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爆笑の「クレイジー・エックス・ガールフレンド」。実は、とても深いドラマだった。

2015年10月から2019年4月まで4シリーズに渡ってアメリカで放送されたロマコメミュージカルドラマ、「クレイジー・エックス・ガールフレンド」。
陽気でチャーミング、そして時々サイコな主人公レベッカ(レイチェル・ブルーム)のクレイジーぶりがミュージカル調でおもしろおかしく描かれていて、この独特の世界観にドップリハマってしまいました。

このドラマの素晴らしさを共有したい!と思い、
「あらすじ」と「見所」について、感想を交えながら簡単にご紹介しようと思います。
※結末には触れていませんが、細かいエピソード等には記載しているので、ネタバレ注意です。


「クレイジー・エックス・ガールフレンド」の簡単なあらすじ

ハーバードとイエール卒、ニューヨークで超エリート弁護士として働く主人公レベッカ(レイチェル・ブルーム)が、役員になる昇進を蹴ってまで高校時代の元彼ジョシュ(ヴィンセント・ロドリゲス3世)を追いかけ、ウエスト・コビーナに引っ越してくるところからこの物語は始まります。
未練たっぷりのレベッカは、どんな手を使ってでもジョシュと寄りを戻したいと必死!
復縁のために繰り広げられる、犯罪ギリギリの常識を一脱したレベッカのクレイジーぶりが展開されていきます。

頭はいいのに、恋のためにやることがとってもおバカでクレイジーなレベッカは、復縁作戦ももちろんクレイジー。
ジョシュの新恋人バレンシア(ガブリエル・ルイズ)に近づいて二人を別れさせようとしたり、ジョシュと会うために見知らぬ人を誘ってまでホームパーティーを開いたり、ジョシュのお母さんに近づいて親族が開催する感謝祭に参加したり、
まぁこれだけ聞くとちょっとあり得るクレイジーさと思うかもしれませんが、、、
回を追うごとに、そのクレイジーさはエスカレートしていきます。

ウンチ入りスイーツを送ろうとしたり、ジョシュ似の男性とAV映画を撮ろうとしたり、ジョシュの母の誘拐予告をしたりなど、犯罪ギリギリの病的レベルなクレイジーさ。
(実際されたら怖すぎですが、そのおバカでクレイジーな発想に、視聴者としてはもう、笑ってしまうしかありません。笑)

”次はどんなクレイジーぶりを発揮してくれるのか””果たしてレベッカは本当にクレイジーなのか””果たしてジョシュとよりを戻せるのか”・・・。
レベッカのクレイジーぶりに期待しながら、ドラマの展開に最後まで目が離せない作品です。


「クレイジー・エックス・ガールフレンド」の見所
1. 個性豊かな登場人物とレベッカの友情

弁護士事務所の職場の同僚、近所の住人、ジョシュの友達たちも魅力的な存在です。
レベッカの同僚でお母さん的存在、レベッカのためにハッキングやら盗聴器やら全力で支えてくれるポーラ(アンドリュー・バロー)、だんだんバイセクシャルに目覚めていく感動屋さんで心優しい上司のダリル(ピート・ガードナー)、心理学を専攻し、レベッカのクレイジーさをいつも冷静に分析する近所にすむヘザー(ベラ・ラベル)など、本当に個性豊か!
些細な発言や行動の一つ一つが、コメディ要素満載で本当におもしろいんです!

はじめはレベッカを”ヤバイ奴”として見ていた彼らですが、
真っ直ぐで愛くるしいレベッカの魅力的なキャラクターに、いつの間にかみんなが虜に。
レベッカがどん底に落ちたときには見捨てずに心の支えになって、レベッカが幸せになるために全力でサポートしていて、深い愛のある友情に胸が熱くなりました

個性豊かな仲間たちとレベッカの間に徐々に築かれていき、美しい友情も見所の一つです。


2. 心理学的な面も描かれているから、内容が深い

このドラマは、恋愛でクレイジーになってしまう女性をただおもしろおかしく描いている話ではないんです。
父親に捨てられた過去、母親の望む自分を演じてきたこと、親から愛されているか不安であったことなど、
『レベッカの奥深くに刻まれた心の問題』についても触れられています。

つまり、
『”取り憑かれた妄想”、”不安定な感情”、”失うことへの極端な怖さ”、”現実逃避”などの心の問題が、元彼ジョシュに執着してしまうクレイジーなレベッカをつくってしまった』という事実が読み解かれていくんです。

ドラマの後半で、
”自分は愛し方を知らない”、”自分が何者なのかが分からない”と、
恋愛がうまくいかない要因は自分に問題があるとレベッカは自覚し、
しっかりと自分の足で立った上で素敵なパートナーを見つけるべきだと気づきます。

『自分のことを受け入れられない人が、他の人を愛することができるのか?』と、
私自身も、ドラマを通して問いかけられているような気になりました。


3. 人生についてのテーマも描かれている

恋愛だけじゃなくて、『人生』についても考えさせられます。
『人生で大切なことは何なのか』というメッセージが、
心の問題に気づき、真摯に向き合い、成長していくレベッカの姿を通して伝わってくる。

”自分がしたいことは何なのか”、”親の望むレールの人生を歩むべきか”、”気持ちを押し込めてまでやりたくないことをやるべきなのか”
など、
レベッカの悩みと自分を重ねて見てしまいました。

愛をゴールとせず、愛はあくまでも人生の一部として描かれているところが、
単なる楽しいミュージカルやコメディドラマではない、
人の心に深く刺さる名作なのだと思いました。


「クレイジー・エックス・ガールフレンド」、本当にオススメです!

ドラマの中で使われている音楽やダンスのクオリティーが高く、ミュージカルだけでも楽しんで見れますし、
ちょくちょく仕込まれたコメディセンスも抜群なので、
本当に笑って楽しめる作品だと思います。
言い回しや表情などの役者さんの演技も絶妙で、本当にこのドラマが大好き!!!
でも楽しいだけじゃなくて、恋愛を含めた人生におけるたくさんのメッセージが伝わってくるんですよね。
”こんな風に悩んでいるのは私だけじゃないんだ”と、心が救われる人も多いのではないでしょうか。

思いっきり笑えて学べることもたくさん詰まった「クレイジー・エックス・ガールフレンド」、ぜひ一度チェックしてみてください。
※Netflixでも配信されています

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