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ねぇってば
暑く湿っぽい夏風がカーテンを揺らしながら吹き込んでいた。
寝転んでいた顔に降り注ぐ、途切れ途切れの陽射しが眩しくて、片手で目蓋を覆い隠さずにはいられなかった。
「ねぇってばっ!」
退屈な時間をもて余した彼女が、俺の真横で少し不満化な声を掛けて来る。
ごそごそと揺れ動く彼女の気配が、直ぐ隣でしていたかと思っていたら、
生温かく湿り気があって、妙に肌触りのいい小さな布切れが、俺の口元にポンと置かれた。
俺は目を明ける事なく一瞬にして、その布切れの正体を嗅ぎ取ったんだ。
嗅ぎなれた彼女の甘く濃厚な体臭が漂う、その布切れは、ヌルリと濡れて重く俺の鼻を塞ぎ、彼女の今の思いを伝えるのだった。
「いいよ、おいで。」
その言葉が言い終わらぬ内に、フワリとしたサテン生地のスカートが俺の肩口をくすぐり、柔らかく温かいお尻の重みが俺にのし掛かって来た。
唇に触れる縦二葉の花びらは、もうすっかりと滑りを帯びていて、クッと押し付けられた途端にぴったりと俺の唇にマッチする。
夏の強い陽射しがカーテンを突き抜けて、彼女の正面を明るく照らし、薄手のティーシャツの隙間から、まん丸の下乳が揺れていた。
その下乳の上の方で、目蓋を閉じた刹那げな表情をした彼女が、眉間に皺を寄せている。
暑く湿っぽい夏風がカーテンを揺らしながら、二人の汗を嘲笑うかのように吹き込んでいた。