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【雑談】思い出のスプリンターズS(表紙写真:カルストンライトオ(2007年筆者撮影))
皆さんの思い出のスプリンターズSは?
データや予想の話ばかりだと、どうも無機質になりがちな気もするので、需要があるかわからないがたまには思い出話でも。
競馬を数年楽しんでいると、やはりGIレースごとに思い出のレースが自然と出来ていると思う。
1つをチョイスして話すのは難しいが、スプリンターズSで思い出すのは2004年カルストンライトオ(大西直宏騎手)。
スプリンターズSを初めて生で見たのはこのレースだったのもあるわけだが、個性的な韋駄天キャラで応援していた馬がそのまま勝ってしまうのだから、競馬が人を取り込む魔力は恐ろしい。
この日は朝から、いや確か前日から大雨でとにかく馬場も泥んこでタフなコンディション。
(深夜にタップダンスシチーが出走した凱旋門賞を見ていた記憶も…)
当時短距離にはデュランダル、サニングデール、シーイズトウショウとなかなか層が扱ったのもあり、カルストンライトオは5番人気。
ただ、カルストンライトオは前走のアイビスサマーダッシュでは5番枠から二の足を使って外に切れ込んで外埒を走りそのまま勝ち切る派手なパフォーマンスを披露していた時期で、充実期でもあった。
また、寡黙な仕事人である大西直宏騎手が主戦として据えられ、心強い相棒を手に入れていた。
強い雨が降ったままレースがスタート。
五分のスタートから黄色いメンコのカルストンライトオは二の足を使って迷わず先頭へ。
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その隊列はそのまま3~4コーナーへ。
本来ここで後続が押し寄せてもおかしいはずが、寧ろリードが開いていく4コーナーから最後の直線。
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デュランダルが大外から突っ込んで来たものの、馬群の遥か4馬身前で一人旅のカルストンライトオに追いつける馬はおらず、そのままゴールイン。
なお、直線で小さい折りたたみ傘を1人高く上がってるのが見えると思いますが、これ、僕です。
(ちなみに傘は本来後ろの人がいる場合は見えないのでNGですが、余りの大雨にこの日は画像で見るよりもはるかにスカスカで、みな傘をさしてました)
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大西直宏騎手はサニーブライアンのダービー以来のGI制覇で、小さくガッツポーズ。
ちなみに導入開始直後だった馬単は5▶︎1だったが、直前にイチロー(背番号51)がメジャーリーグのシーズン最多安打記録を84年振りに塗り替えたニュースが流れており、このサイン馬券も話題になった。
その後、カルストンライトオは勝ち星を上げることが出来ないまま引退したが、アイビスサマーダッシュで記録された53.7の千直レコードは未だに破られておらず、その名前は輝き続けている。
今年のスプリンターズSは絶対王者がいない状況だが、古豪が意地を見せるのか、新たな新星が現れるのか、カルストンライトオのような逃げ切りが見られるのか、デュランダルのような追い込みが決まるのか、とても楽しみである。
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