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クラウドコスト最適化の最初のステップ

** You can read the English version here.

2024年、私の周りにはクラウドコストに関するさまざまなリスクがありました。

円安、クラウドプロバイダーへの支払い増加の主要因
設計プロセスでコストの考慮が見落とされがちな傾向
リファクタリングへの投資に割り当てるリソースの不足
新機能のROI(投資対効果)が疑問に思えることがある

この記事を読んでいるほとんどの方と同様に、私たちのチームのリソースは潤沢ではありません。加えて、迅速なデリバリーへの要求が、コスト最適化されたアーキテクチャの実装を妨げることが多々ありました。

私が実施したこと

幸いなことに、これらの懸念を1on1ミーティングで共有したところ、マネージャーが私の取り組みを支持してくれました。そこで、毎週のコスト最適化ミーティングを開始することにしました。これは、私が立ち上げた小さなサイドプロジェクトです。

1. コスト最適化のアイデアを共有

コスト最適化のアイデアは、チームメンバーに十分に理解されないこともあります。そのため、コスト最適化のアイデアを一覧化したドキュメントを作成し、チームの参考資料として提供しました。

これらのアイデアを集めるために、次のことを実施しました。
AWSのソリューションアーキテクトに、一般的な最適化アイデアを共有してもらう
クラウドコスト最適化に関するミートアップに参加する

2. クラウドサービスのダッシュボードを活用

AWSのCost Optimization Hubを有効化しました。

Cost Optimization Hub は、以下の機能を提供します。
コスト削減の機会を提案
削減可能なコストの金額を可視化

Cost Optimization Hubは完全無料なので、今すぐ有効化することをおすすめします。

他のクラウドプロバイダーも、同様のダッシュボードを提供しています。
Google Cloud … Google Cloud Cost Management and Recommender
Azure … Microsoft Cost Management and Azure Advisor

3. コスト削減の機会を可視化

チーム全員がコスト最適化の方針を統一できるように、ワークショップを開催しました。その目的は、チーム全体でクラウドコスト削減の戦略を立案することでした。

私は、実装のしやすさコスト削減額の2軸で座標を作成し、これまでに特定したコスト削減アイデアをマッピングしました。

可視化において最も重要なのは、ROI(投資対効果)です。特に、ROIが高い、または「クイックウィン(すぐに効果が得られる)」アイデアから着手することが最も効果的です。

ROIを可視化することで、マネージャーを説得し、コスト最適化にリソースを割り当ててもらうことができました。

これらの取り組みを経て、チーム全体のクラウドコストに対する理解が深まり、実際にコスト削減アイデアの実行を開始することができました。

チームのサポートには、とても感謝しています。

次にやりたいこと

ここまでの取り組みによって一定の成果を上げることができましたが、まだ改善できる領域が残っています。
アーキテクチャレビューの際に、コストの観点を取り入れる
ユニットコストメトリクス(Unit Cost Metrics)の導入

これらの取り組みを導入した際には、また記事を書いて共有したいと思います。


1.「Frugal Architecture」「CCoE」「FinOps」といった用語の登場は非常に象徴的です。

2. ミートアップで、各クラウドサービスのコスト構造を学ぶのは簡単ではないと感じました。例えば、あなたのユースケースに基づいて、9種類のS3バケット(リンク)の中から最適なものをすぐに見つけられますか?

3. 公式ブログ記事でを読むのがおすすめです。

4. GoogleやAzureには詳しくありません。ぜひコメントで教えてください!

5. https://aws.amazon.com/blogs/aws-cloud-financial-management/what-is-a-unit-metric/