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音楽は止まらない

6月1日。待ち望んでいた発表がありました。

「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021 開催します。」


私の趣味の一つに音楽鑑賞、ライブ参戦があります。普段からミュージシャンのライブに行くだけでなく、夏や年末は毎年のようにフェスに参加していました。

そして今回、二年ぶりの再会が発表されたロッキンには特に多くの思い出があって、

地元が会場の茨城県に近いこともあり、中学3年生から毎年参加し。真夏の会場で飲んだコーラは今まで飲んだどれよりもおいしかったコーラ、高校時代に友人グループで参加したときは、後に付き合うことになる女友達と相談して同じTシャツを着たり、精神的な病気で引きこもりがちになっていた私を友人が引っ張り出して連れて行ってくれたり、

ミュージシャンのステージ以外でも印象に残っているエピソードはいくらでも浮かんでくるんです。

そんな自分にとって大切すぎる夏の祭典。それが去年は開かれなかった。

ロッキンがない夏はいつぶりだろうか。

去年、オンラインやアプリ上で過去のライブ映像の配信などもあったが、

チケットが届いた時の高揚、その日を何度も思い浮かべながら参戦服を探したり、翼のゲートをくぐりスピーカーの音を聴いた瞬間、各演奏の間にある楽器のチューニング音、汗だらけで腕を振るオーディエンス。

全てが無かった。

オンラインイベントと野外フェスがイコールであったり、代替案だとは考えていないが、やはり求めているのは「リアル」だった。それはオーディエンス以上にミュージシャンたちが感じていたはずです。


そして時間は流れ、今年のゴールデンウィーク。千葉県にて「JAPAN JAM」が開催されました。

当時の感染状況や、会場周辺の住民、世論、、、

運営にとって多くの不安があっただろうなあって。

それでも開催を決めた背景には、公式HPにて述べられているように「音楽を止めない」という考えがあったのだと思います。

コロナウイルス感染症が拡大して以降、ライブエンターテイメント業界は大きな影響を受けたことは間違いありません。

ゼミ論文をこの業界について執筆したため少し知識があるのですが、業界の性質上、一つのフェスが中止になることの損失は広い範囲に広がります。

主催者、ミュージシャン、チケット会社、設営会社、音響会社、ケータリング会社、会場内に出店する飲食店、会場周辺を担当する警備会社、その地域の交通機関や宿泊施設、

少し考えただけでもこれだけの関係者が一度に収入を失うことが分かります。

だからこそ、たった一つの音楽フェスを開催することに大きな意義があるのです。

もちろんリスクだってある。

もし参加者に感染者が出て、クラスターになったら、、、

世間からは大バッシングを受け、当分音楽イベントは開催されない。

そのような中で開かれた「JAPAN JAM」。

会場に行くことはできなかったが、公式HPやツイッター、参加者のInstagramなどを見たところ感染症対策は徹底されているように感じていました。

そして終演から20日後、イベントの参加者やアーティスト、スタッフを含めて、集団感染発生の報告が確認されなかったとの発表。

もちろん、この結果は運営の努力の成果であるのは間違いないけれど、フェスに参加したオーディエンス一人ひとりの高い意識も合わさってのことだと思います。


しかし、本日、7月7日。

ROCK IN JAPAN FESITIVAL 2022の中止の発表がなされました。

私は先日、ロッキンのチケットを無事確保することができでいました。

とてつもなくワクワクしていました。

規模の縮小でステージ数が少なかったり、マスク着用で声出し禁止など、今までのフェスとは違うところだらけだけれど、チケットが取れた時からどんな服装で参戦しようとか、友人みんなで入場ゲートをくぐれること、大空の下で爆音を全身に浴びることを想像しただけで興奮するし、カレンダーから今すぐにでも8月の第二週へワープしたい。

そう思っていました。

中止発表とともに添えられていた渋谷さんの言葉。

誰よりもこの中止判断を悔しがっているのは主催者さんたちだと思います。

中止判断が茨城県医師会の定義があいまいな「要請」がきっかけであったこと、開催までちょうど一か月前であったこと。

もちろん地域医療のひっ迫により地域の人々の生活や命が危ぶまれることは懸念されての判断であることは理解しています。

しかし、音楽で生活をし、命を懸けている人たちもいることを忘れてほしくないんです。

今回の中止で多額の損失を受ける主催者やイベント関係会社、地域の飲食店、宿泊施設、そしてアーティスト、最後に音楽ファン。

自分自身も音楽に救われたことが何度あったことか。

その点を茨城県医師会様は考慮したのでしょうか。

主催者は地元自治体との協議を重ね、ロッキンの開催は以前から確定していました。

今回の要請が開催の一か月前ではなく、開催が確定した日になされていれば、主催者側と開催に向けた感染対策など協議を進められていたでしょう。

私は後出しジャンケンのように感じてなりません。

医師会がHPに掲載した要望書の内容と提出時の写真を今回の発表を受け、HPから削除したことにも違和感を感じます。

要請として発言することで私たちは責任を負わない。ただし厳しい意見は述べる。実際に中止が発表されると批判をかわすかのようにHPから削除する。

圧力だけかけておいて、責任から逃げる。

このように私は感じてしまいました。


今回、ロッキンは中止となりましたが、この夏、全国多くの場所でフェスが開かれる予定になっています。

生意気に聞こえるかもしれませんが、それらに参加する皆さんでこの文章を読んで頂けた方へ、

この夏、フェスを全力で楽しんでほしいです。

もちろん、各イベントの参加要項や設定されたガイドラインを守りつつです。

皆さんの一人ひとりの行動が、自分自身を、仲間を、地域を、フェスを、音楽を守り、これから先へ繋げていくことになります。

私も今回の出来事で思うところは沢山ありますし、このニュースを目にした電車の車内で数十秒、天井を見上げました。

しかし、これからの音楽ファン一人ひとりの行動で、将来、そんなこともあったなあと振り返ることができる日が来ると信じています。

最後に。

ここまで生意気に何を言ってるんだと思われることもあったかもしれませんが、それほど私の中心にはいつも音楽があったのです。

そんな人は私だけではないと思います。

明日も、何年先も、自分自身の中には音楽があり続けますように。

音楽は止まらない。


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