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07 自殺者が実行に至るまで

私たちの生活は、実は常に誰もが自殺する危険性とともにあります。
ある時に死にたいという思いが頭に浮かび、徐々にその思いが強くなり、何かのきっかけで理性が解体されると「死ぬこと」こそがただひとつの救いだと思い込んでしまいます。

これまでの記事をもとに、どのような流れで人は自殺を実行してしまうのかを考えてみましょう。

現代の日本は自殺したくなる環境条件がそろっている

コミュニケーション不足
コロナの影響で、学校や仕事がリモートになったせいで、他者とコミュニケーションをとる機会が減りました。
学校や職場に行かずに在宅で居られるのは一見楽なようですが、規則正しい生活を送る上では、多少強制されたものではあったにせよ、通勤や通学、決まった時間での授業や仕事が健康的な生活リズムと、直接に他者と接する機会のもととなっていたのは間違いないようです。

わがままの推奨
他人を気にせずに好きにふるまえる環境は、他人に気を使う能力や相手の立場でものを考える能力を鈍くしてしまいます。これに呼応するかのようにテレビやネットの広告は「自分らしさ」や「個性」を掲げたものが増え、わがままになるのを推奨しているような感じがします。

情報過多
人はさまざまな情報を取り入れ、整理して自分で考えて活動していますが、しっかりした思考をするには頭の中が整理されている必要があります。
しかし、現代社会はスマホやパソコンから入ってくる情報が多すぎるため、頭の中が常に情報でいっぱいで、集中を保つのが難しいほどです。考えること自体の効率が低下してしまい、理性的にものを考える力も落ちてしまいます。

不健康な生活
早寝早起きや適度な運動をして、食事をしっかりと決まった時間に食べるといった生活習慣が理想的です。
コミュニケーション不足のところでも書きましたが、通勤や通学で半ば無理やりにリズム正しく生活していた環境が失われたので、夜更かしによる睡眠不足などが増え、そのせいで思考がまとまりにくくなっている人も増えているようです。

そして現代の日本は、これらがほぼ同時に起こりやすい環境がそろっているのです。
これらの影響で健康だった人が徐々に自殺志願者になっていくのです。

自殺志願者の最初の段階では「死にたい」という明確で強い気持ちはあまり見られません。
その代わりに、なんとなくだるくて体が重い感じがしたり、不眠や眠りが浅いなど睡眠に関する悩みを持ったり、性や暴力など刺激の強い動画や情報を欲しがる傾向があるようです。

しかし、この時点では自分自身もまわりの人も、自分が自殺の初期段階にいるとは気がつきません。


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むらの
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