【データ】菊花賞は本当に内枠が有利で外枠が不利なのか、ルメールの大外枠はどうなのか?
菊花賞の枠順が発表された。
最初に目が留まったのは最内枠の横山典弘と大外枠のルメールだろう。
良くも悪くも何かやりそうな横山典弘騎手と、菊花賞では不利(な気がする)大外枠の長距離の天才ルメール騎手。
いや、ちょっと待て、本当に菊花賞は内が有利で外が有利なのか、ちょっと調べてみた。
菊花賞(京都の良馬場開催)過去10回
まず、阪神開催が2回続いたが、やはりコース形態は大事(だと思う)なので除外する。
そして、道悪になるとやはり内外の傾向も変わるので、良馬場限定にする。
2009年まで遡ることになったが、このような傾向が出た。
全頭
まずは馬質を考慮せず全頭で調べてみる。
やたらと4枠と8枠が悪く見え、それ以外はそこまで差がないという感じか。
念のため、馬番も見てみる。
分散していてよくわからないが、15番以上の馬番は複勝率が10%、18番に至ってはなんと1頭も来てない。
これはとんでもない。(今回は大外枠が17番だが)
しかし、これは馬質を考慮していない。
そこで馬質別に傾向を調べてみた。
ちょうど該当した10年がすべて18頭だったので、ちょうど1~6人気、7~12人気、13~18人気にわけて傾向を見てみた。
1~6人気
単勝オッズが1~6人気の馬に絞るとこうなる。
勝ち切るにはやはり内枠のほうが良さそうだ。
複勝圏内という視点だと、そこまで8枠は悪くないように見えるが、ほかの枠よりはやはり見劣る。
勝ち馬は内枠に集中しているようにみえる。
ちなみに7枠で勝ったのは2011年のオルフェーヴル。
そして馬番別だとこうなる。
なんと、18番枠に1~6人気が入ったことがない。
大外枠で嫌われた可能性もあるが、これは驚いた。
17番枠を見てもやはりよろしくはなさそう。
なお、勝つにはうちから5番以内に入ると良さそうだ。
7~12人気
中穴のこの人気帯だとこうなる。
8枠が全滅。
7枠はそこまで悪くない。
勝つとしたら6枠が1頭(フィエールマン)いるが、やはり3番枠以内がよさそうだ。
馬番も見てみる。
枠でほぼ傾向がでていたが、中穴くらいの馬はやはり内枠の助けがあったほうが良さそうな一方、外枠は苦戦傾向にある。
13~18人気
最後に13番人気以降を見てみる。
まず入ったのが2018年3着のユーキャンスマイル(武豊)のみである。
これはもう枠の傾向以前に、良馬場の場合は大穴の出番が少ないレースであることを認識しておけばよさそうだ。
芝2600以上で良馬場で16頭立て以上のレース
言っても菊花賞はサンプルが10レースしかない。
そこで長距離というカテゴリで芝2600以上の良馬場のレース(2018年以降)の中で、さらに16頭立て以上のレースを調べてみた。
(コースは無視しています)
枠番別成績
全頭、人気馬(1~4人気かつ3.0倍~6.9倍)、人気薄(13~18人気)で区切って調べてみた。
これだと馬質で区切っても区切らなくてもそこまで外枠が不利のようには見えず、内枠じゃないと勝てないというわけでもなさそう。
もしかしたら内枠有利、外枠不利は京都3000特有の特徴かもしれない。
騎手ランキング
2勝以上の騎手は下記の通り。
やはりルメールが強い。
人気馬が多いのだろうが、回収率が単複ともにプラスなのは素晴らしい。
この条件だと複勝率が7割越えは驚異的である。
ルメールを紐解き
まず人気別にみると、やはり人気馬の騎乗が多いが、7番人気で一度勝っている。(フィエールマンの菊花賞)
枠別でみると、内枠で以外にもやらかしており、6枠で2勝8枠では2着に入っている。
これは菊花賞(21年阪神開催)のオーソクレースである。
以下、2018年以降16頭立て以上の頭数で芝2600以上のルメール騎乗の全成績である。
人気馬に乗りつつも、ここまでの安定感を残すのは素晴らしい。
今回は条件に入らなかったが、ダービーのイクイノックスやオークスのスターズオンアースは大外不利な東京芝2400で素晴らしい騎乗で成績を残しているだけに、菊花賞で大外枠を引いたとしてもルメールには関係ないのかもしれない。
まとめ
・菊花賞(京都・良馬場)において、8枠は厳しいようにみえるが、馬質が悪かったのもある。
・勝つには内枠が良い。安定感で優勢というわけではなく、勝つためのもう一押しが内枠といった感覚で持っておくとよさそう。
・ルメール騎手の安定感は抜群で外枠でも結果を残している。大外枠だからと安易な軽視は禁物。