『仮面ライダーオーズ 10th 復活のコアメダル』の感想(ネタバレあり)
田舎者でしてねー
上映館の限られてるオーズの映画見るには遠出するしかないのですよ
と言うわけで帰宅中なのですが電車内で暇なので映画の感想書いときます
えー
まず、僕はオーズ好きですが、大好きと言う程ではないっす
平成ライダーに嫌いなのは無いですけど(令和ライダーはあんま見てない)、唯一後半だけ見てないカブト以外は等しく好きです
カブトも嫌いなわけじゃ無いけど
特別好きなのは、DVDやBlu-rayで集めた、フォーゼ、ドライブ、エグゼイドと言ったところでしょうか
オーズに関してはソフト集めてませんね
ただ実のところ、DVDなど買い集めた好きなライダーも、一回も見返してません
見たく無いとかじゃなくて、プレイヤーにソフトセットして見る、と言う習慣がないだけなんですけど
音楽も好きで、ライブなどもよく行って好きなアーティストのライブDVDとかも買いますが、ハッキリ言って再生しません
もったいないですねw
そんな僕ですが、実は仮面ライダーオーズの最終回だけは、良く見返すんです
昔はレコーダーに録画してたのを見返してたし、それが壊れてからは東映特撮ファンクラブに入ってるので最終回だけ見たりします
放送時は忙しかったのかなんなのか、殆どリアルタイム視聴はせずに何週分か溜まってから纏めて見る感じで、毎週テレビの前でワクワクしてた特別好きな他のライダーと比べれば「好き度」は落ちます
それでも、特別好きな作品を見返さずにオーズの最終回ばかり見てた気がしますね
フォーゼもドライブもエグゼイドも、最終回はそんなに好きじゃないんですよね
僕の中でオーズは、「最終回が美しい」作品でした
では何故そこまで僕がオーズの最終回をそこまで気に入ってるのか
最終回の演出が凄かったのか?
映像が優れていたのか??
脚本が完璧だったのか???
どれもあるでしょうけど、1番最後に挙げたモノに関しては、「最終回の脚本が」とか言うレベルのモンじゃないのかな、と思います
そこまでの、火野映司とアンク、ヒナちゃん、伊達さんや後藤ちゃん、その他みんなの紡いで来た物語が、最高の形で結実してそこに至ったからこその美しさなんだと思うわけです
それまでの話を見ずに最終回だけ観ても、「美しさ」は感じないと思うのです
アンクの声の「タカ!クジャク!コンドル!」が最高にエモいのは、50話近く描かれて来た、「あの」アンクの声だからですよね
1話からベルト音声が三浦さんのものだったらなんも感じませんもの
さて、今回の映画です
結末に関して、僕はそれほど文句は無いです
映司が死ぬ
良い結末、とはまぁ思いませんけど、そう言うのもアリかな、と
仮面ライダーたちが命を賭して戦うってのは、そう言う結末があるかも知れないと言うのは、描写としてあっても良いかとは思ってます
テレビ放送はね、子供向け番組ですから、それで終わっちゃどうかと首を傾げるかもしれませんが、今回の映画は特に子供だけに向けられたモノじゃないのかな、とも思うので、そうか、こう来たか、と受け止めたのみです
ただねー
薄すぎる
描写が薄すぎる
厚みが全く無い
本編の最終回から10年経ってる
劇中の時間も10年経ってる
その10年の重みも厚みも説得力も何も無い
終盤、本編最終回の戦闘の演出をなぞるシーンがありますが、
まぁ映画見てる時は「おおっ」なんてまんまと思いましたがw
終わって見ると、「なぞってたな」と言う感想があるのみ
美しさは欠片も感じませんでした
10年と言う歳月が、なんのギミックにもなってませんでした
仮面ライダーの映画は、平成以降は基本的には見てると思います
その中で、たまにありますよね
世界が敵に支配されてかかってて、人間がレジスタンスとして劣勢で戦ってるってやつ
555にもあったし、最近ではゼロワンでもやってましたね
またかよ、って思いました
そこでもう、よくあるお祭り映画のウチの一個にすぎない奴だな、と「あの最終回のその後」を期待する気持ちは萎みました
仮面ライダー映画によくある、時系列不明で本編と繋がりがあるのかないのか分からないお祭り的なやつ
あれっすね、クウガが終わってアギトが始まった時、最初の方は両方の作品が繋がってるような描写があったものの、「世界観同一にしてしまって、アギトでまた怪物が出てきて戦うとしたら、クウガでの雄介の命懸けの戦いはなんだったんだ」みたいな意見があって結果別の世界線のお話になった、みたいなのがあったと朧げに記憶してるんですが、
え、そんな簡単に古代オーズが蘇ったりグリード達が復活したりするなら、テレビ放送時の映司たちの奮闘はなんだったの!?
みたいな
いやね、いいんすよ
蘇ったって
仮面ライダーの作品だからね、敵が居なきゃ映えないでしょ
だからなんか出てくるのはいいんですよ、何も出て来ないとは思ってないっす
ただ、薄い
何そいつらなんのコクも深みも無く出てきちゃってんの??
この10年の間にさぁ、鴻上さんがなんかやらかしちゃったとか、映司がアンク復活の為に色々やってる中そうなっちゃったとか、なんかもっとこう...
兎に角積み重ねが皆無だったよね
つまんないストーリーだな、って思いましたもん
そう言う物語的なバックボーンもそうだし、キャラクター的にも何にも10年の重みは無かったよね
アンクは死んでたからまぁ仕方ないとして、他のキャラたちも、10年で落ち着いたとか強くなったとか、逆に弱くなったとか苦しい思いをしたとか、何もない
10年の軌跡が全く感じられない
と言うか
肝心の映司殆ど出てないよね
渡部秀は出てたよ
憑依されてた演技で
でも、主役の火野映司の出番、全然無いよね
回想と、アンク憑依した時の心の中のヤツと、死ぬ間際
映司の10年が何も描かれてない
主役が、出てきたら死んでた
いや、そりゃちょっと酷いでしょ
そもそもアンクの復活だって、映司が死ぬ間際にそう願ったからそうなった、って!
10年の間に色々試行錯誤して、最後たりなかった何かを死ぬ間際に込めて...とか
いや、僕みたいな作品作りの素人の出す案なんてつまらないモンなんだろうけども、でも復活して欲しいなんて映司10年間ずっと思ってたわけでしょ
自分の命を与えた、とかなんかそんな描写あったわけでもないし、急!!
アンク復活させるための10年じゃないの??
あんなので甦っちゃっていいの???
重ねて言いますが、映司が死んで終わる結末に特に文句はありません
僕が美しくて好きなテレビのオーズの最終回だって、アンク死んで終わってるわけだし
メダルの怪人だから復活の可能性は想像できたとしても、ま、仮面ライダーで人が死んだとて、色々復活するケースありますし(バグスターとしてだったりするにしても)
そもそも、「愛されたキャラクターの死」は物語として感動要素の一つだったりしますもんね
でも、それをするには、兎に角薄すぎました
この10年の重み、どころじゃないです
放送事の1年の重みすら消し飛ばすほどの「良くあるお祭り映画のパラレル設定を想起させる“オーズの登場人物的な誰か“が出てくる、お祭り要素のためだけのお話」でしかありませんでした
オーズでありましたよね、映画
ノブナガ、とか出てくんの
映司が何故かお金配ってるやつw
それくらいの「本編の積み重ねとは違う何か」感を感じましたね
色々制約があるのは分かります
時間の制約、お金の制約、人の制約
でも、それらのおかげで今回のような駄作が出来上がるのだったら、いっそ作らないで欲しかったとは思います
今回の結末を書きたいんだったら、1時間の尺じゃ無理ですよ
色々説得力を持たせる描写してる暇なかったんでしょ?
じゃあやめとけ、と
せめて2時間...とか最初思ってたけど、それだった無理だよね
仮面ライダーオーズ2ndシーズン、全50話をかけて、映司の死の結末に重みを持たせないと、納得しないよ、と
成立しないよ、と
渡部秀さんは、結末に納得してはいるみたいなのを見かけました
彼の中では、映司の色んな気持ちが消化出来てるのかもしれません
映司の10年が落とし込まれてるのかもしれません
他のキャラクターも、それを演じる役者さんも、そうかもしれません
でも我ら客は、目で見たそのお話しか受け取れないんすよ
その中であの薄さは酷すぎた
Twitterで、色んなオーズファンの感想を見ました
受け入れてる人、良かったと言う人、喜んでる人も居ました
反対に、悲しんでる人、怒ってる人、苦しんでる人の感想も見ました
そちらの、今回の映画で傷ついてるたちは、勿論最後に映司が死に、折角復活したアンクが残される結末に深いダメージを受けたのだと思いますが、
これが、もう少し丁寧に、重厚に描写された物語の結果の結末だったとしたら
「公式」で「完結編」で「火野映司の最期」だったとしても
もう少し、受け入れる事も出来てたんじゃないかなぁ、なんて思います
まぁ、単なる僕の感想ですw
何万分の1の、なんの重みもない、誰も喜ばせる事も悲しませる事もない、シャボン玉みたいに弾けて消えて誰にもなんの影響も与えない一つの感想に過ぎませんが
とりあえず、僕はもう仮面ライダーオーズ本編の最終回を見返す事は無いと思います