The Drama Summer『愛すべきher』
『愛すべきher』
「花粉症の薬のせいかも」
歪んで見えた 私のアイコン
書いて消した 話したいこと
送れずまた 明日は月曜
君がいなきゃもうダメとか
言わないよう 頑張ってる
マイクロフォン 通して会う都度
さすがに分かる 私とのこと
美化されていく あの日の浮雲
だけど卒業 ラストエピソード
君がいなきゃもうダメとか
言わないよう 頑張ってる
これ以上は 知らないこと
私じゃない 隣にいる人
これから書く 君の女は
私よりもいい女であってよ
君がいなきゃもうダメとか
言わないよう 頑張ってる
【解説】
元々は彼氏に振られた後のOL川柳みたいな曲を作ろうと思って、
OLのSNSやブログを読み漁り、
「誕生日にメルマガしかメールが来なかった」
とか
「私は彼氏と別れたのに同僚が寿退社した」
とかそんな歌詞だったが、
それを見たばんから
「曲のイメージに合わない。」
と言われて、
サビの歌詞だけ残して全部歌詞を書き直した。
ある日、
昔付き合っていた彼女からLINEが来て、
何かの会話の最後に
「私はもう卒業ですね。」
と書かれてあった。
どういう意味か聞くと
明日、照らすを聴いてて、
「これ、自分のことだろうなあ。」
と思う曲があったけど、
もう最近ではほとんどなくなってきて、
その分おそらく
違う誰かの比率が多くなってきてる、
私は役目を終えたんだ
というような返信が返ってきた、
そんな実体験を基に曲を書いている。
というのを念頭に置いて歌詞を読むと
なんとなく意味が分かると思う。
卒業ですねという彼女の言葉には
瞬間的に言ってきたというより
そう思ってていつ言おうか、
今更こんなこと言われても嫌だろうな、
でも言いたい!と思っていただろう
時間を感じたのが1番の歌詞になってる。
2番の美化されてくあの日の浮雲の浮雲は
もちろん明日、照らすの1st mini album
『素晴らしい日々/浮雲』のこと。
彼女とあの曲にはエピソードがある。
http://blog.asstellus.com/?eid=1632332
僕のこういった
事実を事実にある程度基づいて
書くような曲のスタイルでは
当然その対象や人物がいる以上、
その人たちはその人たちのドラマがあり、
こういう現象が起こる。
この時も久々にそう言われて
「自分のやっていることが
誰かの犠牲の上に成り立っていたこと」
を改めて思い知らされた。
僕に色々書かれて
嫌な思いしたこともあっただろうに、
それでも何も言わずに
僕の好きなように表現をさせ続けてくれた。
彼女からは一度も
僕が書くものに
NGを言われたことがなかった。
彼女からは一度も
「あのブログを消さないと
実名で全部告発してる。」
と脅されたことも、
「あの曲の女の子は誰なの?」
と夜な夜な問い詰められたこともない。
そして周りに好きなように
僕と付き合っていた頃の話を話して、
僕の周りに下世話な話が出回るようなことも
彼女からはなかった。
彼女にはいつも
「私があなたに書いて欲しくない話なんて
一つもないから大丈夫。」
と言われていた。
ある意味では
そういう感謝の気持ちを込めて書いた曲。
この曲に出てくる彼女が
可愛らしくて、
ユーモアがあって
すごくいい人なんだろうなと思えるのは、
みんなにそう思ってほしかったから。
だって本当にそういう人だから。
タイトルは昔、
彼女と付き合っていた頃、
『愛すべきher』
というタイトルの曲を思い付き、
よく部屋で「愛すべきher」
とタイトルを口にしていたらしく、
数年後に別れた後に再会した時に
僕は忘れていたけど、
「『愛すべきher』っていいタイトルだったよね。
あの曲はできたの?」
と言われた思い出から。
なんでかそういうことを僕は忘れられない。
でもね、
忘れられないことって、
忘れてくれないことって、
時としてお互いに不幸だとも思う。