【栄冠ナイン】秋の地区予選の敗北から半年…3年目の夏を狙う新生『メスガキ丘頃ナイン』に注目
ワカメまる監督率いる丘頃高校は1年目の秋の地区予選、2回戦負けの辛酸を舐めた。
リベンジを誓う2年目の夏。パワーのある4番日下と安定感のあるキャプテン阿部、そして仕上がったエース清水と優秀な2年リリーフの瀧本を揃えた新生メスガキ丘頃ナインは、盤石と言って差し支えない布陣となっていた。
夏の地区予選の初戦。地区大会の魔物がそこには居た。
相手は弱小校の佐倉水産高校。前評判を聞くに決して負ける相手ではなかった。そのはずだった。
試合は観客の予想を裏切る一方的な戦いとなった。エース清水が好投、守備の動きも決して悪くないが、ヒットやホームランを打たれ続け、7回までに6失点。メスガキ丘頃もヒットは出るものの、後が続かず7回終了時点で6-0。
8回表。瀧本の渾身の投球も打たれ続け、この回だけでなんと7失点。8回裏でなんとか5点取り返すも、13-5でまさかのコールド負けとなった。実力は完全に上回っていたこともあり、監督もショックを隠せない表情を浮かべていた。
続く秋の地区予選は、打撃力の中心を担っていた3年生の引退による影響か、ヒットがまるで出ない。瀧本・柳瀬も好投するが、点数が取れない焦りと守備のエラーによるストレスからか、途中から力尽きたように打たれまくり、10-0の5回コールドで1回戦敗退。メスガキ丘頃高校の評判は地に落ちた。
3年目の春、天才遊撃手・田辺が、何故か名実ともに弱小校であるメスガキ丘頃高校にやってきた。
理由はわからない。だが彼のやる気とその才能はチーム全体の底上げになると考えたワカメまる監督は、彼を褐色金髪碧眼男の娘にした上でチームに加入させた。
3年・瀧本と柳瀬の安定したピッチャー陣。チーム内で最も足の速い3年・松本。秋の悔しさをバネにパワーを伸ばした3年・小松(真)、そして稀代の天才1年・田辺。3年目の夏に向けて奮起する新生メスガキナインの行く先は如何に。
次回、『敗北の向こう側』。デュエルスタンバイ。