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Permanent Collection『K』


K

夜の向こうへ 君が消えた
「ありがとう」さえ言えないまま
「今度またね」それきりなら
「ありがとう」って言えばよかった

夜の向こうへ 君が消えた
君以外は いつもの朝
「セブンスターって買えたのかな?」
帰り道でふと思った

離れてしまった体と心臓
血液の流れ 止めてもずっと
僕らは君を歌っている
寂しくなったら今すぐ来いよ
校舎のベンチで僕らは今日も
君との話で笑っている

夜の向こうへ 君が消えた
「ありがとう」さえ言えないまま
「今度またね」 約束した

今度またね
ありがとう K

離れてしまった体と心臓
血液の流れ 止めてもずっと
僕らは君を歌っている
寂しくなったら今すぐ来いよ
校舎のベンチで僕らは今日も
君との話で笑っている


【解説】

http://blog.asstellus.com/?eid=1632132

この日記にほとんど書いてあることを
そのまま歌詞にしている。
人が亡くなったということを
どう言葉で表現するのかということだけ
はすごく考えた。
この曲には目的がある。
少なくとも倉田(K)との思い出は温かいものであり、
この曲は聴く人が繰り返し聴けるように
ただ悲しいだけのエピソードにはしたくない。
体と心臓が離れてしまって、
血液の流れを止めてしまった。
このラインが僕の中では
言葉にする限界だと思った。

http://blog.asstellus.com/?eid=1631490

この式の帰り際、
周りは
「曲良かったけど、
お前の歌い方気持ち悪かったよ。」
とか冷やかしてくる中で、
倉田だけ僕の歌を聞いて、
「もし友哉、
今CDあるなら売ってくれないか?」
と言ってきた。
倉田も元々地元の浜松でバンドをやっていて、
「俺は高校生の時、
シャカラビッツと対バンした」
というのは
本当に何回も彼から言われたし、
そうやって音楽に対しては
多少プライドもあったので、
まさか倉田がそう言ってくるとは思ってなかった。
そしてそこで買ったCDを
倉田が奥さんに聴かせて自慢していたなんて
想像もしていなかった。
一番残念なことは
それを彼が亡くなる前に知りたかった。
「まあ駅も新しくなったみたいだし、
また今度、
みんなで神領(中部大学の最寄駅)で飲むか」
と帰り際、
別れたのにそれも叶えられなかった。

RANCIDのアルバム『Indestructible』で、
1曲目はタイトルと同じ『Indestructible』という曲で始まる。
この曲はTHE CLASHのジョーストラマーの死を受けて、
ジョー・ストラマーが死んでも、
この曲の中でジョー・ストラマーは
永遠に生き続ける
という意味が込めているらしい。
そのスケールは1万分の1くらいではあるが、
倉田が僕の音楽を好きでいてくれたのであれば、
僕の音楽の中にだけでも
彼には永遠に生き続けて欲しい。
そんな気持ちで作った曲だし、
おそらく
この『Permanent Collection』で一番最初にできた曲。
このアルバムを作ろうと思ったきっかけは
『K』を世に出す為だった。


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