見出し画像

「爆発力」が命 ショート型コンテンツ時代の広告クリエイティブ戦略

こんにちは。彼方此方のむらまさです。デジマを活用したグロースマーケティングに関する記事を連載しています。マーケティングの初学者や、マーケターと一緒に働く経営者、PM/PdM、クリエイターなどにも役立つ内容を心がけています。

今回は、イマドキの広告クリエイティブに求められる「爆発力」について書いてみます。TikTokなどに代表されるショート型のコンテンツが溢れる時代でも勝ち抜く広告作りのツボが分かる。かも。



「爆発力」とは

見た方が早いので、ズバリこんな感じです!

もう1年くらい前に流行った、生成AIによる妖怪動画ですが、爆発力のあるアートに昇華されていて、当時はとても衝撃的だった記憶があります。

まさに「ドン!バーン!」という感じです。
なぜこんなにグッとくるのか。

  1. 「妖怪」そのものの異常さ
    ヒトは、ヒトの見た目を認知する能力が本能に刻み込まれています。妖怪たちの異常に暗く深い瞳、異様に長い首、裂けるほど大きな口など、普通から逸脱したビジュアルに本能レベルで恐怖を覚えます。「不気味の谷」と同様の原理です。妖怪というのは数千年の歴史の中で生き続けている畏敬と恐怖のクリエイティブなのだと思います。

  2. 「生成AI」が異常さに拍車をかける
    さらに、生成AIの動画は、ベースとして独特な創造性と異常さを持ち合わせています。意味的な生合成を持たずに、表層的にマネをするので、不整合なクリエイティブが生まれる。僕たちがこれまでに知っている妖怪のビジュアルとも異なる「ズレ」の部分に、背中がゾクゾクするような感覚を抱くのではないか。

「意味的に不整合な映像を作る生成AI(2023)」

本能で処理できるクリエイティブは強いです。瞬発力が高い。
インターネットは年々コンテンツで飽和して、細切れ時間の奪い合いになり、ショート型時代になってきています。ゆっくり見てもらうことも難しいので、いかに短時間で「ツカミ」をつくり、惹きつけるかということがキモになっていると考えています。


「爆発力」のまとめサイトがある

なんと、上記のような爆発力のある動画素材だけをまとめたサイトがあります。https://transitionalhooks.com/

「インスタ・TikTokの冒頭フックライブラリ」というサイトです

「ボールが画面に向かって飛んでくる映像」「交通事故の瞬間」「人が落下するシーン」など、本能をハックすることを極めていて、ほんのりとこの世の終わりのような感覚すらあります。これらの映像を動画素材の冒頭に入れて、ユーザーの視線をヒキつけようという寸法です。


飽和するコンテンツとの戦いーー

これまで、広告というよりショート動画の話をしていました。ですが、上記のようなコンテンツと隣り合わせで画面上に表示されるわけで、広告クリエイティブ側もショート型コンテンツに学び対抗していくのは必至です。また、ショート動画を用いたインフルエンサーマーケティングなども存在感を増していて、その境目はなくなってきているとも言えます。

YouTubeやInstagramの後発であるTikTokが世界中を席巻しました。その後、Instagramにはリール動画、YouTubeにはショート動画として、メジャーなSNS全てに縦型ショート動画のフォーマットが搭載されるようになりました。そののち、日本ではショートアニメやショートドラマといった新しい形式のコンテンツと市場も生まれてきています。

生成AIの進展も影響しており、ChatGPTはもちろん、Adobe製品やCanvaなどの制作ツールにもAIが組み込まれ、良質な文章・画像・映像が、どんどんAIで簡単に量産できるようになっています(noteにもAIアシスタントが導入されていますね!)。そうした状況が、月単位で急速に変わってきています。我々はシンギュラリティの最中にいます。

しかも!近年はサブスク型ビジネスもどんどん増えていて、過去数十年の映画・ドラマ・アニメ・漫画・ゲームなどのコンテンツがここ数年でサブスクで利用できるようになり、アクセスできる良質なコンテンツ量は飛躍的に増えています。


まとめ

これだけは覚えて帰って欲しい、本日のまとめです。

■ 時代はショート型に一直線
  
無料 / サブスク型コンテンツの飽和
  
TikTokを筆頭にショート動画が急拡大
  
生成AIでコンテンツ生成がもっと簡単に
広告も当然、ショート型コンテンツに勝たねばならない
「数秒」で「本能」に刺さる内容で「ツカミ」をつくれ!

次回は、「爆発力」を優先しに行きすぎると「詐欺広告」になっちゃうよねという問題について書こうかと思います。広告のヒキにとらわれすぎると、誇大広告になったり、エロに寄っていったり、広告で見たのと違う!となったりしてしまいます。

引き続き、広告の費用対効果(=ROAS)を最大化するためのグロースマーケティングというテーマで書いていきます。役に立ちそうだったら登録よろしくお願いします。


余談

最近、Quoraという質問サイト(民度が極めて良いYahoo!知恵袋)のメルマガが来るようになったのですが、見出しがとても秀逸でした。

私に届いたQuoraのメール件名です

「飛行機内でしたうんちは空中に散布されているでしょうか?」
最高すぎますよねw ツカミとしては最強だし、質問形式なので中身が気になるという構造になっています。開封率きっと高いんじゃないでしょうか。

メールや記事の件名も、ほとんど目を通してもらえない一秒一瞬の中でいかにヒキを作るかという勝負なので、本質的には繋がっていそうです。


いいなと思ったら応援しよう!