
さすがですね!カッコいいぞ!
敵陣でも、上手くキックを使って行こうぜ!
技巧派タイプ
全エリアを通して、よりキックを使うスタイルだった2チーム
✳︎フランスのキックラック比(2試合分)
✳︎イタリアのキックラック比(2試合分)
この両チームの特徴は、全体のキックラック比が 1 : 3を割っています
要は、ラック数に対してキックを多く使っているということ
『ゴールラインが近づくにつれて、キックが少なくなる』
という傾向は同じ
しかし、ATTACK 22内でも何回か攻めのキックを使っていました
敵陣入っても、キックを上手く使っていこうぜ!
そんな2チームでした
平均的に、落ち着いて行こうぜ!
アベレージタイプ
最後はこの2チーム
✳︎スコットランドのキックラック比(2試合分)
✳︎イングランドのキックラック比(2試合分)
キックラック比がシックスネーションズ全体の値である『1 : 3.4』と近く、他の4チームに比べて平均的な数字となりました
スコットランドの方が、敵陣入ってからのポゼッション持ちたいオーラが少し表れていますね
イングランドは、なんかバランス取れている感じがします
けどここで、イングランドの2試合の記憶を振り返ってみました。
スコットランド戦とイタリア戦・・
戦い方が少し違ったような・・・??
というわけで、イングランドの1戦目と2戦目をそれぞれ出してみました
ゲームプランも少し見え隠れする、キックラック比
✳︎イングランドのキックラック比(1試合目)
✳︎イングランドのキックラック比(2試合目)
ほら、やっぱり違いが表れた!
キックラック比の全体を比べてみると
スコットランド戦(1試合目) → 1:2.4
イタリア戦(2試合目) → 1:5.5
スコットランド戦に関しては、敵陣でもしっかりとキックを使っている印象がありました
敵陣での数字を見てみても、ラック4回に対してキックを1回使っています
逆に、イタリア戦を見てみると・・
本来キックを使うようなエリアでも、ラックの比率が高い
DEFENCE 1/2でのキックラック比を、1試合目と2試合目で比べてみると
スコットランド戦(1試合目) → 1:0.5
イタリア戦(2試合目) → 1:4.1
自陣22m過ぎたらポゼッションを持つ、アタッキングなマインドですね
メンバー、天気、対戦相手・・全ての内容を含んだゲームプラン
キックラックのデータから、少し見え隠れするような感じがしました
いろんな見方ができる、キックラック比
例えば、キックの数を見て
『キックが多いチームだな』
と判断するのは、全然間違いではないと思います
さらに、キックの数にラックとの比率の要素を入れてみることで、より具体的なキックの使い方が見えてきたりします
しかし、この数字は悪魔で指標
キックラック比が1:3だからと言って、ラックを3回重ねた後に必ずキックを蹴ってくる
ということは、ラグビーでは毎回起こりません
けど1つの情報として知っておくだけで、チームの特徴を捉えることができると思います
シックスネーションズのキックラック比
現時点では、1:3.4
キック数は、決して多すぎることはないと思います
逆に若干キックが少ないのではと、個人的には感じてます
けど最終的には、全体で1:3ぐらいに落ち着くんじゃないかな〜
なんて、勝手に思っています笑
今回の記事を読んでくださった皆さまには、その辺にも注目して残りのシックスネーションズを見てもらえたらいいなと思っています!
あと3節も残っている、シックスネーションズ
まだまだ調べたいことがたくさんあるので、時間ができたらまた執筆したいと思います!
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?