素晴らしい日々『23才の別れ』
23才の別れ
ベランダに朝日が差してきて
昨日を今日に変えていった
「帰りたくないのに。」
朝はやってきた
このままさよなら
また会う日まで
苦しくなっても悲しくないよ
腕に残るのは君の髪の香り
【解説】
タイトルはそのまま
かぐや姫の『22才の別れ』から、
自分は23才で別れたので1才変えた。
中学校の同級生が好きだったので、
昭和のフォークソングも
僕もなんとなく一通りは聴いていた。
2000年代のBLINK182とかもそうだし、
90年代もNOFXとか、
それこそ
1分まで長さの曲を集めたコンピ
『Short Music for Short People』
というのもあるくらい
ポップパンクバンドでは、
アルバムに1分くらいの短いジョークソングみたいな曲があって、
そういう曲が好きなので自分なりに作った曲。
まあまあシリアスな曲というか、
ジョークソングからは程遠いけど。
短い曲は短いからこそ
聴く人が感じてくれる幅が増えるとは思ってる。
俳句とか川柳もそうだけど、
相手の想像力勝負というか
聴く人が少ない言葉から
足りない部分をイメージしてもらえる。
この曲のレコーディングはばんからカセットレコーダーを借りて、
そのカセットレコーダーでテープに録音した音源をそのまま使ってる。
彼女と別れることを決めた日、
「今日で最後だね」という話をしながら、
夜を過ごした日のこと。
あの日はお互いほとんど寝なかったと思う。
色々あって別れることになり、
「帰りたくない」
と彼女はごねたけど、
結局はお互い今日もバイトがあるし、
帰ることになった。
車で帰る彼女をベランダからずっと見ていた。
彼女も僕を見上げながら、
ずっと手を振っていて、
後続車にクラクションを鳴らされて、
結局彼女は帰って行った。
あの光景は今でも覚えている。
ただこれ実はミステイクで、
本来なら歌詞は
「今日を昨日に変えていった」
が正しい。
アルバムのマスタリングが終わってから
ばんに
「昨日は今日に変わらないよ」
と指摘されて気がついた。
録り直しも考えたけど、
「昨日を今日に変えていった、
でも昨日が今日に変わったってことにもなるし、
なんか意味がありそうな感じがするから、
まあいいか」
と最後は思った。